新機能でクリエーションのハブを目指すTwitter
直近の機能アップデートの動きがすさまじいTwitter。従来はウェブサイトやYouTubeなど他チャネルで作成したコンテンツの告知を行う場として、ハブの役割を担っていたが「ここに来てTwitter内でのエンゲージメントを高める方向にシフトしている」と藤田さんは説明する。
「ここ数年、mDAU(収益につながる日間アクティブユーザー数)が伸び悩んでいたTwitterですが、2021年2月25日に投資家向けアカウント(@TwitterIR)にて、2023年までに年間総売上高を75億ドルに、mDAUを3億1,500万人に伸ばすと大胆な目標を掲げています。直近の売上は37億ドル、mDAUは1億5,200万人であるため、2年ほどで約2倍に成長させる計算です」
一見すると無謀にも感じられるが、Twitterは「ユーザー課金機能の追加」と「EC機能の強化」の二軸で実現を目指すとしている。前者は「Super Follows」という名の月額課金制度で、ニュースレターなどの限定コンテンツやコミュニティーへの参加、EC取引やサポーターバッジなどの特典を想定し、近々アメリカでテストを開始する予定だと言う。
「Twitterは、2021年1月にオランダのニュースレター配信サービス企業 Revueの買収を発表しています。すでにパソコン版Twitterのメニューバーには『ニュースレター』が追加されており、すぐにコンテンツの作成が可能です。メールマガジンのような無料コンテンツのみならず、有料コンテンツも作成できるため、これまで複数チャネルを使い分けていた企業・ブランドにとっても要注目です。Twitterがクリエーションのハブへ進化を遂げていると言えます」
有料コンテンツの課金制度については、日本円未対応のため注意が必要だが、これまでメールで配信していた内容をニュースレターで送るなど、すでに活用の余地はあるはずだ。2021年5月に開始した音声ライブ機能「Space」と併せて、いち早く新機能に触れることも時代の流れに乗り遅れないためには必要となる。
「EC機能強化については、2021年3月よりアメリカで新たなTwitterカードのテストが進んでいます。ソーシャルコマースへの着手が遅かったTwitterですが、オンライン需要の伸びを踏まえ、利便性向上のためにも必要と考えたのでしょう。機能に差異がなくなるこれからは、企業・ブランドのイメージや商材との相性を見極めてプラットフォームを選び、戦略を練ることも欠かせません」