オラクルは、「Oracle Fusion Cloud Applications Suite」に組み込まれる新しい生成AI機能を発表した。
最新機能には、既存のビジネス・ワークフローに組み込まれた財務、サプライチェーン、人事、営業、マーケティング、サービス分野の生成AI機能が含まれる。また、「Oracle Guided Journeys」の拡張フレームワークの強化も含まれており、利用者は独自の業界ニーズや競争優位性を保つために、さらなる生成AI機能の活用ができるようになる。
新たに搭載される生成AI機能の中でも、特にEC事業者に役立つ情報は次のとおり。
50以上の組み込み生成AI機能
「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を基盤としたAI機能を活用し、オラクルは「Oracle Fusion Applications」内に50以上の生成AIのユースケースを組み込んでいる。これらは、顧客の企業データ、プライバシー、およびセキュリティを保護するように設計されており、「OCI Generative AI Service」に取り込むデータが、大規模言語モデル(LLM)プロバイダーやほかの利用者に共有・公開されることはない。自社のデータでトレーニングされたカスタム・モデルは、該当する顧客のみが利用でき、機密情報をさらに保護するために、ロールベースのセキュリティが「Oracle Fusion Applications」ワークフローに直接組み込まれている。
Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning (ERP)
- プロジェクト計画および提案の生成:プロジェクト・マネージャーが、商談の詳細や過去の類似プロジェクトおよびベストプラクティスに基づいて、適切なプロジェクト・プランを生成するのに役立つ機能。生成AIが、計画や提案に含める重要なポイントや草案を提供することにより、組織は計画策定に必要な時間を短縮し、業務効率の向上ができる。
Oracle Fusion Cloud Supply Chain & Manufacturing (SCM)
- 製品説明の生成:製品担当者が、SEOキーワードを強調する標準化された製品説明を迅速に生成できるようにする機能。「Oracle Product Lifecycle Management」の生成AIサポートにより、組織は製品説明作成にかかる時間を節約し、エラーを減らすことも可能に。製品説明の全体的な品質やカスタマー・エンゲージメント、売上の向上をサポートする機能となっている。
- サプライヤーの推奨:調達担当者が、サプライヤーを迅速かつ効率的に追加できるよう支援する機能。「Oracle Procurement」に組み込まれた生成AIを活用したサプライヤーの推奨により、組織は製品説明や購入カテゴリなどの情報を参照しながらサプライヤーを特定し、調達効率の向上、コストの削減、サプライヤー・リスクの低減などに取り組める。
- ネゴシエーションの要約:調達担当者が特定のネゴシエーション(ソーシング)に特化したカバー・ページ要約を迅速に生成できるようにする機能。「Oracle Procurement」に組み込まれた生成AIのオーサリング支援により、組織はサプライヤーの成果を最大化しつつ、ネゴシエーションの推進やコスト削減、リスクの軽減を実施できる。
Oracle Fusion Cloud Customer Experience (CX)
- サービスWebチャット要約:ユーザーとコールセンター担当者のチャットでのコミュニケーションを要約する機能。生成AIは「Oracle Service」内のチャットを要約としてまとめ、要約は応対履歴として保存。進行中の問題追跡やサービス担当者の手作業軽減だけでなく、顧客と従業員のエクスペリエンス向上を実現する。
- 営業用コンテンツのオーサリング支援:成約に至った商談とアカウントの情報から、顧客事例を生成。生成した事例を類似した顧客に向けたマーケティングや営業コンテンツとして利用できるようにすることで、営業担当者の生産性向上に貢献する。
- マーケティング販促資料のオーサリング支援と推奨:件名候補やメール、ランディング・ページを生成し、マーケティング担当者の生産性向上を支援。生成AIは「Oracle Marketing」を利用するマーケティング担当者のアセット開発をサポートすることで、組織のマーケティング・キャンペーンのスピードと適合性の向上に貢献する。