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一声かけるだけで変わるショップカードの価値
本連載「オンラインショップを伸ばす魔法の法則100選」では、オンラインショップの売上を伸ばす法則を、9回にわたって計90個お伝えしてきました。100のコツまでカウントダウンを迎える今回は、アフターコロナのリアル回帰を踏まえ、実店舗とオンラインの相乗効果を高めるコツをお届けします。
実店舗は展開していないという方も、今はポップアップやイベント出店など、お客様とリアルの接点をもてる場が増えています。こうした場に進出する際に慌てないよう、これから紹介するコツを頭の片隅に置いていただければと思います。
1. ショップカードは「配って終わり」にしない
ビジネスにおいて、最も重要なのは「顧客リスト(※購入客・購入見込み客を含めたメルマガやLINE公式アカウント登録者のリスト)」です。オンラインショップ運営では、ついアクセス数やフォロワー数などといった「まとまった数字」に目がいきがちですが、「直接アプローチができる顧客」がどれだけいるかが、売上を決めることを忘れてはいけません。
特に、実店舗やポップアップ、期間限定ショップは、顧客リストを増やす絶好のチャンスです。LINE公式アカウントへの登録を促すため、二次元コードを印刷したショップカードを作成し、配布している方も多いと思いますが、「渡して終わり」になってはいませんか?
「渡せば登録してくれるだろう」と思っている方は、消費者としての自身の行動を振り返ってみてください。皆さん、一度はショップカードをもらった経験があると思いますが、自宅に帰ってからそのカードを見て、メルマガやLINEの友だち登録をしたことが何回ありますか? ほとんどの方は、もらったことも忘れてしまっているはずです。
ショップカードはただ渡すだけでなく、その場でメルマガやLINEの友だち登録をしてもらうようにしましょう。一声かけるだけでも、お客様との距離感や行動は変わっていきます。
2. つながってくれた顧客への特典は複数用意する
とはいえ、何のメリットもないのにメールアドレスやLINEの友だち登録をしてくれるお客様はまれです。お客様はそこまで暇ではないですし、無理やり促してもすぐに登録を解除されてしまっては意味がありません。
そこでオンラインショップがすべきは、お客様がつい登録したくなるような「特典」を用意することです。クーポンを特典にするケースをよく目にしますが、私はそれ以外の特典も用意するよう勧めています。
特典と聞くと、前出のクーポンや「もの(物品)」を想像する方が多いかもしれませんが、実は「情報」も立派な特典になります。たとえば、アパレルを扱うショップであればブランドカタログをPDF化して配布したり、ファッションのトレンドをまとめてメールやLINEで発信したりといったアプローチが有効です。食品関連のショップであれば、オリジナルレシピや健康情報を発信すると良いでしょう。
今は、とにかく情報があふれている時代です。わかりやすく、端的にまとめられた情報が手元に届けば、お客様もメリットを感じてつながり続けてくれます。感謝の言葉をいただけることもあるでしょう。すると、良い顧客交流の循環が回っていくはずです。
3. 目に入るあらゆる場所に顧客接点を設ける
「ショップカードは配って終わりにしないように」と、1. でお伝えしましたが、必ずその場で登録してもらうようにすれば良いわけではありません。急いでいるお客様に負担をかけたり、混雑しているのに登録促進の接客ばかりに注力して、クレームを受けたりしてしまっては本末転倒です。
快適な顧客体験と登録促進を両立させるには、登録したいと思ったタイミングで自ら行動を起こせる仕掛けをしておくことも重要です。その場で登録できない方には、後から容易に登録してもらえるよう、あらゆる場所に登録先へ遷移できる二次元コードを印刷しておきましょう。ここに例を挙げてみました。
- ショップカード
- カタログ
- チラシなどの配布物
- 商品パッケージの裏面 など
中には、ショッパーに二次元コードを印刷しているケースもあります。思いつくかぎり、顧客の目に触れるところに導線を設置しておくのは、アプローチとして有効です。
4. フィッティングルームに二次元コードを掲示する
アパレルのショップを展開する方が意外と見落としがちなのが、フィッティングルームの有効性です。フィッティングルームは貴重品も一緒に持ち込むため、ほとんどのお客様がスマートフォンをもっています。
試着をする際に目の付きやすい場所に二次元コードを貼っておけば、登録してもらえるチャンスを増やせます。プライベート空間だからこそのメッセージをつけて、アプローチしてみましょう。