コロナ禍で感じた「ECへの熱」 カスタマーサクセスの重要性を再認識
Hameeは1997年創業、モバイル機器のアクセサリーを企画・販売する事業から始まった。1999年より自社ECでの販売を開始し、その翌年からモールに出店。その後ECで多店舗展開をする中で、自社が課題と感じたことを解決するためにECの一元管理システム「ネクストエンジン」を開発。2008年より同システムの外部提供を開始し、2013年からはAPIを公開してプラットフォームとして提供を行う。現在では、4,949社(2021年7月末時点)の企業で「ネクストエンジン」が導入されており、プラットフォーム事業は、創業時から継続するコマース事業と並んで同社の基幹事業となっている。
ふたつのEC関連事業を柱として成長してきたHameeだが、2021年7月に代表取締役社長を創業者の樋口氏から取締役の水島氏へと交代。EC市場がこれまで以上に拡大を見せる中、新体制で代表となる水島氏は「既存事業を活かし新たな挑戦へと踏み出す」と言う。時代の変化に柔軟に対応し、必要とされる商品・サービスを提供してきた同社が現在のEC市場について感じていることや、新たに挑戦する事業、そしてその際に大切にしていることを紐解いていく。まず、コロナ禍におけるEC市場をどう見ているか、という質問に対して水島氏は、「今までにない熱を感じた」と話す。
「2020年は、EC全体に追い風が吹いていた年であり、ネクストエンジンの導入数は堅調に伸長しました。今までECに注力していなかった企業も積極的に多店舗展開を進めており、『これからはECで売上をとっていく』という時流を感じました」
ネクストエンジンは、複数の販売チャネルにおける受注管理の一元化や在庫連携を行うなど、EC運営のバックオフィス業務を自動化するシステム。HameeがEC事業者として抱えるリアルな悩みを解決すべく進化をしてきた同システムは、同じように悩む事業者の支持を獲得してきた。Hameeは、ネクストエンジンの導入数増加や消費者ニーズの多様化にともない、同システムを導入した個々の事業者を適切に支援すべく、2018年よりカスタマーサクセスに注力。2020年以降のコロナ禍においては、このカスタマーサクセスへの取り組みがとくに活きたと言う。
「ネクストエンジンを導入していただいているEC事業者様の中には、『うまく活用できていない』とお悩みの方もいらっしゃいます。コロナ禍ではそうした悩みに対し、とくに迅速に対応する必要があったため、カスタマーサクセスの体制が整っていることの重要性をより強く感じました。今後は、世の中の変化とともに多様化・細分化するEC事業者様の課題を解決するため、カスタマーサクセスの取り組みをより強化し、従来以上の適切なフォローを実現していきます」