ウェブサイトデータ分析の定番ツールと言えばGoogle アナリティクスです。しかし、巨大サイトともなるとデータ量が膨大でツールでは分析することが難しくなっていきます。月間で1,000万UU(ユニークユーザー)以上のアクセスがあるSUUMOでは、どのように分析しているかをリクルート住まいカンパニーの野村さんと瀧口さんに聞いてきました。
月間のユニークユーザーは1,750万(アプリなどの重複含む)
森野(運営堂) 最初に、SUUMOのサイトは月間のセッション数、もしくはユニークユーザー数を教えてください。
瀧口(SUUMO) 数はだいたい月間1,750万です。
野村(SUUMO) ただ、アプリとスマホとPCとそれぞれ別々に数えている数字なので、多重でカウントされている方もいらっしゃると思います。
森野 ユニークユーザー数が1,750万あるとして、月次レポート、週次レポートみたいなものは作成されているんでしょうか?
野村 もっとも基本的な数字であるユニークユーザー数が昨日どれくらいだったとか、コンバージョンに設定している資料請求がどれくらいありましたというような数字は、日時でメール配信を行い、異常がないかを常に確認しています
森野 その配信先はどれくらいでしょうか?
瀧口 だいたい50人くらいです。レポートを見るツールみたいなものを作っているんですけど、それでいくと、企画業務を持っている人たちも含むので100人くらいになります。
野村 社長や役員も含むメンバーに日時のメールは送っています。メールを一番見ているのは役員じゃないかというくらい全員が数値に敏感です。同じデータを共有して、そこで何かおかしなことが起こってるよね、みたいなのは見るようにしましょうと。
森野 なるほど。それだけの人が見ているとなると、それに関して何か気づいたことがあるときは、どういうルートで共有と解決がされるのでしょうか?
瀧口 私が所属しているデータソリューショングループに直接来るようになっています。コミュニケーションツールとか、メールとか、対面とか、方法は自由です。わからないこと、気になることがあったら問い合わせをして、集計が発生するならそれに対応する専用の組織があります。
森野 となると、よくあるパターンなんですけど、ちょっとこれ出ない?みたいなのが、どんどん来るのではないのでしょうか?これがどうなのか知りたいとか、昨日テレビやったんだけどどうなの?とか。
瀧口 もちろん、そういうのもあります。ただ、それでは効率が悪いので、Adobe Analyticsですとか、他のツールで社員の手元で大まかに見られるようになっています。こういった業務に忙殺されるということがないように先手を打っているような感じです。
森野 なるほど。全員で集まって1㎝くらいの資料がどーんとある、ということはなくて、意思決定もかなりスムーズということですね。
瀧口 はい、レポートにはモニタリングとアドホック(特別な、暫定的な)という2種類があります。モニタリングはどんどん効率化しているところですので、アドホックが重なって分析で忙殺されるようなことは基本的にはありません。要望にもスムーズに応えられていると思います。
森野 日々のデータを見るときも、KPIは決めると思うのですが、大きい組織ですと事業部単位でKPIが全然違うとか、そもそも定義が違うとか、比較できないとか、このあたりの苦労があると思います。ここは全部ズバッと揃っているのでしょうか?
瀧口 今はそうですね。ある程度揃えにいっています。以前は個別で違うレポートを持っているとか、有料集客をやっている人たちのレポートと、サイト内部改善のレポートが違うっていうことはありましたが、揃える努力をすればちゃんと揃うというのがわかりましたので(笑)。
野村 生ログからの行動の整理みたいなことはしているので、どこからどれだけ流入して、コンバージョン云々みたいなところは定義を定めて管理をし、会社全体がと同じものを見ていますという状況にはなっています。