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2024年8月27日(火)10:00~19:15

季刊ECzine vol.21定点観測

LTV向上の鍵を握るのは企業の魅力 顧客データを刷新し続けよ

 EC事業者がおさえておきたい13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。プラスアルファ・コンサルティングの山崎さんに、CRMについて聞きました。※本記事は、2022年6月25日刊行の『季刊ECzine vol.21』に掲載したものです。

メーカーがD2Cへ 顧客理解を深める動き

 D2Cへの新規参入や、もともとオフライン中心だったがオンラインでの展開を強化していこうとする企業が増え、オウンドメディアや独自ECサイトへのCRM/MAツール『カスタマーリングス』の導入が進んでいると言う。

「とくに顕著なのが、メーカー企業様のD2Cへの取り組みです。従来は流通小売を通して販売してきましたが、自分たちで顧客データを持ち、直接つながろうという動きが強まっています。ECにもすでに取り組んでいますが、どちらかというと受け身で、能動的に、自ら探してたどり着いてくださるお客様向けに場を用意していたというスタンスです。それを顧客データを活用し積極的に仕掛けていくことで、独自ECで繰り返し買っていただけるようにしていきたいという潮流が起きています」

 このような変化は、やはりコロナ禍をきっかけとした実店舗での売上減によるものだ。従来、メーカーECの取り組みのネックとなっていたのは、既存の流通のしがらみである。コロナ禍をきっかけに、そうしたしがらみが崩壊しつつあり、独自ECに力を入れることができるようになっている。

「従来の流通の仕組みでは、メーカー企業にとってのお客様は実質のところ、町の小売店でした。実際に商品を購入し使ってくださっている、エンドユーザーの消費者については、詳しく知るすべがなかった。今の流れは、メーカーが自ら直接顧客とつながり、きちんと顧客像を理解していこうというもの。DXやCXも、顧客理解を深め、良い体験を提供していこうという文脈ですよね。ものを作れば売れた時代は企業に主導権がありましたから、それほど顧客理解を深める必要はなかったのだと思います。しかしコロナ禍によって従来のビジネスの仕組みがうまくいかなくなり、直販に切り替え顧客理解を深めようという動きが、経営判断によってトップダウンで起きているのです」

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