執筆スタイルは「おなかが空いているときに書く」
(ワダ) 原稿は、どうやって書いているんですか?
(金子) ふんわり日々の日常の中で、あの会社のあの人と喋りたいなとか、あの会社のリリースおもしろかったなとか、考えています。おもしろそう、かつ、おしゃれなところ。決まったらアポイントをとって、取材先にうかがうのが基本ですね。カフェで長めのランチを食べながら、という場合もあります。
(ワダ) 原稿は毎月20日に原稿いただいてますよね。
(金子) え、みんなそうじゃないんですか? 最初に20日〆って言われたから登録して、毎月、Googleカレンダーが「ワダさんに原稿遅れ」ってアラートを出してくるんです。
(ワダ) 最初に原稿を依頼したタイミングで、「だいたい毎月、この日にください」って決めるんです。皆さん20日というわけではないです。
(金子) そうなんだ。
(ワダ) そのスケジュールの場合、取材のアポはいつとるんですか?
(金子) けっこうバラバラです。今は、普通に会社員として働いているので、比較的スケジュールが空いているときに入れて、20日までに書こうと頑張る。原稿は週末に書いているので、土日を2回くらい挟みたいなって。だから、できるだけ月の前半に取材してしまいたいなというのはあります。
(ワダ) インタビューは録音したものを、音声起こししています?
(金子) それが基本スタイルですね。iPhoneで録ってます。
(ワダ) 書くのはどこで?
(金子) 家で書きます。乗るときと乗らない時があって、鮮明にインタビューの内容まで覚えているときなんかは、音声起こしがいらないくらい。逆に、2,3時間うなりながら音声を聞いているときもあります。
(ワダ) 夜のほうが乗るとかありますか?
(金子) 昼間から夕方にかけて書きます。実は、おなかが空いているときのほうが僕はどんな仕事も進むので、ぎりぎりまで食べないで書きます。食べると眠くなってきちゃうので、空腹の時に書く。
(ワダ) おもしろいですね。パソコンはMacで、Facebookの投稿見ている限り、Apple製品がお好きですよね。原稿はWordでいただいてましたっけ。
(金子) Googleドキュメントですね。
(ワダ) どうですか、担当編集者は(笑)
(金子) いつも素晴らしい文章になって返ってきます(笑)。これまでも「自由に書いてください」というところが多くて、がっちり編集会議してとか、「こういうテーマ」でとか経験はないですね。
(ワダ) 金子さんの連載は、担当編集の仕事をあんまりしていなくて。催促しなくても原稿がくるし、取材のアポもとって、確認作業も終わっているし。
(金子) 写真もついてるし(笑)
(ワダ) あ、そういえば、写真は何で撮っているんですか?
(金子) リコーのGRです。カメラも好きなので、私物込みで買っています。
(ワダ) 「書く喜び」みたいなことは感じますか?
(金子) 人に会うのは好きだし、人の話を聞くのも好きだし。なんの苦もないですね。
(ワダ) すごくジャーナリズムなメディアもあるし、ひたすらラーメンを食べる記事がウケるメディアもあったりしますが、ECzineという専門メディアの「おしゃれ通信」という連載は、金子さん的にはちょうどいいテーマだったりしますか?
(金子) ちょうどいいですね。
話すこと、書くこと、聞くこと
(ワダ) 書くのが好きな人と、イベントで登壇するのが好きな人。どちらか一方は得意だけれど……という人が多い気がします。
(金子) 僕は、どっちもイケてると信じてるんですけど(笑)。
(ワダ) イベントで登壇する際は、プレゼン資料も自分で作るんですか?
(金子) マーケティング担当のもうひとりのメンバーと、最終確認は代表がやるので、3人で作っている感じですね。
(ワダ) 書くのと話すの、どちらが好きとかあります?
(金子) 僕は喋るのがラクチンですね。実は、プレゼン資料作るのはあんまり好きじゃなくて(笑)。ノンスライドで、ただ喋っていたい。トークの内容も、当日までまったく考えない。だから毎回、話す内容が違うんですよね。
(ワダ) 練習しないんですか?
(金子) 僕、1回くらいしか通しの練習しないので。これ言うと会社に怒られちゃうんですけど、少し時間早く終わっちゃったりもします。
(ワダ) 起業家する人ってプレゼンがうまいなと思っていたんですけど、練習もしているんでしょうけど、「伝えたいこと」があるんでしょうね。
(金子) そうだと思います。だからなのか、僕の場合は、プレゼンが刺さる人と刺さらない人にはっきりわかれますね。
(ワダ) それもおもしろいですね。なんでもできちゃう金子さんですけど、苦手なこととかあるんですか?
(金子) 実は、細かいことが好きじゃないです。Excelの数字まとめたりとか。
(ワダ) なるほど。毎月原稿はいただいているけれど、それだけでは見えてこないこともある。こうしてお話ししてみて、また改めて金子さんのことがわかった気がしました。ありがとうございました!(了)