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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

勝つD2C 注目ブランド大研究

フリマで3,000円でも売れなかった鞄ブランドがYouTubeでヒット 人気の理由はエンタメ性にあり


 今、注目したいD2Cブランドがある。地方の小さな下請け工場からスタートし、現在は4万人近いYouTube登録者数を抱えるまでになった「カワニシカバン」だ。都内でリアルイベントを開催するなど、着実にファンを増やしている。その根底には、商品ではなく「面白さ」を提供する考え方があった。

3,000円でも売れなかった鞄が1万円以上に

 「今応援してくれている顧客には、いつか『あのブランド、昔は全然ダメやった』といってほしい」と、株式会社カワニシカバンプロダクト 代表取締役 社長の川西功志氏は語る。

 香川県高松市に実店舗兼工房を構える鞄ブランド「カワニシカバン」。運営元であるカワニシカバンプロダクトは2015年に創業し、現在は社員数8名ながら実店舗に加えて自社ECサイトも運営している。元々は他社から鞄の生産を請け負う下請け工場だったが、2018年にオリジナル商品を開発し、直販として再出発した。

 同社が2022年4月に開設したYouTubeチャンネル「カワニシカバンの休日」は、約1年3ヵ月で登録者数3.65万人の規模に成長。2023年3月に公開した動画「安過ぎ!ユニクロのショルダーバッグをカバン職人が絶賛!!その秘密とは!?」は137万回再生を超え、現在も再生回数を更新し続けている(登録者数・再生回数ともに2023年7月時点)。同年6月にYouTubeで実施したライブコマースでは、最大238人が同時視聴した。

「安過ぎ!ユニクロのショルダーバッグをカバン職人が絶賛!!その秘密とは!?」
「安過ぎ!ユニクロのショルダーバッグをカバン職人が絶賛!!その秘密とは!?」より抜粋

 驚くことに、ライブコマースを含めたカワニシカバンのSNS閲覧者は、40代以上が大半を占める。50代・60代の閲覧も少なくない。川西氏は、「一般的に考えられているよりも、SNSを使っている50代・60代は多くいると実感している。ライブ配信をすれば、1人では対応しきれないほどコメントがくる」と話す。

 ライブ配信の内容は、商品の訴求ではなく川西氏との雑談が中心。SNSを通じて顧客とラフなコミュニケーションを取り関係を築いていく点が、同ブランドの大きな特徴だ。

 YouTubeの登録者数やライブコマースの参加者数だけを見ると、カワニシカバンは順調に認知を得て、事業を拡大してきたようにも思える。しかし、売上がまったく立たない時期も経験してきた。利益が出始めたのは、ごく最近だ。

「下請け工場時代は、数百円~数千円の加工代をいただいて1つの製品をつくっていました。当時、社員に十分な給料を支払えていなかったこともあり、2016年に思い切って加工代を30%上げたのです。それをきっかけに依頼が激減し、2017年4月にはまったく仕事がなくなってしまいましたね」

 このとき、川西氏の中には2つの選択肢が浮かんだ。オリジナル商品を開発して自社で売るか、加工代を元に戻し、これまでの取引先に頭を下げて再び仕事をもらうか。過去に古着屋で働いていたこともあり、「BtoCのほうがわくわくした」という川西氏は、「オリジナル商品を開発して自社で売る」という新たな道を選んだ。

 そこで、まずは試しに「Makuake」でカワニシカバンのオリジナル商品を販売すると、50点ほど売れ、約50万円の売上が得られたという。

「今考えれば、50万円分しか売れなかったのは成功とは言い難いです。それでも、40点納品して3万円ほどの売上を得る商売をしていた当時の僕らからすると、直販に大きな可能性を感じました

 こうして直販へ舵を切ったカワニシカバンだが、Makuakeでの販売以降は鳴かず飛ばずの状態が続く。看板商品である「abb(アベベ)」は、フリーマーケットで3,000円の値をつけても、買い手がいなかった。

 しかし、ブランド設立から6年経った今では、同じ商品を1万円以上で購入する顧客がいる。何がブランドとしての価値を押し上げたのだろうか。

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/13191 2024/01/11 14:34

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