Shopifyアプリ『定期購買』リリース対談!フィードフォース×ハックルベリー
Shopifyアプリ『定期購買』について
2021年2月24日にリリース。Shopifyが提供する公式の「定期購買API」を採用し、ハックルベリーとフィードフォースが共同開発した。商品ごとのプラン設定、割引、購入回数制限など、日本の定期購買に必要な機能を揃えるほか、クレジットカードやGoogle Payなどの決済サービスを一度に導入できる「Shopify ペイメント」に対応。日本製アプリであるため管理画面は日本語がデフォルトである。今後は日本の定期購買商習慣に応じたマーケティング機能をリリース予定。
安藤(ハックルベリー) 今回リリースした、Shopifyアプリ『定期購買』の開発をハックルベリーが、運営とカスタマーサポートはフィードフォースが行うという形で一緒にやらせていただくことになりました。フィードフォースでは、2020年12月に、ShopifyとLINEを連携するアプリ「ソーシャルPLUS」をリリースされていますね。塚田さんのShopifyに関するお考えをお聞かせください。
塚田(フィードフォース) フィードフォースは、データフィードとソーシャルログインのふたつのテクノロジーを中心に、SaaSを提供してきました。それ単体で機能するというより、Google、Facebook、LINEといったプラットフォームとつなぐことで、ECであればその先にいる消費者に商品を知らせたり、プラットフォームのIDを使って簡単にお買い物ができるといったサポートを行ってきました。
スマートフォン以降のECのありかたとして、自分のお店に来ていただくことはもちろんですが、ユーザーがいる場所が分散化する中、分散した先にもしっかりと商品を届けていくことが大事だと考えていました。それが容易にできるShopifyは非常に良いサービスだと思いましたし、Shopifyが掲げる「ヘッドレスコマース」は、フィードフォースがやってきたことに近い、まさにそのものだと言っても良いくらいです。
安藤 フィードフォースは、2021年3月で設立から15年ですよね。設立当初、どこまで見据えていらっしゃったんですか?
塚田 そもそもインターネットは、個と個がつながることでエンパワーするという性質を持っています。インターネットそのものはサーバ同士がつながることでできていますし、その上に乗るWWWはHTMLファイルのつながり、SNSは人のつながりです。その文脈でいうと、アプリケーション同士もつながっていくだろうと考えていました。フィードフォースでも提供しているAPIやフィード、ソーシャルログイン(OAuth)のような仕組みで、アプリケーションとアプリケーションがつながり、これまでできなかったことができるようになっていくだろうと。我々は、つながる部分をやっていくんだと決めました。
もうひとつは、1990年代後半に出てきた「セマンティックウェブ」という考えかたです。素のテキストではなく、たとえばEC業界なら、この欄に入るのは商品名、この欄は個数、値段といったように構造化されたデータでやりとりすることによって、アプリケーションとアプリケーションがやりとりができる世界観を指します。セマンティックウェブ自体は、成立せずに消えていきました。しかし今、GoogleやFacebookをはじめとするプラットフォーマーが、バーティカルな検索の部分において構造化データを使って情報を集め、検索結果として適切に返そうとしています。構造化データ自体は消えず、さらに活用されていくだろうとの考えから、データフィードをやってきました。Shopifyを用いて展開できるヘッドレスコマースにも近いコンセプトを感じます。
安藤 実際にやってこられたサービスがあるので、お考えがすごくよく理解できました。「関所」をやっていらっしゃるということですよね。
塚田 皆が通るnodeになれば、何かしらのマネタイズはできると思っていました。加えて、2020年10月14日付で株式会社リワイアを設立しました。「rewire=つなぎ直す」がコンセプトです。SaaS同士がきれいに結合すればそれに越したことはないのですが、お客様によってはレガシーシステムを用いている部分もあるでしょうから、SI的なことをやっていく会社が必要だと考えたからです。