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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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EC利用者の7割強を占めるサイレントカスタマーを救済 ストレスフリーな顧客体験はKARAKURIで

 顧客が、オンラインとオフラインのチャネルを自由自在に使い分ける現代。24時間365日ものを買うことができる中で、疑問や不満を常時解決できる環境を作ることは、顧客体験向上に欠かせない。そして成果を出すには、声なき顧客「サイレントカスタマー」に目を向けることも必要だ。チャットボットをはじめとしたデジタルカスタマーサービスを促進する「KARAKURI Digital CS Series」の提供や、AIソリューション開発を手掛けるカラクリ株式会社 代表取締役CEO 小田志門さんに、ECサイトでできるサイレントカスタマー対策とそこから生まれる成果について聞いた。

チャットボットの会話データからサイレントカスタマーを顕在化

 カラクリは、先進AIテクノロジーを誰でも簡単に活用できるSaaS型チャットボット「KARAKURI chatbot」を中心に事業展開を行う、カスタマーサポートに特化したテックカンパニーである。創業は2016年10月、チャットボットやロボットを活用して、コミュニケーション領域における新たな価値提供を目指すところから同社の歴史は始まった。2017年10月よりサービス展開を本格的に開始し、カスタマーサポート領域の課題を解決すべく、チャットボットやFAQなどを整備。現在は、総合AIサービスを展開する企業として、さまざまな業種・業態の企業の支援を行っている。

 チャットボットと聞くと、「対応を自動化することで人員削減ができる」といった経費削減・業務効率化の文脈でとらえるケースもあるが、同社が提供するサービスは少々毛色が異なる。その違いは、顧客が抱える疑問や不満を解決することに加え、これまでとらえることが難しかったサイレントカスタマーの行動を予測して離脱を防ぐことで、新たな売上を生み出す点にあると言える。

「多くのコールセンターでは、『問い合わせてくれた顧客にどのような対応をするか』を軸に顧客体験向上を考えますが、当社は疑問や不満を抱えながらも問い合わせをせずにいるサイレントカスタマーへ向けたアプローチを推進すべく、サービス提供を行っています」

カラクリ株式会社 代表取締役CEO 小田志門さん

 カラクリがECや動画などのオンラインサービス利用者2,080人に対して実施したアンケート調査では、購入・申込目的でウェブサイトを訪れた顧客のうち、70%以上の顧客が疑問・不満を抱いたまま離脱しているという結果が出ている。また、そのうち29.2%の顧客が競合サイトで購入したという結果も出ており、顧客は疑問や不満を抱えていても、声を上げることなく、場合によってはそのまま離脱している可能性が高い。

「私自身、コールセンターBPOでの経験を持ち、日々カスタマーサポート業務に従事する人々が、どれだけ事業に貢献しているかを証明したいと考えていました。さまざまな企業を支援する中で、ストレスフリーな顧客体験を創出すれば、コールセンターが単なる苦情処理センターから、事業の成長や利益に貢献する部署として機能することが見えてきたのです。実際に当社のクライアント様においても、問い合わせをした顧客のほうがリテンションレートが高いという結果が出ています。不満を持った顧客に対して最適な顧客体験を提供できれば、リピート購入などにつながりやすい。間口が広がれば広がるほど、より事業貢献度を高めることができるはずです」

 70%以上存在するサイレントカスタマーのうち、1%でも多く問い合わせに誘導し、適切なサポートを施すことができれば、利益創出に貢献することは明白だが、サイレントカスタマーはそもそも問い合わせをしないことがネックと言える。ここで最初の一歩となるのが、問い合わせのハードルを下げることである。わざわざコールセンターに問い合わせをするほどではないが、もやもやした気持ちを抱いているといった際に、チャットボットやFAQがECサイト内に設置されていれば、気軽に質問を投げかけることができる。

「チャットボットやFAQで顧客の生の声を収集することで、離脱するポイントや離脱する理由が明確になります。会話データや各サービスの行動データなどから、サイレントカスタマーの傾向などを分析することで、自社サービスのボトルネックを発見することも可能です。より多くの顧客の声に耳を傾ければ、これまで機会損失を招いていた原因の理解にもつながります。また、チャットボットやFAQであれば顧客の自己解決を促すこともできるため、コールセンターのキャパシティを圧迫することなく、顧客満足度向上を実現可能です」

