eコマースにおける不正取引防止およびリスクインテリジェンスを提供するRiskified Ltd.(リスキファイド)は、日本の消費者のネットショッピングに関する意識調査を実施し、結果を公表した。
同社は、一般社団法人日本クレジット協会の最新の調査で2022年のクレジットカードの不正利用総額が436億円、フィッシング対策協議会の調査でカードの不正利用の主な要因であるカード番号の盗用を試みるフィッシングサイトURL数が過去3年で約6倍の約30万件に急増している中、事業者がセールイベント時期に適切な不正対策を行うべき状況であると踏まえ、今回の独自調査を実施した。調査結果は、次のとおり。
約半数の消費者がネットショッピング割合増 理由は「ニーズに合う」「安い」から
昨今の物価上昇をうけて、48.5%の消費者が、買い物全体にしめるネットショッピングの割合が増加傾向にある・または今後増やす予定と回答。若い世代ほどその傾向が強く見られた。理由として、過半数の消費者が「よりニーズにあった商品が見つかるから」 「実店舗よりも安い価格で販売されているから」と回答している。
また、今年の秋冬のセールシーズンのネットショッピングで例年よりも意識しようと思っている点については、「例年通り」と回答した人は30.8%。その他の消費者からは「ECセールに例年以上に参加する/セール情報を例年以上にチェックする」 「本当にほしいもの・必要なものだけを慎重に買う」という回答が多かった。
消費者は「配送先情報入力」「3Dセキュア」「SMS認証」が面倒
ネットショッピングをする際に、何らかのものに面倒だと感じたことがある消費者は78.8%という結果に。特に年代が低くなるほど、「配送先情報の入力」「3Dセキュア」「SMSを使った本人認証」を面倒に感じる人が多いことがわかっている。
また、56.7%の消費者が、ネットショッピングの際に面倒だと感じたものが原因で買い物をやめたことがあると回答。年代が低いほど買い物をやめる傾向が大きいこともわかっているという。
購入過程において、「決済がうまくできなかったことはない」と回答した消費者は19.5%にとどまり、何らかの形で決済がスムーズに行われなかったことがある消費者が8割以上といると判明。その際にとる行動としては「他の決済方法に変える」のほか、36.9%が「他のサイトで買う」、21.9%が「購入することを諦める」と回答している。
不正被害者の8.4%がEC利用自体を控えるように
過去3年以内に、ネットショッピングにおいてアカウントのっとりやクレジットカード不正利用などの被害にあったことがある消費者は33.1%という結果に。そのうち67.3%が、初めて不正被害にあってから、「不正被害にあったサイトでは買い物しなくなった」、または「控えるようになった」と回答。8.4%はECサイトの利用自体を控えるようになったと答えている。
また、今後ECサイトに期待することについては、「安心安全に買い物をしたい」が63.4%で最多回答となり、次に「ステップを少なくスピーディーに買い物をしたい」が28.4%と続く結果に。
Riskifiedは、同調査の内容を2023年8月29日に開催した「Riskified事業戦略発表会」内で発表。同発表会では、同社のAPAC ヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー タスニーン・パディアス氏、パートナーシップリード 河合秀樹氏、アカウント・エグゼクティブ ナボン恵子氏によるサービス紹介や今後の事業戦略、国内外の最新不正事情についての解説なども行われた。
調査概要
- 調査時期:2023年7月
- 調査対象:2週間に1回以上の頻度でネットショッピングをする消費者(男女20~59歳)
- 有効回答数:647件
- 調査方法:ネット方式によるアンケート調査