リピーター醸成(2)顧客カテゴライズと施策シナリオ
すべての顧客に同じ情報を一斉配信では、効果が出にくい時代。高崎さんは、「顧客をカテゴライズし、施策のシナリオを分けるべきだ」と言う。というとマーケティングオートメーションを連想してハードルが上がるが、一般的には、顧客を10パターンくらいにカテゴライズするところから始めればいいと言う。
ある食品会社は、このカテゴライズを踏まえ、「いつリピーターになったのか」、「なぜリピーターになったのか」という切り口から施策を考え、改善。引き上げ率が150%に伸びたと言う。
1.いつリピーターになったのか
初回のお届け日から2回目までの期間を見たところ、「50%以上が1週間以内に再度購入」「リピーターの80%が1ヶ月以内に購入」という2つの山を発見。そこに対するアクションをしっかりと行った。
2.なぜリピーターになったのか
商品を分析したところ、トライアルセットよりも他の商品のほうがリピート率が高いことがわかった。トライアルセットの内容を変える、そもそもトライアルセットへの誘導を減らし、リピート率が高い商品への誘導を優先的にする、などの施策を行った。
自社ECならではの分析:売上/PVで中位以下をチューニング
売れ筋商品が売上の大半を占めるというのは常識だが、逆に考えれば、中位・下位の商品の売上が上がれば、ショップの売上が安定してくる。中位・下位へのプロモーション施策を考える際、「売り上げとPVの相関関係」を見てはどうか、と高崎さん。
たとえば、80万円売れた「商品B」の詳細ページが8,000PVだとしたら、1ページあたりの売上貢献は100円となる。50万円売れた「商品C」の詳細ページが1,000PVなら、同500円になり、「商品C」の露出を増やしたほうがよいと考えられる。
同様の考えで、自社ECサイトに掲載しているバナーもテスト、張替えを行っていく。「売れるページへと網を張っていくほど、回遊率が上がっていくというデータもあります」(高崎さん)。モールはこうした分析がしにくいが、自社ECでできたテンプレートを反映すればいいわけだ。