ワークショップで痛感した 顧客志向の難しさ
7月25日、ECzine編集部主催の講座『「結果が出る動画広告」を企画するための3時間集中ワークショップ』で講師を務めてくれた、橋爪さん。
「『顧客志向』のコミュニケーション設計、コンテンツ企画力が求められているのではと思います。口で言うのは簡単ですが、ほとんどの動画広告が、企業が言いたいことを言っているだけで、とてもコンテンツとは言えません。ユーザーはスマホばかり見ているのに、PC主体で考えていたり。どうしても過去の慣習から抜け出せないんでしょうね。散々顧客志向でディスカッションした、ワークショップの発表時に『ユーザーを◯◯させるには』とつい言ってしまったり。本当に頭を切り替えるのは、それくらい難しいものなんです」
理解度を深め不安を払拭する
LPに置くウェブ動画の増加
ここのところ、ランディングページ(LP)に置くウェブ動画のオーダーが増えているそうだ。
「動画広告は、認知における興味づけの役割があります。その広告に接触した方が、次はLPに来る。その際に、広告だけでは商品に対する理解度が表面的になってしまうので、より深める役割をウェブ動画が担っています。カスタマージャーニーを考えたら、動画広告でLPに来た方は、まだ『このサイトで買って本当に大丈夫だろうか』『もっと安くて良いものが他にあるんじゃないか』といった不安がある段階でしょう。その不安をウェブ動画で払拭するわけです」
LPに置く動画となると、まずはLPへのトラフィックがなければ意味がない。見てくれるユーザーを連れてこなければと発想してしまいがちだが。
「当社のクライアントは、広告でトラフィックを増やす前に、不安を払拭し、商品への理解度を深めるためにウェブ動画に投資しようとお考えです。僕も、先にウェブ動画をやったほうがいいと思います。取りこぼしが減りますからね」
やはり動画は、静止画だけのLPよりも伝わることが多いのだろうか。
「そこでもまた、顧客志向が必要です。LPに置くウェブ動画なら、時間の制限なく、リッチにたくさんのことが言えると思いがちですが、すると企業主体のメッセージばかり出してしまうことになる。ウェブ動画の役割は、商品への理解度を高め、不安を払拭すること。なぜそうするのかと言えば、コンバージョンしていただくためです」
それさえクリアすれば、ウェブ動画によってさまざまなコミュケーションが可能になると橋爪さんは言う。
「たとえば、ターゲットによってクリエイティブを作り分けてもいいですよね。男性向けならこう、女性向けはこうと言う。それで実際、成約率が3.3倍になった事例もあります」