チームEC初期段階で採用すべきはどんな人材?
「組織作りの基礎知識」についてお伝えした第1回に続き、今回はチームECを形にするにあたって「どのようなメンバーで構成すべきか」、メンバー目線での「キャリア構築に向けた意識の持ち方」や「目標設定」についてお話しできればと思います。
「チームでのEC運営を円滑にするにはどうすべきか?」といった質問は、StoreHeroにも常々寄せられています。「ひとりECで一定の売上を作っていたけれど、きちんと事業として確立させたい」「3人目、4人目の人材を採用して、チームとしての運営体制を築きたい」と考えた場合、どう採用すべきか悩まれている方もいるのではないでしょうか。
採用計画を立てる際に念頭に置くべきは、グラデーションです。たとえば、今2人で運営しているチームでリーダーを務めるあなたが、「自分に補いきれない広告領域をカバーしてくれる人材がいたら……」と考えたとします。そこで3人目に広告“のみ”のプロフェッショナルを採用することは、私はお勧めしません。なぜなら、こうしたフェーズでは領域をまたいだ協業が前提となるからです。
その領域の業務のみに専念するタイプのプロフェッショナルは、明確な役割分担のもと、各領域の施策を極めていく数十人クラスの大きなチームで活躍できるタイプです。数人でEC運営を行う場合は、あるチャネルだけに特化した人材を採用してもバランス良い施策展開が難しくなってしまいます。
貴重な人材を逃したくない気持ちも理解できますが、「その人自身にチャレンジの幅を広げたいという意思があるか」、「専門知識を活かしながら、より強いチーム作りに貢献してくれるか」といった視点からも、自社に適した人材かどうかを見極める必要があります。