前回「EC事業がうまくいかないのは、プロジェクトメンバーの認識が一致していないから」ということをご紹介しました。
そして今回は、EC事業に焦点をあてた「認識を一致させるための方法」についてご紹介していきます。
意識レベルの現状を知ろう 具体的な確認ステップとは
認識を合わせるということは相手がいて初めて行われることです。そのためにはまず、認識が合ったとき、合わなかった時の相手の意識レベルを知ることから始めましょう。ここでいう意識レベルというのは「認識が合っていないことに対する危機感、認識が合っていることに対する安心感」が各個人でどれくらいのレベルなのかということを指します。
この意識レベルの確認を行うことによって、メンバー同士で「まぁそんなもんでしょ」「え!?それはヤバイでしょ!!」などの違いを知ることになり、ようやく認識を合わせることができるようになります。
それでは意識レベルの確認を行う方法をご紹介します。この方法を元に自分たちに合ったカスタマイズをして応用することも可能なので、ぜひ試してみてください。では早速ご説明しましょう。
意識レベルの確認手順
①PM(もしくはプロジェクトリーダー)の方が司会進行を務め、意識レベルを確認したい、または確認させたいEC事業メンバーを集めましょう。
- メンバーの数は多くて10人までとしてください
- 部署や課を横断して行っても構いません。
- このタイミングでは、認識についての意識レベルを測るための会議、質問である旨を伝えないでください
②メンバーを集めた後、白紙の紙を配布し所属部署や課、名前を記入してもらい、下記3つの質問をホワイトボードに記載、もしくは口頭で説明を行ってください。(回答時間は全問で5分)
A:あなたが取り組んでいるECサイトの目標は何ですか?(複数回答可)
B:過去に起きたECトラブルの中で最もリスクが大きいと感じたものは何ですか?(複数回答可)
C:1+1はいくつになりますか?(単純な算数としてお答えください)
- 質問の内容が具体的でないのは意図的なものなので、もし回答者から質問が挙がった場合、深く考えず質問の通り答えてくださいと伝えてください。
③上記質問の回答を紙に書いてもらいます。
④全員の回答が完了したら、司会はAの質問から順番にメンバーの回答を口頭で確認していきます。またその際に各自に回答の理由を説明してもらうようにしましょう。
これでメンバー全員の回答を確認するところまで来ました。ではなぜこんな質問をしたのか、A~Cの質問が何を意図しているのかを説明しましょう。