見逃されがちなサイトアクセスの「時間帯」という最良のデータ
ネットに限らずリアルのご商売も同様ですが、まずはお客様がどのような方々なのかを把握することが大切です。とは言え、ここでペルソナマーケティングの話をするつもりはありませんので、念のため(笑)。
ECサイトにはアクセスログに代表されるさまざまなデータがありますが、データを単に数字の羅列として捉えるのではなく、データという鉄板の「証拠」に加えて「想像力」を働かせ、「もう一歩深く」データを活用していただきたいのです。
お客様の「全体像」を想像するという観点において、アクセスログの項目の中で一番重要視しているのは「検索キーワード」なのですが、これについては多くの方々がさまざまな見識を述べられているかと思いますので割愛させていただきます。
実は、その次に筆者が重要視しているのはサイトアクセスの「時間帯」です。ECオーナーやコンサルタントの中でアクセスの時間帯を話題にする人がほとんどいないのが不思議なのですが、精度は低いながらもお客様の「全体像」を想像するには最良のデータだと思っています。
たとえば、もしもユーザーがOLの方々100%であったなら、アクセスの時間帯はどのようになるでしょうか。
朝の混雑した電車の中や車の運転中であれば、仮にスマホを持っていたとしてもサイトを見るのは難しいかと思います。また、仮に通勤電車で座れたとしても、サイトの閲覧はザッピング(チラ見)のレベルでしょう。「じっくり見る」というユーザーはごくわずかに限られると思います。
午前中は基本的には仕事があるので、やはりユーザー数は少ないでしょう。そして、昼食の時間帯には一定数のユーザーが来訪するということになるかと思います。 時間帯ごとの平均アクセス時間またはPVというデータが見られれば、ザッピングユーザーの割合などもある程度把握できるかと思いますが、仮にそのようなデータが取れないとしても是非ここで「想像力」を働かせていただきたいのです。
たとえば、OLという“属性“(=同様の生活スタイルを持つお客様群とお考え下さい)を持つユーザーに対して、PUSH型のプロモーションを行うとした場合、コンタクトの開封率やアクションを伴う反応率など一番効果的なのはどんなタイミングだと思いますか?
この問いには確実と言える正解はありません。当然、ECサイトの業種などによっても異なるはずですので、効果が見込めるDoの根拠となるデータも存在しない状態と言えるでしょう。仮にデータがあったとしても、本当にそれが最適解であるかどうかはわかりません。また、過去のデータ以上のさらなる最適解があるかもしれないのです。従って、TRYを繰り返して経験則を元に自ら最適解を出す以外にないと思うのです。
ここで想像力を働かせてみましょう。仮に筆者がPUSH型のプロモーションを行うのであれば、木曜か金曜日の午後12時45分から53分の間に配信してみます。