EC改善施策導入を阻む7つの「悪しき社内要因」
売れるネット広告社は、累計で数百社の通販会社(EC事業主)に自社独自のノウハウに基づいた改善施策、“最強の売れるノウハウ”を提供し、広告の費用対効果やLTVを改善してきた。
当然、すんなりと施策を導入していただいた通販会社ばかりではなく、導入できずに断念してしまった通販会社も多い。
もちろん、通販会社の戦略上の判断で施策を採用しないということもあるが、 施策が経営課題ともマッチし、現場担当者や経営層が本当は導入したいと思っているにも関わらず、なんらかの要因で導入見送りとなることも多い。
今回のコラムでは、売れるネット広告社の過去のコンサルティング現場での事例から我々にとってはクライアントにあたる通販会社が陥りがちな、チャレンジすべき施策実施を阻む、残念な「悪しき社内要因」についてご紹介し、どのように乗り越えるべきか考えてみたい。
悪しき社内要因1:目先の売上だけをみてしまう
単品リピート通販のビジネスモデルは、今や2年間をかけて回収するモデル。広告入口で獲得した新規顧客をリピート化し、LTVを高めることで収益化する長期的なビジョンが必須だ。
新規獲得コストは高騰しているので、短期的な入口の効率化に加えて、中長期的な顧客育成の施策が必要だし、長期戦略に基づいた投資判断がなければ成功はつかめない。
悪しき社内要因2:予算がない
要因1とも関連するが、短期的な費用対効果だけで判断するKPI設定では、いきなり本格的な「フルセット」での施策実施がかなわないこともある。
代理店やベンダーが提示するシミュレーション上はきれいに収益改善ができていても、実際に効果が見えていなければ、予算の承認・増額は不可能になる。 施策単体での改善にフォーカスしてしまうと、どうしても費用対効果の評価が厳しくなり、改善に踏み切れないのだ。
重要なのは、まず全体戦略を明確にし、広告によるレスポンス獲得から、引上、リピート化までの全体フローを設計し、シミュレーションすることだ。 その上で、シミュレーションの仮説を実証するキーとなる施策を単体で切り出して、低コストでA/Bテストを実施するとよい。
たとえば、過去の施策において入口の広告CV(申込数)はある程度最適化していて、シミュレーションの精度が高い自信があるものの、過去に効果的な「引上」を実施できておらず、引上率改善の根拠に自信がないのであれば、まずは「確認画面アップセル」のみをA/Bテストしてみるとよい。キーとなる施策の効率改善が実証されたら、全体フローの導入に取り組めばよいのである。