ガートナー ジャパンは、今後3年間で企業のカスタマー・エクスペリエンス (CX) プロジェクトに大きな影響をもたらす先進テクノロジ・トレンドのトップ5を発表。
ガートナーは2019年4月にCXのイノベーションに関する調査 (Customer Experience Innovation Survey) を世界で実施。今後3年間で企業のCXプロジェクトに大きな影響をもたらす先進テクノロジについて同調査内にて尋ねたところ、人工知能 (AI) が53%、仮想顧客アシスタント/チャットボット が39%、マルチチャネル顧客エンゲージメントが37%という結果が出ている。
なお、先進テクノロジ・トレンドのトップ5は下記のとおり。
トレンド1:AI
同社は、AIのテクノロジを大きく3つのタイプに分けている。
- 人間のようなエンゲージメントをもたらすシステム:コンピュータ・ビジョン、チャットボット/エージェント、自然言語ベースのユーザー・インタフェースなど
- 自動化と最適化のためのテクノロジ:自己最適化スマート・マシン、自律走行車、リアルタイム脅威検知システムなど
- ディープ・ニューラル・ネットワークなどの高度なテクノロジ:データ、画像、音声に基づく隠れたシグナルや予測からインサイトを導き出す
2023年までにデジタル・コマースにAIを活用する企業の80%が、顧客満足度、売り上げ、コスト削減のいずれかにおいて、少なくとも25%の改善を達成すると同社は予測している。
トレンド2:仮想顧客アシスタント/チャットボット
同社が2019年に発表した「CIOアジェンダ・サーベイ」において、CIOの26%は、自社のAIベースのメイン・アプリケーションがチャットボットであると回答。2030年までに顧客サービスに関する10億件のリクエストが、企業所有のボットによって自動生成されると同社は予測している。
トレンド3:マルチチャネル顧客エンゲージメント
マルチチャネル顧客エンゲージメントは、顧客とやりとりを行うすべてのチャネルとデバイスに対応し、顧客エンゲージメント・ルール、コンテンツ、ワークフローを処理するもの。顧客とのあらゆるチャネルでのエンゲージメントは、AI機能によって自動化され、それによりパーソナライゼーション、高度なアナリティクス、ビデオチャット、共同ブラウジング、モバイル・サポートの利用が促進される。
2022年までに、顧客サービス応対では機械学習、チャットボット、モバイル・メッセージング・アプリなどの先進テクノロジが活用され、その割合が2018年の15%から70%にまで伸びると、ガートナーは予測している。
トレンド4:イベント駆動型アーキテクチャ
イベント駆動型アーキテクチャ (EDA) は、リアルタイムに知覚するデジタル・ビジネスの中核。2022年までに、顧客エンゲージメント・ハブ・アーキテクチャに取り入れられるリアルタイムのイベント・ストリーミングやストリーミング・アナリティクスは10%超にとどまると、ガートナーは予測している。
トレンド5:モノのインターネット (IoT)
同社は、2022年までに230億のモノがインターネットにつながるようになると予測。IoTデバイスはさらにインテリジェントになり、家庭や医療施設を含むあらゆる場所で、AI対応システムの能力を潜在的に提供するようになると解説している。