楽天インサイトは、「キャッシュレスに関する調査」をインターネットで実施した。今回の調査は、2020年6月8日(月)から6月10日(水)の3日間、楽天インサイトに登録しているモニター約220万人の中から、全国の20代から60代の男女1,000人を対象に行った。同調査の結果は次のとおり。
もっとも利用する決済手段は「クレジットカード」 現金を上回り4割を占める
オンラインショッピングを除いた、日常の買い物や飲食などで利用する決済手段(複数選択)を聞いたところ、「現金」が88.3%ともっとも高かった。次いで、「クレジットカード」(86.5%)、nanacoやWAON、楽天Edyなどの「カード型電子マネー」(57.6%)、PayPayやLINE Pay、楽天ペイ(アプリ決済)などの「QRコード決済」(53.5%)が続いた。
そのうち、もっとも利用する決済手段を聞いたところ、「クレジットカード」が41.8%ともっとも高かった。「現金」は29.1%となり、「クレジットカード」と10ポイント以上の差がついた。
性年代別でみると、男性20代と30代で「QRコード決済」(それぞれ69.0%、65.6%)が全体と比べ10ポイント以上高く、男女60代(それぞれ42.2%、30.8%)で10ポイント以上低かった。
現金をもっとも利用する理由「使い慣れている」「お金の管理がしやすい」「現金以外だとお金を使いすぎるから」
もっとも利用する決済手段として「現金」を選択した人に理由を聞いたところ、「現金を使い慣れているから」がもっとも高く66.7%となった。次いで、「現金だとお金の管理がしやすいから」(46.4%)、「現金以外の決済手段だとお金を使いすぎてしまうから」(35.1%)が続いた。
キャッシュレス決済をもっとも利用する理由「ポイントが貯まり、使える」「スムーズに支払いできる」、「ポイント還元制度の対象」
もっとも利用する決済手段として「現金」以外(「クレジットカード」、「カード型電子マネー」、「QRコード決済」、SuicaやPASMO、QUICPayなどの「スマホ非接触決済」、「プリペイドカード」、「デビットカード」)を選択した人の理由は、「ポイントが貯まり、使えるから」(79.0%)がもっとも高く、約8割となった。次いで、「スムーズに支払いできるから」(59.2%)、「ポイント還元制度の対象になるから」(49.7%)が続いた。
性年代別でみると、女性30代で「ポイントが貯まり、使えるから」(91.4%)、女性20代で「スムーズに支払いできるから」(72.3%)がそれぞれ全体と比べ10ポイント以上高い結果となった。
現在、キャッシュレス決済手段を利用している場所トップは「インターネット通販」
現在、どんなお店・場所・サービスなどでキャッシュレス決済手段を利用しているか聞いたところ、「インターネット通販」が78.7%ともっとも高かった。次いで、「飲食店」(61.8%)、「家電量販店」(56.8%)、「宿泊」(51.9%)が続いた。
性年代別でみると、女性20代で「飲食店」(75.3%)、男性60代で「家電量販店」(73.2%)、「宿泊」(62.9%)、「百貨店・デパート」(60.8%)、女性60代で「百貨店・デパート」(60.2%)が、それぞれ全体と比べ10ポイント以上高かった。
今後、さらにキャッシュレス決済手段を利用できたらいい場所は「インターネット通販」「医療機関」
今後、さらにキャッシュレス決済手段を利用できたらいいと思うお店・場所・サービスなどを聞いたところ、現在利用している場所同様、「インターネット通販」がもっとも高く47.7%だった。次いで、「医療機関」(39.2%)、「飲食店」(37.6%)、「各種税金」(36.0%)が続いた。
今後のキャッシュレス決済に期待することのトップは、「ポイントやキャッシュバック、割引などの特典がほしい」
今後のキャッシュレス決済に期待することを聞いたところ、「ポイントやキャッシュバック、割引などの特典がほしい」がもっとも高く64.3%となった。次いで、「より多くの場所でキャッシュレス決済が使えるようになってほしい」(52.8%)、「セキュリティや個人情報の保護が強化されてほしい」(46.2%)が続いた。
性年代別でみると、女性20代・30代・40代(それぞれ71.8%、80.0%、70.9%)で「ポイントやキャッシュバック、割引などの特典がほしい」が全体と比べて高かった。
キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元制度)は8割以上が「知っている」と回答
2019年10月~2020年6月に経済産業省が実施したキャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元制度)について知っているかを聞いたところ、「知っている(「よく知っている」と「まあまあ知っている」の合計値)」と回答した人が全体の8割以上(86.5%)を占めた。
性年代別でみると、「知っている(「よく知っている」と「まあまあ知っている」の合計値)」の回答がもっとも高いのは女性20代(93.6%)で9割を超えた。また、「よく知っている」の回答をみると、男性20代・30代(ともに54.8%)で全体(35.7%)と比べ20ポイント近く高い結果となった。
◇キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元制度)を知っているか(n=1,000:全員回答)単一選択 単位:%
キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元制度)を意識して活用した人は7割
「ポイント還元制度」を聞いたことがある人(「よく知っている」、「まあまあ知っている」、「聞いたことはあるがあまり知らない」と回答した人)に対し、同制度を意識して活用したかを聞いたところ、「キャッシュレスでの支払いを増やし、現金払いを減らした」が46.0%ともっとも高く、次いで「キャッシュレスで支払う時、ポイント還元対象のお店を選ぶよう意識した」が41.6%と続いた。「制度を知っていたが特に意識・活用してお買い物はしなかった」(29.1%)を除く、いずれかの方法で「制度を意識・活用してお買い物した」の回答は70.9%となった。
「制度を意識・活用してお買い物した」の回答を性年代別でみると、他の性年代と比べ男性20代(79.7%)がもっとも高かった一方、男性50代(63.5%)でもっとも低い結果となった。また同回答について同居家族の有無でみると、「ひとり暮らし」(65.0%)は、「同居者あり」(72.5%)、「子どもと同居」(74.7%)と比べ低い結果となった。
「キャッシュレスで支払う時、ポイント還元対象のお店を選ぶよう意識した」の回答をみると、男性20代・30代(それぞれ53.2%、53.3%)で全体(41.6%)と比べて10ポイント以上高く、一方女性30代(29.9%)で10ポイント以上低い結果となった。
調査概要
- 調査エリア:全国
- 調査対象者:20歳~69歳の男女
- 回収サンプル数:1,000サンプル
- 調査期間:2020年6月8日(月)から6月10日(水)