東日本電信電話(NTT東日本)は、労働力不足の解消ニーズや新型コロナ禍における非接触ニーズを受け、入店から商品選択、決済までをスマートフォンで完結する「スマートストア」の実験店舗を同社本社ビルにオープンした。
非接触型決済に加え、店内のカメラ映像を同社のアセットである通信ビル内に伝送し購買行動を分析することにより、販売事業者の商品仕入れの効率化や利用者属性に応じた商品ラインナップの充実を図るとともに、地域商店のパンなどを取り扱うなど、地域に根差した同社ならではの新しい無人ストアの展開のサポートを目指す。
取り組み概要
スマートフォンのアプリにより、⼊店から商品選択、決済までが完結することで、レジ待ちをなくし、密接・密集を避けた非接触の購買を実現する。
運営においては、同社のアセットを活かした次の特徴により、人口の少ないマイクロマーケットでも成り立ちうる、軽量のスマートストア運営モデルを検証していく。
主な特徴
購買データ、AIカメラ解析による来店、販売数予測および陳列などの改善
同社通信ビルや高速ネットワークの「閉域網でセキュアな環境」という特性を活かし、店内のカメラ映像を、プライバシーを確保したうえで解析し、利用者属性にマッチした店舗作りを実現し、商品の仕入れ、棚割りの効率化を図っていく。
非接触による接客対応
利用者および事業運営者のサポートについて、同社のロボットやコールセンターを活用し、非接触による接客を行う。
地域店舗との連携による作りたて商品の販売
商品には、定番の飲料や菓子類、文具、書籍などのほか、地域店舗と連携し商品(焼きたてパンなど)を扱い、利用者ニーズ、店舗価値を高めながら、地域の販路としての役割を担うことも目指していく。
物流拠点としての通信ビル活用
通信ビルの空きスペースを物流拠点とし、車両によって社内実験店舗へのラストワンマイルの配送を行うことで、 保管や配送の効率性、費用低減の検証を行っていく。
今後は実証実験の結果を踏まえ、同社の旧窓口などにおいて、社員や地域住民が利用できる店舗や、人手不足などに課題を抱える事業者との店舗展開を実現していく。
また、カメラ映像の解析と重量センサーを組み合わせることで、誰がどんな商品を手に取ったかを認識し、自動的に決済が完了する、よりよいユーザ体験を実現する店舗の提供も検討しているとのこと。