各チャネルの利用状況を可視化し 顧客接点を磨き上げよう
今号の特集タイトルに絡め、村松さんはプリンシプルが支援する企業の中から、データ分析によってOMOを推進する3つの事例を紹介。各企業の取り組みについて解説を行った。まず紹介したのは、ECの定期購入率を向上させた医療用消耗製品メーカーの事例だ。同社が抱えていた課題に対し、プリンシプルは店舗とECの統合デ ータをもとに、双方における顧客行動の可視化・分析を実施。結果として、オンラインとオフラインを往復する顧客が多いことがわかったと言う。
「同社の製品は特性上、医療機関の受診後に定期購入をする必要があるのですが、20代を中心に、初回購入前に製品検討のためウェブ検索し、サイトに来訪して購入製品を選定した上で医療機関を受診する顧客が多くを占めていました。そのため、若年層の獲得にはまずウェブ広告などのオンラインの集客施策に注力し、新規顧客の獲得を目指すことが重要だと判断しました」
また、顧客データを紐解くと、初回利用する店舗によってその後のオンライン購入率に格差が発生していることも判明。店舗ごとに接客のオペレーションが異なることが要因となっていたため、接客時にオンライン購入を案内するようオペレーションの統一も行うべきだとわか った。さらに買い替え頻度を分析すると、若年層は少量購入のため購入頻度が高く、年齢が上がるにつれ、まとめ買いにより次回購入までの間隔が長くなることも明らかになった。
こうしたデータを活用すれば、セグメントごとに適切なタイミングでアプローチを実施することが可能となる。村松さんは、「同社のようにオンラインとオフラインの顧客行動を可視化・分析することで、各顧客接点における適切な改善策を見出すことができる」と語った。