100万口座突破!カードのいらないカンタン決済「Paidy」が約束するECでの成功
メールアドレスと携帯電話番号を入力するだけで決済できる「Paidy」。ショッピングごとではなく、翌月にまとめて支払う仕組みで、分割払いも可能だ。2014年10月のサービス開始以降、クレジットカードを持たない・利用しない層を中心に支持を得て、エンドユーザー数(口座数)は2017年11月に100万を突破。導入ウェブサイトも、インナー通販EC「PEACH JOHN」 や東京ガールズコレクション公式通販サイト「SELECT STORE by TGC」、ソーシャルライブコマース「Live Shop!」、ニキビケア「プロアクティブ」など、若年層向けサービスを中心に70万(2017年11月)を超えた。EC事業者が導入しやすいよう、代表的なカートASPやEC構築パッケージとも連携している。
折しも、フィンテックブームが到来。ATMや銀行窓口でしか行えなかった決済手続きがオンラインでも可能になっただけではない。ECのみならずリアル店舗でも、スマートフォンで全ての金融取引を完結できる時代が来ようとしている。財布を持ち歩くという概念も、既に揺らぎかけている。
クレジットカードを利用しない後払い決済サービスのカテゴリーに加えられることも多いPaidyを「時代の半歩先をゆくサービス」と表現するのは、Paidyの代表取締役社長兼CEO、杉江 陸さん。新生フィナンシャル代表取締役社長、新生銀行常務などを歴任した人物だ。
Paidyが目指す世界とは。これから決済業界にどんな一石を投じるのか。目の前のECサイトがPaidyを導入するメリットから対面決済など決済の未来まで、決済に詳しいTIプランニングの池谷貴さんと語ってもらった。
Paidyのユニークさはメールアドレスと携帯電話番号で「機器認証」
――杉江さんは銀行数社を経た金融のプロであり、池谷さんは取材を通じてたくさんのオンライン決済を見てこられました。おふたりから見たPaidyについて、改めてお聞かせください。
杉江(Paidy) ID決済のひとつとしてとらえています。世の中に数多あるメールアドレスと携帯電話番号をIDにして決済が行えるサービスです。しかしIDには2種類ありまして、ひとつは本人認証するもの、もうひとつは機器認証で、Paidyは後者にあたります。メールアドレスと携帯電話番号という公知の情報を使う。これが非常にユニークですよね。よくこれで貸倒損失がコントロールできているなぁと驚いていたのですが、中に入って数字も見せてもらってさらに驚いた。単純に、興味深いサービスだと感じていました。
池谷(TIプランニング) 商品が届いてからクレジットカード以外の手段で支払う「後払い決済」は、2002年にネットプロテクションズが開始し、その後、決済代行や配送会社など提供会社が増え、2016年11月のZOZOTOWNのツケ払いで注目されました。そんな中Paidyは、一般的な後払い決済サービスのユーザビリティや与信金額などの限界を打ち破るべく、2014年にサービスを開始したということですが、杉江さんがおっしゃったように機器認証であり、分割払いにも対応している。非常にユニークなサービスだと感じています。機器認証は、昨今増加するクレジットカードの不正利用防止のため、クレジットカード会社が実施している検知のひとつでもあります。
杉江(Paidy) エンドユーザーの方にとっては、クレジットカードのようなものが、いつでもどこでも安全に、カードなしで使えるのがPaidyである。私たちはそう、訴え続けています。
データを蓄積してさらなるリアルタイム与信へ 対面決済も
――Paidyというサービスをもっと良くするため、直近でお取り組みのこととは?
杉江(Paidy) さらに普及させていくことです。現在、ユーザーアカウントが約100万口座(2017年11月時点)ですから、多くのお客様のデータをまだ取得できていないということです。もし仮に、日本国民全体のデータがあれば、現時点で平均0.5秒かかっている審査時間を、さらにリアルタイムに近づけられ、結果としてEC事業者様にもより良いサービスを提供できるわけです。
池谷(TIプランニング) 先ほど、決済サービスとしては後発のサービスと申し上げましたが、提供から約3年で100万口座分のデータを持っているというのは、すばらしいことだと思います。杉江さんがおっしゃったとおり、ユーザーを拡大し、データを蓄積していくことでサービスの精度を上げていっていただければと思います。
杉江さんから、「クレジットカードライク」との表現がありましたが、後払い決済とクレジットカードは競合するものではない、というのが私の考えです。クレジットカードを使っている人はそのままクレジットカードで決済するでしょうし、クレジットカードを利用しない層が後払い決済をはじめとする別のサービスによってECを利用するようになり、それが売上に繋がるかもしれません。日本のEC化率は5%程度ですから、まだまだ伸びしろがあり、その拡大に後払い決済は貢献するのではないでしょうか。
杉江(Paidy) 池谷さんがおっしゃる通り、クレジットカードとの直接競合だとは捉えていません。また、後払い決済にくくられがちですが、取引毎に請求書を出すサービスと競合するとも考えていません。Paidyは翌月にまとめて支払う、本格的な与信を伴うサービスです。Paidyのエンドユーザーの方は、20代未満を中心とするクレジットカードヒストリーのない方々が中心です。その方々に、クレジットカードライクなサービスを提供していきたい。「アンダーバンクト(underbanked)」という言葉がありますが、年齢などの理由から十分な金融サービスを受けられていない人が、世界的には50%にのぼるとの調査結果もあります。そういった方々に、本来受けられるべき、さまざまな金融サービスを提供したいというところまで視野に入れています。
