J.フロント リテイリング株式会社は、2023年8月28日にクオン株式会社への出資を発表。今後、両社の協業強化を進めるという。
J.フロント リテイリンググループは、全国主要都市に大丸・松坂屋・パルコを展開する中で培った商業プロデュース力、顧客基盤、取引先・クリエイターなどのパートナーと従業員を強みとして、提供価値の拡大に取り組んでいる。
コロナ禍を経て、社会や生活者の価値観の変化が加速する中で、お客様に新しい価値を提供するには「コンテンツを発掘し育成する力」と、そのコンテンツを通して体験価値を共有する「コミュニティをつくり、運営する力」を強化することが重要と考え、ファンコミュニティ運営およびAIを使ったコミュニティの分析に取り組むクオンへの出資を決断した。
J.フロント リテイリングは、同社と強力なパートナーシップを築くことが「コンテンツ発掘力」と「コミュニティ運営力」の強化に資すると考えているとのこと。協業強化により期待できることは次のとおり。
コミュニティを通じた次世代のリテール戦略の実現
ものを仕入れて販売する従来型のリテール・ビジネスモデルに留まらず、各業界のメーカーと組み、新商品開発時に「コミュニティ」に参加するユーザーとの「共創」など、新しい形のリテール・ビジネスを創造するJ.フロント リテイリングは、こうした「共創」を通じて、「新たなるコンテンツの開発」と、「コミュニティを通じた顧客との新しい関係性を築く」ことを実現する。
コミュニティを通じた地方創生
同社は全国の百貨店・PARCOにある店舗を起点とし、前出したコミュニティ活用による新しい形のリテール・ビジネスモデルの展開を画策。日本全国の地域社会ごとに「共創コミュニティ」を展開することで、当該地域のメーカーや生産者が持つ商品や技術をコミュニティに参加するユーザーと共に掘り起こし、商品開発やイノベーション、販路開拓、マーケティング支援につなげることで地方のメーカーや生産者を盛り立て、地域の経済活性化への貢献を目指す。
J.フロント リテイリングは今回の出資を通じ、コミュニティを活用してメーカー・地域とユーザーの新しい関係性を生み出すリテーラーグループに進化するとしている。