KARAKURI chatbot活用で再注文率60%増 ニッセンの事例を紹介

 顧客の生の声を活かして、良質な体験構築を図るには、カスタマーサポート視点でカスタマージャーニーを描くことが必要となる。小田さんは「基本的には、マーケティングのカスタマージャーニーを描くのと同様ですが、顧客がボトルネックと感じるポイントがどこにあるかを整理し、その手前で問題解決のコンテンツや問い合わせポイントを用意することが大事」だと言う。

「現在のECサイトは、相談相手が不在であるものが多いと考えています。しかし、『このECサイトは使いやすい』と顧客に感じてもらえれば、利用頻度も向上するはずです。実店舗で販売スタッフが最適なタイミングで声をかけるように、ECサイト内でも顧客の『困った!』というタイミングに寄り添うことができれば、気軽に質問もしやすくなります。今まで問い合わせをしなかった顧客に、どうやって問い合わせをしてもらうか。当社はこうした視点から各企業の支援を行っています」

 小田さんは、「顧客に合致した導線整備ができていないECサイトは、自ら機会損失を招いているのと同じ」と続ける。取り扱う商品やサービスにもよるが、カラクリは各企業のサポートを行う中で、自ら問い合わせをするアクティブカスタマーの20倍は、同一の問題を抱えている可能性が高いととらえていると言う。つまり、月間1万人の問い合わせがある企業の場合は、20万人のサイレントカスタマーを有しており、仮にひとりあたりのLTVが5万円だった場合は、気づかぬうちに100億円の機会損失をしているという計算だ。

「あくまでこれは最大値ですが、20万人のサイレントカスタマーの1%をアクティブカスタマーにできれば、1億円の売上を生むことが可能です。近年は顧客が疑問や不満をSNSに書き込むケースも存在しているため、企業が正式に窓口として設けているチャネルに限らず、ソーシャルな場に表出した声にどう対応するかも重要です」

 サイレントカスタマーへの対応に着手するには、増加するカスタマーサポートへの問い合わせをカバーする対策が必要だ。そこでカラクリは顧客サポートの領域をAI活用で広げ、キャパシティーの拡張を行っている。現在、メルカリやSBI証券など約60社が同社のサービスを活用し、着々と成果につながっているそうだ。

「ニッセン様が、KARAKURI chatbotとRPAを活用して内部オペレーションの改善に着手し、オペレーターによるメール返答の約70%を自動化することに成功しています。さらに、これまでオペレーターが手動で対応していたログイン時のお困りごとに関する問い合わせについても、自動化することで返答時間をおよそ半日から平均3分にまで短縮。対応後の再注文率を44%から60%へ伸ばすことに成功しました。すみやかに対応することで売上につなげるのみならず、自動対応化によりオペレーションミスも50%削減しています。対応スピードを上げることで問い合わせ件数も増えており、これまで問い合わせに至らなかった顧客にも対応できていると見ています」

 なお、エン・ジャパンが提供する採用支援ツール「engage」では、KARAKURI chatbotの活用により、有料サービスへの問い合わせ数を7.5倍、受注数を3倍にまで伸ばしている。従来は問い合わせへの返答や有料サービスの提案をすべてオペレーターで対応していたが、サービス利用に関する疑問はチャットボットへ誘導し、質問の内容を踏まえ、然るべきタイミングでオペレーターが有料サービスの提案を行うようにしたところ、営業効率もアップしていると言う。

「『コールセンター白書2020』(コールセンタージャパン編集部/リックテレコム)によると、コールセンターに問い合わせをした顧客のうち、70%近くがウェブサイトで解決できずに問い合わせをしたという結果が出ています。解決策をウェブサイト上で提示できていないから、問い合わせが寄せられる。つまり、ここで離脱が生まれている可能性もあると言えます。そこで活用できるのが、AIなどを用いた自動回答です。顧客が『わざわざ聞くほどではないけど……』と思いながらも、本当は聞きたい、知りたいと感じていた疑問が、チャットボットを導入することで見えてきます」

EC市場が拡大する今こそ、複数部門の連携によるデータ活用が重要

 EC事業者がサイレントカスタマー救済に本格的に着手する際には、どのようなアプローチが必要なのだろうか。小田さんは「まずは、運営サイトのボトルネックを発見するところから始めましょう」と勧める。

