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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

おさえておきたいEC・通販先進企業

国産PC販売大手のマウスコンピューターのECサイト改善策

 国産PC販売で大きなシェアを獲得しているマウスコンピューターは、直販ECサイトが盛況により、大きくそのシェアに貢献しています。同社がどのようなECサイト運営を行っているのか、どのような改善策が功を奏しているのかについて、詳しく解説します。

 国産のBTOパソコンを販売する株式会社マウスコンピューターは、業界トップクラスのシェアを誇っています。

 ゲーミングPC需要の高まりなどにより、BTOパソコンは以前よりも大きな市場へと成長しつつあり、同社はそんな需要拡大にも首尾よく応えられるような直販のECサイト改善に努めてきました。

 この記事では、そんなマウスコンピューターが取り組む自社ECサイトの改善策について、詳しく解説します。

株式会社マウスコンピューターの企業情報・事業内容の概要

 まずは株式会社マウスコンピューターの、基本的な企業情報について確認しましょう。

株式会社マウスコンピューターの企業情報

 以下の表では、株式会社マウスコンピューターの企業情報を簡潔にまとめました。

社名 株式会社マウスコンピューター
本社所在地 東京都千代田区大手町二丁目3番2号 大手町プレイス イーストタワー6階
設立年月 2006年10月2日
代表者名 代表取締役社長 小松永門
株式公開 非上場
資本金 1億円
おもなグループ会社 株式会社MCJ(親会社)

株式会社マウスコンピューターの事業内容

 株式会社マウスコンピューターの主な事業は、BTOのパソコン販売です。BTOは「Build To Order」の略称で、受注生産を指します。PCのさまざまなパーツを顧客の要望に合わせてカスタマイズし、完成した製品を納品します。

 用途に合わせた満足度の高いカスタマイズPCを、安心の国内生産で提供できる体制を整えていることが同社の強みであり、コストパフォーマンスの面でも高く評価されているのが特徴です。24時間のフルサポートで価格以上の安心のサービスを提供します。

株式会社マウスコンピューターの沿革

 以下の表では、株式会社マウスコンピューターの沿革をまとめています。

年月 沿革
1993年4月 創業者・髙島勇二がパソコン事業を立ち上げ
1998年

2月 マウスコンピュータージャパン株式会社発足 (有限会社タカシマより組織変更)

8月 有限会社エムシージェイ設立(2000年に株式会社へ組織変更)

1999年3月 300ドルPCとして話題を集めた「Easy-300」を発表
2001年4月 マウスコンピュータージャパン株式会社と株式会社エムシージェイを合併、存続会社を株式会社エムシージェイとする
2004年1月

ゲーミングブランド「G-Tune」開始

ハイエンド向けの「MASTERPIECE」、初中級向けの「NEXTGEARシリーズ」を展開

2006年9月

関西エリアへの法人対応強化のため大阪営業所を開設。モバイルECサイト開設

東京/秋葉原ダイレクトショップ2FにG-Tune:Garageをオープン

2010年1月 ユーザーサポート体制強化のためコールセンター業を自社化
2015年2月 店舗直営のサービスセンター「秋葉原サービスセンター」を設立
2016年1月

代表ブランド「マウスコンピューター」のブランド名・ロゴを刷新

「期待を超えるコンピューター。」をコーポレートメッセージに採用

国産品質を約束する標語「飯山 TRUST」を発表

創業以来初のTV-CMを公開

2018年2月 iiyamaブランドで5K対応液晶モニタ「ProLite XB2779QQS」を発売
2020年9月 日本eスポーツ連合(JeSU)とのオフィシャルPCサプライヤー契約を締結

 1993年にパソコン事業を立ち上げ、1998年に正式に株式会社となったマウスコンピューターは、当初より安価に購入できるオリジナルPCで世間の注目を集めてきました。2004年にゲーミングPCの「G-Tune」シリーズを発表しましたが、現在もトップクラスの人気を誇るモデルとして、多くのファンを有しています。

 2006年にはモバイル向けのECサイトも開設し、ガラケー(ガラパゴス携帯)時代からモバイルユーザーを積極的に囲い込み、小さなニーズも取りこぼさず顧客体験の向上に努めてきたことが分かります。

 同社は単にコストパフォーマンスに優れているだけでなく、サービス品質を高水準で維持することにも努めてきました。コールセンター業務は現在も自社で対応しており、オフラインでトラブルシューティングに対応できる店舗直営のサービスセンターも運営しています。

 2016年には初のテレビCM進出を果たし、2020年には日本eスポーツ連合のオフィシャルサプライヤーとなるなど、その存在感はますます大きくなっているといえるでしょう。

直販サイトの強化に努める株式会社マウスコンピューターの取り組み

 株式会社マウスコンピューターが堅実な成長を実現できた背景には、単にメディア露出やPCニーズの高まりがあっただけでなく、同社で独自に購買体験の向上に努めてきたことも考えられます。

 ここでは、同社が実践してきた自社ECサイトにおける改善施策に注目して、その内容を解説します。

PC初心者から上級者まで使いやすい、リニューアルされた自社ECサイト

 2021年3月、株式会社マウスコンピューターは自社の直販ECサイトを大幅にリニューアルし注目を集めました。大幅リニューアルの理由にあったのが、時代に合った適切なサービスを提供できないという技術的な課題に加え、顧客体験における課題を抱えていたことでした。

 つぎはぎのように機能を追加した結果、旧サイトでは処理が複雑化し、レスポンスが遅く今の時代に合ったスマートな購入体験は得られない状態だったのです。それを重く見た同社は、大幅な刷新により、初心者から上級者まで、誰でも気軽に商品を閲覧し、気に入ったものを購入しやすい設計を取り入れることにしました。

