自分の得意なことを活かしInstagramアカウントの立ち上げに関与
四元(PLAY inc.) まずは、清水さんの現在のポジションとこれまでの経歴を教えてください。
清水(アッシュ・ペー・フランス) 私は現在、アッシュ・ペー・フランスのブランドマーケティング統括部 インテリア部門に在籍し、H.P.DECOのECのマネージャーを務めています。もともと学生時代からH.P.DECOが好きだったのですが、就職活動時に当時通っていた店舗の店長に「受けてみたら?」と勧められて選考を受け、内定をいただいて入社しました。
入社1年めはジュエリーを扱う店舗に配属になりました。店頭スタッフとして勤務し接客の基本を学び1年が経つ頃、どうしてもインテリアに携わる仕事がしたいと思い、創業者の村松さんに直談判したところ異動することができました。H.P.DECO表参道店では店頭接客はもちろんのこと、卸やプレス、イベントの統括、バイヤーのアシスタントなどさまざまな経験をしたのですが、「自分はこれを極めたい!」というところまでしっくりくることはなく、そのタイミングで新しいEC担当者を社内で探しているという話を耳にしました。もともとウェブやクリエイティブなものが好きだったので手を挙げ、2015年から担当することになりました。
H.P.DECOは2013年からInstagramのアカウント運用を行っているのですが、実はこの立ち上げも私が提案して推進したものです。運用を行う中で「情報発信に携わるほうが私は向いているのかも」とも感じていました。ECの部署異動にしてからもしばらくはSNS発信を中心に担当し、本格的にEC運営に携わるようになったのは2019年からです。今は監督のような立場で店舗スタッフが発信するSNSをチェックしながら、ささげから特集ページの企画・画像作成まで、EC業務全般に携わっています。
四元 2013年にInstagram活用を始めたのは、企業アカウントとしてはかなり早いほうですよね。今でこそ多くの企業・ブランドが情報発信をしていますが、H.P.DECOのアカウントはとくにビジュアルのクオリティーが高いように感じました。実際に洗練された訴求をするために心がけていること、参考にしているものなどはありますか?
清水 「基本に忠実に」と言うと端的すぎるかもしれませんが、トンマナをきちんと揃えることは意識しています。H.P.DECOではさまざまなセレクト品を扱っていますが、どんなブランドの商品もきちんとH.P.DECOの世界観に馴染ませて表現しなくてはなりません。とは言え、同じ表現ばかりでは見ているお客様も作っている私自身も飽きてしまうので、アングルや見せかたを変えるような工夫を施しています。
たとえば、Instagramは「3×3のマスを意識して、同じ構図の写真が並ばないように」と投稿を作成する店舗スタッフに伝えています。たまたま投稿を見つけた新たなお客様がアカウントのトップページを見た際の第一印象は、このマスにどのような写真が入っているかで決まるはずです。そのため、「のっぺりとした見えかたがしないように」とも指導しています。
もちろん、背景の色味やアングルを統一して投稿しているブランドのアカウントを否定するわけではありません。あくまで多くのセレクト品を扱うH.P.DECOでは、それぞれの個性を出すために統一しすぎないようにしている、といった形です。投稿をさかのぼる中でアクセントになるように、何投稿かに1回はビビッドな柄のお皿を見せたり、色彩豊かなお花を写真の中に入れたりといった工夫も行っています。