SNSフォロワーから海外市場の可能性に気づいたら?
渋谷などの街中に足を運ぶと感じる、インバウンド観光客の戻り具合。日本政府観光局(JNTO)による「訪日外客統計(2023年9月推計値)」を見ても、2019年比96.1%の218万4,300人と堅調な数字を記録している。
このチャンスをどう生かすかによって、今後のビジネスの明暗は大きく分かれるといっても過言ではない。徳田氏いわく「日本文化が色濃い商材に限らず、メーカーやブランドのInstagramアカウントのフォロワー分布や問い合わせ内容によって、海外市場の可能性に目を向ける事業者も増えている」という。
「実は『Instagramフォロワーの●割が海外からアクセスしている』『購入代行での注文や、海外から購入方法についての問い合わせが増えている』といった動きから、『もしかして私たちにも越境ECで売れる可能性があるのでしょうか?』といった相談が、当社にも多く寄せられています」
ビジネスチャンスに気づいたのであれば、あとはそれをものにするまでだ。とはいえ、日本でのアプローチ方法も日々模索する事業者にとっては、越境ECで1からスキームを構築する時間がなかなか捻出できないのも実情だろう。そこで今回は、越境ECで月商100万を達成する手段を徳田氏が解説する。
購入手段確保時には、リピート導線の整備を忘れずに
まず、あなたが「越境ECをやりたい」と考えたきっかけはなんだろうか。「自社の商材が海外の顧客にも響く“はず”」といった漠然とした思考から来るものであれば、Instagramなどで海外向けのアカウントを立ち上げる、もしくは既存のアカウントの発信内容に英訳も追記するなどして、反響があるかを見定めるのが先決だ。
もし、そういった施策を行う以前から海外のフォロワーが増えている、もしくは購入に関する問い合わせがある場合は、海外購入に対応した「簡易的なECサイトを立ち上げるだけでもすぐに一定の成果が出る」と徳田氏は語る。
「商材にもよりますが、客単価1~2万円台のブランドであれば、SNSでECサイト開設の告知をすれば月商30万~50万円はすぐに達成できるはずです。Shopifyのベーシックプランでサイト構築をしていた場合、運用費は月額29ドル(日本円で4,000~4,500円程度)ですから、売上としては黒字化にも成功しています。
最初のステップで大事なのは、売上よりも『購入場所を提供すること』と『購入に導く工夫を施し、リピート導線の確保をすること』です」