 「G-Tune」をはじめ、複数のPCブランドを有していることもあり、商品検索のしやすさや用途に応じたPCをユーザーに合わせて紹介するための機能は必須でした。ブランド名だけでなく詳細なスペックから目当ての商品を絞れるようなUIも採用しています。

 現在もリアルタイムでユーザーの行動履歴を収集しながら、訪問者の目に見える部分、見えない部分を問わず継続的な改善を続けているということです。

コンバージョン最適化プラットフォームの導入で変わったこと

 株式会社マウスコンピューターのEC改善の取り組みにおいてもう一つ注目したいのが、2023年2月にJAMU株式会社が提供するコンバージョン最適化プラットフォーム「Fanplayr」をECサイトに導入したことです。

 このサービスは、ユーザーの行動に応じて最適なポップアップやバナーを展開できる「Web接客」機能や、サイトを離脱しているユーザーに対しても、その状況に応じて最適なメッセージを送信する、「Webプッシュ通知」を実装できる点です。

 ECサイトは実店舗とは異なり、対面での接客ができないためリアルタイムの反応を見ながらレコメンドなどを行うことが難しいのですが、同社はFanplayrの実装により、ユーザー一人一人に最適な接客をECで実現し、より高いレベルの顧客体験を提供したいと考えています。

株式会社マウスコンピューターの最近の動き

 そのほか、株式会社マウスコンピューターの近年の動向について知っておきたいものを、ここで解説します。

商品検索ツールの「NaviPlusサーチ」を公式ECサイトに導入

 株式会社マウスコンピューターは、自社サイトにおいて商品検索ツールの「NaviPlusサーチ」を導入しています。商品検索の利便性を高められるこのツールは、多くのラインナップを備える同社のECサイトとの相性に優れ、商品の接触機会増加に大きく貢献しました。

 商品間の横移動を強力にサポートしたことで、購買意欲のあるユーザーのアップセルにおいて成果を収めています。

広告運用最適化サービス「アドエビス」の導入で効率的なコスト配分を実現

 株式会社マウスコンピューターは、検索流入やテレビCMだけでなく、効率的なWeb広告運用においても成果を挙げています。同社が導入している広告運用最適化サービスの「アドエビス」は、広告のパフォーマンスを客観的に評価し、効率的なコスト配分を実現するサービスです。

 サービス導入後、同社ではアフィリエイトを含めた各施策の貢献度を可視化できるようになり、ディスプレイ広告が、アクション喚起率に寄与していない状況を突き止めることができました。

 結果的にディスプレイ広告の予算を徐々に減らして停止し、ほかの広告に余った予算をアロケーションすることによって、20%の目標コンバージョン単価改善を実現しました。

新宿駅に公式店舗「新宿ダイレクトショップ」をオープン

 2022年3月、JR新宿駅西口から徒歩約3分場所にマウスコンピューター公式の実店舗「新宿ダイレクトショップ」をオープンしました。

 都内在住者はもちろん関東近辺・地方からもアクセスがしやすい新宿という立地により、これまで以上に同社の製品に触れてもらう機会を増やせることが期待されています。オンラインだけでは伝わらない製品の魅力を伝える、オフライン施策です。

株式会社マウスコンピューターの気になるトピックス

 以下では他にチェックしておきたい、株式会社マウスコンピューターのトピックスをまとめています。

2023年8月7日:G-Tune、「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル2024 in 東京」への協賛を決定~過去最大級のファンフェスティバルへ最新スペックパソコンでサポート~

 株式会社マウスコンピューターは、2024年1月7日~8日に東京ドームで開催される「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2024 in 東京(以下、日本ファンフェス)」へ、ゲーミングパソコンブランド「G-Tune」ブランドでの協賛を決定した。

2023年6月1日:パソコン製造工場で自分だけのパソコン作りに挑戦しよう!マウスコンピューター、「親子パソコン組み立て教室」を3年ぶりに長野県の飯山工場で開催!

 株式会社マウスコンピューターは、全国の小学6年生とその保護者様(2名1組)の親子ペア30組を対象にした「親子パソコン組み立て教室」を、長野県飯山市にあるマウスコンピューターのパソコン製造工場「マウスコンピューター飯山工場」で開催。

2023年4月12日:マウスコンピューター、創業30周年「新しいこと、マウスから。」~最初の新しいことは製品保証期間を3年に延長など~

 株式会社マウスコンピューターは、1993年4月にパソコン事業を始めてから、今年で創業30周年を迎えた。30周年コピーに「新しいこと、マウスから。」を掲げ、2023年4月より1年を通して、30を超える新しいことを実現していく。

2022年4月14日:マウスコンピューター、「福岡ダイレクトショップ」を「天神駅」から徒歩約5分の場所に4月28日移転オープン!

 株式会社マウスコンピューターは、「福岡ダイレクトショップ」を福岡市博多区から、福岡市中央区天神へ、4月28日(木)に移転オープン。

2021年10月1日:マウスコンピューター、四国大学及び四国大学短期大学部と包括連携協定を締結。地域発展、教育研究の充実、人材育成を目指す

 株式会社マウスコンピューターは、四国大学及び四国大学短期大学部(学長:松重和美、徳島市)と、包括的な連携協定を10月1日に締結した。

まとめ

 この記事では、株式会社マウスコンピューターが取り組む注目すべきEC改善施策について、詳しく解説しました。国産のBTOパソコンを高い費用対効果で提供できる点が強みの同社は、日本国内で多くのファンを抱えています。

 同社の魅力はコストパフォーマンスだけでなく、自社対応の安心なサポートサービスが受けられ、顧客体験の改善に努めている点にもありあす。今後のPC需要増加に伴い、さらに多くの顧客を獲得することとなるでしょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

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