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サービスの進化を求めて 良い顧客体験とそのありかたをCXO が語る

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2019/05/07 07:00

 Oisixがサービスとして成長をしていく過程で得た気づき。それを白石さんは、最初に声がかかるお店になるための4つのポイントとして提示してくれた。※本記事は、2019年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.08』に掲載したものです。

 顧客体験、という言葉を耳にすることが増えてきた。オムニチャネルへの取り組みが当たり前になってきたからこそ、「ECとリアルをどうつなげていくのか」はもちろん、その先で「どのような顧客体験を提供したいのか」までをより明確に設計し、実行することが求められているからだろう。だが、EC事業者の多くが最終的なミッションとして課されているのは、売上やコンバージョンを伸ばすことであるように思う。その狭間で頭を悩ませている人もいるかもしれない。

 そんな中、“顧客体験を良くする”ことにコミットしているのが、オイシックス・ラ・大地の白石夏輝さんだ。Chief Experience Officer を意味する「CXO」に抜擢されている。同社は、あまり聞き馴染みのないこの役職とミッションを、新卒5年目、インターンの時期も含めると実質6年目の白石さんに託した。CXOは今、なにを良い“顧客体験”と定義し、これからどこに向かおうとしているのだろう。その先に、「To be first call」になるためのカギがありそうだ。

オイシックス・ラ・大地株式会社 CXO(Chief Experience Officer)兼OisixEC 事業本部 副本部長 白石夏輝さん
オイシックス・ラ・大地株式会社 CXO(Chief Experience Officer)兼OisixEC 事業本部 副本部長 白石夏輝さん

感じていたサービスの課題 CXO就任も「迷いはなかった」

 インターンではオフラインにおけるプロモーションの立ち上げを行い、社員として入社後は、ウェブ広告などオンラインプロモーションに従事。新卒2年目となる2016年春にはプロモーション室室長に就任し、マネジメント業務も経験した。その後徐々にUXやCXといった領域も担うようになり、同年秋からはUX室の室長を兼任。2018年10月、CXOとなった。“顧客体験”という一見抽象度の高い分野を突き詰めることに、戸惑いはなかったのだろうか。

「Oisixは長年、商品の良さでお客様に支持されている印象はありましたが、サービス面はそれほど進化していないのではないかという問題意識を抱えていました。オフラインプロモーションの立ち上げ時には、たとえばTSUTAYAさんに野菜を持ち込み、長テーブルをひとつ借りて、通りすがりの方に声をかけて入会してもらうといったことにも取り組みましたが、サービスの使い勝手が理由で入会後に辞めてしまうお客様も少なくなかった。その体験から、プロモーションだけでどうにかしようとせず、サービス自体を魅力的な状態に整えたほうが、結果的に事業にとっても健全ではないかという思いがありました。ここ数年でZOZOTOWNが、ウェブでもサイズ感がわかるようにしたり、ツケ払いを導入したり、とにかくサービスを良くすることでたくさんの方がZOZOさんを話題にし、利用していました。その光景を目の当たりにし、自分としてもサービスをはじめとした顧客体験にフォーカスしてみたいと思っていたタイミングで声をかけてもらったので、迷いはありませんでした」

 そんなオイシックス・ラ・大地は今、変遷期を迎えている。2000年にネット上で有機野菜の販売を行うベンチャー企業「オイシックス」として創業。他社が生産者寄りの姿勢を強くアピールする中で、あくまで消費者の利便性を追求し、日本のネット先進企業としてサービスを研ぎ澄ませていった。

 2011年の東日本大震災の際には、いち早く放射能検査に対応。育児中のお母さんを中心に新たな顧客層を開拓した。そして、2017年に大地を守る会との経営統合、2018年にはらでぃっしゅぼーやとも経営統合するなど、「安心安全な食材を買うなら」という地位を確立している。

 現在はというと、安心安全な食材のイメージはもちろん、主菜と副菜の2品が20分で完成する献立キット「Kit Oisix(きっとおいしっくす)」の登場により、「時短でおいしい料理を作れるサービス」の印象が強い顧客層も増えてきていると言う。安心安全な野菜を買える場所から、忙しい人の夕飯づくりをサポートしてくれるサービスへ。Oisixは少しずつその役割を変え続けている。

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連載:季刊ECzine vol.08特集「To be first call ~最初に声がかかるお店のつくりかた~」

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