若い層に特化した自社ECサイトが日韓で人気「ブランガールズ」
10代〜20代の女性をターゲットにアパレル販売を手がける「ブランガールズ」は、国内や海外に向け活発な事業を展開しています。海外売上高の40%を占めているのは、参入5年目の日本です。
Kポップの人気により、有名アイドルが着用するファッションに影響を受けた若年層のニーズが高まっていることが、人気の理由だとみています。それを受けブランガールズでは、キャラクターものからアイドルの空港ファッションなど、日本では珍しいスタイルを提案しています。
ブランガールズを率いる李ユナCEOは、日本市場参入のきっかけについてこう話しています。
「日本アパレル市場を分析したところ、ベーシックなスタイルなどの商品が多く、ティーンズ向け商品の販売店は少ないことがわかり参入を決めました。これが弊社のような韓国アパレルが日本で反響を集めている理由ではないかと思います」
10年以上ティーンズ向けのEC運営に取り組むことで培ったノウハウやデータに基づき、ブランガールズは商品を企画してきました。中でも昨年、李CEOが企画した「トレーニングウェア」は、着心地の良さと動きやすさから日韓両方で人気を得ているヒット商品です。
ブランガールズは、グローバルECプラットフォーム「cafe24」で開業した海外向けECサイトも韓国と同様に更新を行っていて、毎週平均100〜150種類のアイテムを掲載しています。流行に敏感な若年層のニーズに合わせた商品やコンテンツを迅速に提案することで、リピーター確保にも効果が表れています。
また、コンビニ後払い決済や佐川急便など、ユーザーが日頃から慣れ親しんでいる仕組みを導入し、利便性向上にも力を入れています。
差別化の一環として商品に「私にほれるスウェット」などのネーミング
ここからは、ブランガールズの李CEOとの一問一答をお届けします。
――――商品のこだわっている点を教えてください。
アパレル市場の様々なブランドの中で、世界中の消費者は新しいファッションスタイルやアイテムを求め続けています。弊社は、常にお客様の立場でニーズやトレンドを踏まえた商品を提案し、満足度向上に向けた取り組みを行っています。
――――日本・韓国をはじめ5カ国で展開していますが、他国と比べて日本ならではの特徴はありますか?
韓国などでは弊社商品のような「ガーリッシュスタイル」を10代が好む傾向がありますが、日本の場合、20代半ばの女性からの購入も多いです。そのため韓国ではメインターゲットが10代顧客ですが、日本では10代〜20代半ばまでのユーザーをターゲットにしています。
――「空の果てまでデニムパンツ」「私にほれるスウェット」など個性的な商品名が多くありますが、このようなネーミングにした理由などあれば教えてください。
毎シーズンアパレル市場には似たようなアイテムがあふれています。他社との差別化の一環として、弊社商品に特別な意味を与えようとネーミングを考えています。
例えば、同じ価格の服でも自分の好みに合わせて着こなせると顧客満足度が上がります。実際に、上の画像のようにネーミングをした商品は、着心地の良さ、面白い商品名、コスパなどの点で、ユーザーからも反響が続いています。
フォトレビュー数の多い商品は、購買率が高く返品率は低い傾向
――――Instagramの施策を行う際に、心がけていることはありますか?またInstagramを始めてから、反響や売上に変化はありましたか?
ネット上で弊社の商品を見かけた海外のユーザーから、InstagramやFacebookなどで問い合わせを受けたことが海外展開のきっかけでした。
弊社はSNSを運営するとき、ユーザーとのコミュニケーションに力を入れています。その際、ユーザーとは友達感覚で1対1でのやり取りを行うように心がけています。このような取り組みで、SNS上で口コミが広がり、自社ECへの流入や認知拡大にも繋がっていると思います。
――――ユーザーのレビューや投稿写真を活用した取り組みである「フォトレビュー」を始めたきっかけ、行った感想を教えてください。
情報洪水の中でユーザーが求めているのは、「自分に必要な情報だけ」だと思います。企業側の一方的な都合による情報発信は、ユーザーに受け入れられないケースが多いように感じています。特にECサイトの商品は試着ができないので、ユーザー側にきちんと情報を提供することが大事です。
「フォトレビュー」では、購入したユーザーが投稿した写真をECサイトに掲載し、投稿ポイントを付与したり、毎月フォトクィーンを選定しクーポンをプレゼントするなど、ユーザーが参加したくなるようなコンテンツになるよう工夫しています。実際にフォトレビュー数の多い商品は、購買率や顧客満足度も高く、交換返品率も低いです。
――――これから挑戦したいことや、今後の目標を教えてください。
日本市場に続き、台湾向け越境ECにも力を入れる予定です。また、SNSアカウントのほか、様々なチャネルを発掘し販路拡大にも注力していきます。今後も世界市場で競争できるアパレルブランドを目指します。