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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

季刊ECzine vol.02 特集

2人で始め、12年で上場へ ネット専業家具ブランド、ロウヤはどうやって差別化を図ったのか


 高いデザイン性と、安心の低価格帯で人気の家具・インテリアブランド、LOWYA(ロウヤ)。福岡でわずか2名からスタートしたという同社は、どのように拡大を続けていったのか(※本記事は、2017年9月25日刊行の『季刊ECzine vol.02』に掲載したものです)。

株式会社ベガコーポレーション 代表取締役社長 浮城智和さん
株式会社ベガコーポレーション 代表取締役社長 浮城智和さん

 楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングといった名だたるモールで数々の賞を獲得。自社ECでも好調な結果を残す、人気家具・インテリアブランドのLOWYA(ロウヤ)。実店舗を持たず、ネット専業とすることで極限までコストを抑え低価格帯を実現することにより、ひとり暮らしなどの若いターゲットはもちろん、幅広い年齢層に支持されている。2004年、福岡にて6畳一間、パソコン2台、2名で開業したという同社は、順調に事業を拡大。2016年度には売上高100億円を突破し、同年6月には東証マザーズへの上場も果たした、まさに成功の階段を駆け上がった企業である。

 国内で着実に地盤を固めていくかたわら、畑違いのスマホゲームの世界にも飛び込むなど、数々のチャレンジも重ねてきた同社は、アイデアと実行のほぼすべてを自社で行うという、バイタリティに溢れた集団であった。

ウェブから物流まで社内で完結「あえて」福岡に居続ける理由とは

 ECや物流の高度な発達により、もはやインターネット上で買えないものはない時代が訪れている。購入前の試着が常識であり、長年ネットショッピングには向かないとされていたアパレル業界でさえ、驚異的な伸びをみせる事業者が多く登場してきたほどだ。

 そしてその波は、家具の世界にも訪れている。2004年創業時のメンバーはわずか2名。Yahoo!ショッピング、楽天市場、Amazonなど大手モールでの販売から開始し、2016年6月にはついに東証マザーズへの上場を果たしたのが、株式会社ベガコーポレーションだ。同社は、前述の大手モールで多くの受賞歴がある「LOWYA(ロウヤ)」をはじめ、コンセプトに応じた全6つのショップを展開する、ネット専業の家具販売業者である。

 しかし、ベガコーポレーションを「家具のお店」と認識していると、その実像を見誤るかもしれない。同社はウェブで事業を営むうえでの技術、マーケティング、オペレーションはもとより、物流まで含めた商社のような機能を高度なレベルで併せ持つ集団でもあるのだ。

 「商品の企画から物流に至るまで、すべて一気通貫で行っているのが当社の特徴です」(浮城さん、以下同)

 同社のように大手モールへの出店からスタートし、やがては自社ECを目指すという事業者は多いだろう。その転換時期について尋ねると、浮城さんは具体的な売上高を示して語ってくれた。

 「年間売上が数十億円という規模までは、ショッピングモールは便利で利用しやすいと思います。しかし百億円を超えたあたりから、ロイヤリティが無視できないレベルになってきました」

 ビジネス規模以外に自社ECを始めるべき理由があるとすれば、やはりその自由度だと浮城さんは語る。同社サイトでは、すでにスマートフォンからのアクセスが7割を超え、「家具をスマートフォンで購入する」というユーザー体験を突き詰めていけばいくほど、自社開発でしか体験できない自由度があるそうだ。同社はiOSやAndroidのアプリも自社で開発している。

 「我々も、まだまだモールでの売上が大きな割合を占めています。そういったお客様にとっては、商品はロウヤで買ったということより、楽天やAmazonで買ったという印象が強くなります」

 ベガコーポレーションのもうひとつの特徴が、本社を福岡に構えている点だ。

 「私自身は、月の半分ほどは東京におり、残り半分を福岡か海外出張かという状態です。生まれ育った福岡に恩返しをするという意味でも“福岡の企業である”というブランドは持っておきたいと考えています。また採用面においても、九州人は郷土愛が強く地元で働きたいという学生が比較的多いです。優秀な人材にそういった選択肢を与えられることは、ひとつの強みだと考えています。採用の面で地元に貢献していきたいと思います」

2017年2月にリニューアルした自社サイトはもちろん、アプリも内製で開発している。昨今注目のテクノロジー、ARやVRはインテリア通販と相性が良いことを認識し、いずsれは活用を視野に入れているとのこと。
2017年2月にリニューアルした自社サイトはもちろん、アプリも内製で開発している。
昨今注目のテクノロジー、ARやVRはインテリア通販と相性が良いことを認識し、
いずれは活用を視野に入れているとのこと。

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この記事の著者

ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

ECZine編集部です。ネットショップ運営に役立つ情報をお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。 執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。 会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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