パネリスト
●株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 販売支援部 販売支援チーム リーダー 光延真二さん
1966年生まれ。丙午。大学卒業後、1990年株式会社オンワード樫山入社。 2008年株式会社ユナイテッドアローズ入社。インバウンド施策や洋服のお直し改革を行ない、「店はお客様の為にある」という社是のもとお客様目線で販売支援チームを率いる。
●株式会社バロックジャパンリミテッド AZUL by moussy事業部 シニアマネージャー 渡邉加奈さん
1980年福岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 2つのヤングカジュアルブランドで営業職を経験したのち、2010年より現職。 店舗、EC両軸の戦略を立案し、オムニチャネル化を推進しながら、ブランド全体の販売仕入計画管理を行う。店舗EC共通ポイントのアプリの導入・保守から、デジタルサイネージの運用、各SNSの管理、ECサイトの特集企画立案まで幅広くWEB戦略に携わる。
●株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部長 越智将平さん
1981年生まれ。2002年、株式会社ナノ・ユニバース入社。 全国にセレクトショップを展開する『nano・universe』が、2013年よりオムニチャネル戦略に積極的に取り組む。
テーマ4:アプリについて
金子 続いては、アプリの話に移っていきたいと思います。本日ご登壇いただいている3社ともに、すべてスマートフォンのアプリを活用されちます。ナノ・ユニバースさんでは、85%の方が店頭で会員登録されているというコメントもありましたが、アプリの立ち位置っていかがでしょうか?
越智(ナノ) まだまだ試行錯誤の中ではありますが、ひとつ、会員カードの代わりになるという役割があります。それまでは、お客様に個人情報を紙に書いていただき、プラスチックカードを発行していたものを、3年前にアプリに切り替えました。まずは、会員証として使っていただく。しかし、それだけではアプリがアクティブにならないため、その中にいかにコンテンツを詰めていくかということですね。アプリをダウンロードしたからといって、必ずしも当社のファンであるとは言えませんが、ファンになっていただくためのコンテンツをどう展開していくのかを考えているフェーズです。
渡邉(バロック) もともと「アプリをやりたい」という声と、「ポイントシステムを導入したい」という声、それぞれが社内の別の部署でありました。この時代に、この規模で、アナログのポイントカードを導入するのはナンセンスかなとも思いましたし、2015年にアプリを先行してリリースをしていましたので、2016年4月から、アプリの中にポイントカードのシステムを導入しています。この半年は、それを認知させていくことに注力していました。メルマガだけでは得られない情報を発信したり、プッシュ通知も全員に同じ内容を送るのではなく、お客様の属性に応じたセグメントをしたりといったことです。
購買履歴も重要ですよね。データを分析することによって、複数店舗を買い回っている状況や、購入頻度、ポイントの利用の仕方なども見えてくるものがあります。まだ半年ほどの運営なので、本格的なデータ活用は2017年からとなりますが、CRMとつながる部分でもありますので、アプリは必須のツールだと思っています。
光延(UA) 1年前の時点で、アプリのダウンロード数が14万ほどありましたが、EC会員66万名様に対してですから、まだまだ浸透していなかったと思います。先日、アプリのリニューアルを行ったので、今後ダウンロードが進んでいくだろうと思っています。アプリはもっともお客様に近い場所だと考えていますので、1人ひとりにあった商品を紹介するなど、店頭に近い接客をするように設計しています。
金子 2016年は、「ウェブ接客」という言葉が浸透するなど、「接客」は注目のキーワードだったかと思います。ECサイトにも、店頭と同様、お客様にあった、パーソナライズされた情報を出したり、チャットなどのリアルタイムコミュニケーションを取り入れたりとEC業界でもさまざまなサービスが登場しましたね。