――まさにフィンテックですよね。仮想通貨も話題になりましたが、プロから見た決済のトレンドはどのようになっているのでしょうか。
杉江(Paidy) キーワードは「Identification(識別)」だと考えています。ID決済もそうですが、最近は顔認証も出てきていますよね。その人がその人であるということを認証できる技術が浸透していきます。もうひとつは「ビッグデータ」。膨大な行動ログが蓄積されていて、決済で言えばその人のお支払い意思や能力がわかりますし、今後ディープラーニングが普及してくると、「これから何をしたいのか」「どれくらい悪いことをしそうなのか」までわかるようになってくる。その結果、決済は大きく変わります。レジで打ってもらう必要がなくなりますし、実物の現金を渡すという概念もなくなり、データで取引が済む形になっていく。現状はまだ、すべての準備が整っていませんが、そういった未来に向けて半歩先を行くのがPaidyだと考えています。
池谷(TIプランニング) クレジットカードが主流だったところに、プリペイドカードやデビットカードが登場し、最近では楽天ペイやLINE Payも登場して、決済の裾野が広がってきている。2020年に向けたキャッシュレス化を目指して、決済業界は盛り上がってきているなと感じています。一方で、サービスが乱立し、消費者がそれに追いついていないという面もありますので、いくつかのサービスは淘汰される可能性もあるのではというのが正直なところです。
杉江(Paidy) おサイフケータイに代表されるNFCの時代は、読み取るデバイスを実店舗に配らなければいけないという膨大なコストがかかりました。しかし今は、スマートフォンにより、お互いがピッとすれば決済が済むようになってきていますよね。たとえば、実店舗を持つ事業者さんのアプリとPaidyが連携して、アプリを提示した時点で支払いも済んでいるという未来もあり得る。するとユーザーも慣れてくるのかなと思います。
どんなジャンルのECにも新規ユーザーというメリットを約束する
――将来のお話が出ましたが、Paidyが描く決済、金融サービスの未来とは?
杉江(Paidy) お財布から現金を出す、クレジットカードの16ケタを入力するなど、現時点での決済はすごく面倒くさい。スマートフォンひとつで、すべて完結することを目指したいです。ECについても、スマートフォンで見て、自宅のPCで買うという行動がありますが、それは決済が面倒だからというのも理由のひとつでしょう。モバイルのデバイスを持っているのだから、動きながら買おうよ、という。それをPaidyで実現したいですね。
さらに言えば、アンダーバンクトなお客様に、決済以外にもさまざまな金融サービスを提供していきたいです。金融サービスはざっくり言うと、「お金を動かす」「お金を預ける」「お金を貸す」「保険」ですよね。これを全部、しかもグローバルにやりたい。でも全てのライセンスをとって自前でやるつもりはありません。スマートフォンのうえにお客様をつれてくるきっかけが決済であって、つれてきたときに、ベストなサービスを提供するプレイヤーと提携して、提供していく。2018年にやってしまいたいと思っています。
池谷(TIプランニング) いまのお話を聞いて思うのは、Paidyさんはクレジットカードを持たない若年層など、新たな市場を切り拓いておられるので、今後も期待したいと思います。しかし、後払い決済では、高額な家電、デジタルコンテンツ、定期購入などの分野は未開拓である。そして、長期後払いも出てきているので、そこにもチャレンジしていただきたい。そのうえで、ECの決済以外の分野にも取り組んでいただきたいと思っています。
杉江(Paidy) おっしゃるとおりで、長期的な後払いや未開拓の商品ジャンルなども含めて取り組んでいきますし、Paidyの規模は1年で2~3倍になることは確実で、既に決済プレイヤーとしては大成功するとお約束できます。そのうえで、その後の展開も考えているということです。
ですからEC事業者の方には、なんでも来てくださいと言いたい。高額な家電、デジタルコンテンツ、定期購入といったジャンルでも、私たちにとってそれに対応する開発はそれほど難しいものではありません。提供できるメリットとしては、20代以下の女性といったこれまでECに来てくださらなかったエンドユーザーの方を引っ張ってこられるということ。若い人たちはモノを買わないと言われたりしますが、そんなことはない。Paidyのお客様を見ているだけでも、皆さん、高額な商品も含めて買っていらっしゃいます。導入が売上に繋がるわけですから、Paidyはないよりあったほうがいい。導入していただければ、トランザクションは必ず伸びるとお約束したいと思います。
池谷(TIプランニング) 決済は黒子の役割ですが、ECサイトに良い商品があっても、望む決済手段がないと離脱してしまう可能性がある。自社のお客様のニーズを踏まえたうえで、決済サービスを導入することで、売上アップにも貢献するのではないかと思います。
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