株式会社Miraklは2024年2月21日、事業戦略発表会を実施した。発表会には、同社の代表取締役社長 佐藤恭平氏、株式会社ニトリホールディングス 常務執行役員 最高情報責任者(CIO) 武井直氏、株式会社みずほ銀行 産業調査部 次世代インフラ・サービス室 社会インフラチーム 調査役 土屋重人氏の3名が登壇。ニトリグループによるマーケットプレイス構築への取り組みなどが語られた。
Miraklは、「Amazonなどの主要ECモールへの出店」「自社ECサイトの構築」と異なるEC展開の選択肢として、「自社ECサイトで他社商品も販売するマーケットプレイスの構築」を提示。エンタープライズマーケットプレイス構築に向けた、SaaSプラットフォームを提供している。2023年第4四半期には、マーケットプレイス・プラットフォーム事業の黒字化を達成した。
ニトリグループは、Miraklのプラットフォームを活用し、マーケットプレイスの構築を目指している。同グループのEC化率は2020年に10%を超え、その後も順調に成長している。武井氏は「2032年にはEC化率20%を達成したい。マーケットプレイスの構築による効果も期待できる」と説明した。
「すべてのお客様のニーズを自社商品だけで満たすことはできません。他社に出店してもらうことで、スピーディーに品ぞろえを充実化していきます。自社の物流機能を活用し、他社商品と自社商品と併せて配達できるサービスの提供も検討しています。また、エアコンの取り付けなど、物販以外のサービスも拡充する予定です」(武井氏)
全国に実店舗を持つニトリグループ。ECサイトで購入し、実店舗で受け取れる「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」の展開で、既存の主要ECモールとの差別化を図る。自社商品に加え、他社商品を店舗受取・返品できる仕組みも検討しているとのこと。
みずほ銀行の土屋氏は、「ニトリグループのマーケットプレイス事業への早期参入により、業態間競争が激化していくのでは」との考えを述べた。一方で、自社商品とともに他社商品を販売するメリットをこう語った。
「ニトリグループは、スタッフによるインテリアコーディネートの投稿を重視しています。マーケットプレイスを構築し様々な商品を取り扱うことで、インテリアコーディネートの幅が拡がり、結果的に売上につながると考えられます」
なお、本マーケットプレイスのリリースは、2025年以降となる予定。武井氏は、「プレスリリースの情報発信などを通じて、既に出店に興味を示す企業が現れている」と明かした。