ヤフーのらくらく通販、ユーザビリティ視点での3つのポイント
ヤフーのらくらく通販では、シニア向けスマートフォンの「ドコモらくらくホン」のように、老眼対策としての文字サイズ拡大やボタン極大化も取り入れるなど、さまざまな工夫が見られます。
こうした取り組みは、シニア層のECに対する不信感を払拭することも大きな狙いだと推測できます。そのため、すべてのECで採用できるわけではないものの、ターゲットのお客様が最も使いやすいユーザビリティを追求する姿勢は、参考になると思います。
本稿では、ECユーザビリティの観点から、
- 言葉の選びかた
- UI
- 機能
の3つのポイントから、掘り下げてみていきます。
らくらく通販の工夫1:言葉の選びかたに絶妙なさじ加減
EC業界にいると忘れがちですが、「カートに入れる」は業界特有の用語だとも言えます。同様に考えると、「買い物かご」の表現も、それがウェブサイト上でどのような意味を示すのか、慣れないユーザーにはわかりにくいかもしれません。
「らくらく通販」では「この商品を買う」と表現し、わかりやすさを追求しています。
こうした工夫は、ほかの表現にも見られます。「購入履歴」は「前に買った商品」に。役割は従来の購入履歴なのですが、スマホEC上で見る「履歴」という言葉が瞬時にイメージできないシニアもいるのでしょう。
「カテゴリー」という言葉も使われていません。直訳すれば「分類・部類」となるはずですが、唐突に日常生活で使わない日本語が出てきても、違和感を覚える人もいるはずです。それを考えたうえで「カテゴリー」は「売り場」と表現されています。
一方で、カタカナや専門用語をすべて言い換えているわけではありません。「ログイン」や「キーワード」、「検索」はそのまま使われています。これは、インターネットユーザーならわかるとの判断でしょう。
この絶妙なさじ加減に、らくらく通販担当者のセンスが光っていると思います。
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