「たとえば当社であれば、サイレントカスタマーを予測できるAIソリューション『KARAKURI rescue』を提供しているので、こうしたサービスを導入いただくのもひとつの手です。しかし、ツールありきで動くのではなく、顧客にとってどこがボトルネックなのかを全社で見極めて共有する必要があります。つまずくポイントを把握し、そこにどういった自己解決の手段を提供できるか。ヒントは、すでに設けているコールセンターなどの問い合わせチャネル内に溢れているはずです。マーケティングチームと協業し、ECサイト上での顧客の遷移データと掛け合わせて動きを可視化できると、なお良いでしょう。

 こうした掛け算での分析は、今まであまり行ってこなかったという方もいるかもしれませんが、問い合わせに至る人と至らない人の傾向を見るには、データから顧客をとらえることも欠かせません。そして、結果に応じてチャットボット、予測サービス、FAQ、有人チャットなど、適切な手段を提示できるように整備します」

 とくにECサイトの場合、カートに入れたタイミングや購入画面上で離脱した顧客の声を想像することが、今後の成果の鍵を握る。想像した内容の裏づけとして、デジタルで取得したデータ活用は大切だ。

「顧客体験向上を図る上では、マーケティングやセールスなど『攻めの部門』との連携が非常に重要となります。攻めの部門は選択肢を増やす視点から、カスタマサポートのような『守りの部門』はハードルを下げるなど、ストレスフリーの視点から施策検討をすることで、顧客対応の幅を広げることが可能です」

 しかし、カスタマーサポート部門は、これまでデータ分析や他部署を巻き込んだ施策展開の経験がないケースも多い。そこでカラクリでは、テクノロジー提供とともにカスタマーサポート部門の業務設計や課題の明確化、ファシリテーションのサポートなど、DX支援も実施している。

「攻めの部門と守りの部門が対立構造にある組織もいまだに存在しますが、内部で対立するのは非常にもったいないことです。他部門との共通言語や目標をカスタマーサポート部門も持ち、組織一丸となってサイレントカスタマーの救済に挑む状態が理想と当社は考えています。連携したほうができることも増えますし、成果が事業に与えるインパクトも大きくなります。これからの時代はとくに、それぞれの長所を活かして顧客体験を充実させる、そして売上につなげるといった意識が必要です」

 カスタマーサポート部門のDX支援を行う際、カラクリはクライアント企業の顧客を理解するところから着手すると言う。どのような顧客が存在し、どのようなジャーニーをたどっているか、どこでつまずいてしまうのかを深堀りし、課題を見つけ出す。そして、データやシステムの現状を把握し、改善に向けて着手できるポイントを洗い出した上で提案を行う。ツールありきではなく、あくまで解決策のアウトプットとしてKARAKURI chatbotやFAQサービスが存在するというイメージだ。

「ツールがあっても、それが企業の課題解決の最適解と合致していなければ意味がありません。当社は、CXD(Customer Experience Design)チームがクライアント企業様と伴走し、理想とする課題解決のゴールやそこへ向かうための目標設定をサポートしています。もちろん、設定した目標を達成するための改善活動にも継続的にかかわっております」

 顧客のデジタル化が進む今、ECサイトには「いつでも購入できる」という利便性だけでなく、さらなる付加価値が求められている。そこで必要となるのは「選択肢を増やす」だけでなく、「顧客のできないことを減らす」という視点だ。顧客が広告やSNSで商品やサービスを魅力に感じ、ECサイトに遷移しても、商品の使いかたや購入方法がわからなければ、サイレントカスタマーのまま離脱してしまう。新規顧客は、スムーズにECサイトを利用することができてこそ増やせるものであり、顧客1人ひとりの疑問や不満を解消することなしに売上増は難しい。その点を理解してほしいと小田さんは語る。

「新規獲得に注力して多くの見込み顧客を集めても、購入に至る前段階にボトルネックが存在していれば、コンバージョンポイントに向かうまでの間に、その数は大きく減少してしまいます。それは非常にもったいないため、これまで多くの顧客の課題解決をしてきたカスタマーサポートの視点を活かしながら、見えない顧客の想像し、策を講じていただきたいです。市場が拡大する今こそ、顧客体験を磨き込み、多くのサイレントカスタマーを救済することが必要と言えます」

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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