SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Academy(イーシージン・アカデミー)とは、自社ECのプロフェッショナルの育成を支援する講座の総称です。ECzine編集部が企画し、基本となる「2日でわかるEC構築・運営基礎講座」ほか、その時々のトレンドをいち早く学んでいただけるようテーマ別講座をご用意しています。

12月13日-14日にアーカイブ配信決定!

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

  • 前回のECzine Dayのセッションの様子をレポート記事でお読みいただけます。

  • 過去開催時のイベントテーマをまとめてご覧いただけます。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2023 Summer

2023年6月14日(水)10:00~16:10(予定)

「季刊ECzine」とは、年に4回、EC業界の重要ポイントだけをまとめてお届けする紙の雑誌です。ECの最新トレンドを取り上げた「特集記事」のほか、重要なトピックスに関する知識を上書き保存する「定点観測」、EC業界のニュースや記事を振り返るコーナーなど、自社のECビジネスを俯瞰していただく際のヒントになる内容が満載です。 ※諸般の事情により、2023年春号(vol.24)をもって休刊となります。

季刊ECzine

2022年冬号(vol.23)
特集「Social merges with OMO~垣根なきコマースを実現する発想とテクノロジー~」

「季刊ECzine」購読者なら
誌面がウェブでも読めます

[ECzine Press Summer 2022]CXのプロ3社に聞く!DX時代のCX(PR)

消費者と企業の満足度にミスマッチ!? 調査データから読み取るDX時代のCX向上施策とは

 顧客体験(CX)が企業の業績に大きく影響を及ぼすようになる一方、人的サポートのリソース不足や負担増大などが大きな課題となっている。その課題にあたり、デジタルテクノロジーの活用が期待されているが、十分に機能しているとは言い難い。DXはCXをどのように変えていくのか、どう変えるべきなのか。クラウドCXの米国・NICE Ltd.の日本法人であるナイスジャパン株式会社が、2021年4~5月に実施した「CX(カスタマーエクスペリエンス)に関する意識調査」を踏まえつつ、ナイスジャパン株式会社 安藤竜一氏、アビームコンサルティング株式会社 竹谷伸一氏、株式会社NTTマーケティング アクトProCXの米林敏幸氏が鼎談を行った。

消費者が求めるチャネルと企業が提供するチャネルのミスマッチ

安藤 消費者が求めるチャネルと企業が提供するチャネルにミスマッチが生じているという肌感覚はありましたが、実際に2021年4~5月にナイスジャパンが行った「CXに関する意識調査」で、その傾向が明らかになりました。消費者が企業に問い合わせする際に普段利用するチャネルとして、「ウェブサイトのQ&A」「ウェブ問い合わせフォーム」の順で回答しており、ウェブページを軸にしていることがうかがえます。一方、企業が提供しているチャネルは、「ウェブ問い合わせフォーム」では約10%、「ウェブサイトのQ&A」では約17%も差が生じており、十分に対応できているとは言えません。

消費者が普段利用している、企業側が用意していると回答した問い合わせチャネル
消費者が普段利用している、企業側が用意していると回答した問い合わせチャネル

  この調査結果を踏まえ、消費者に満足度をヒアリングしてみると、「ウェブサイトのQ&Aでは問題が解消されなかったため、コンタクトセンターに電話をしている」という回答が多く得られました。実際、ウェブサイトのQ&Aの満足度は低く、コンタクトセンターの満足度が高い。企業がコンタクトセンターを重要なチャネルだとして力を入れるのは良いことですが、消費者が求めているウェブサイトのQ&Aが十分に効果を発揮できていないのは課題だと考えています。このミスマッチの解消は、ナイスジャパンが取り組むべき課題と認識しています。

問い合わせチャネル別企業と消費者が感じる「わかりやすさ」
問い合わせチャネル別企業と消費者が感じる「わかりやすさ」

竹谷 実際にプロジェクトにかかわる立場から見ると、ウェブサイトのQ&Aに関する問題はふたつあると思っています。ひとつは「ページがどこにあるのかわからない」「用意されているコンテンツが検索しにくい」など、消費者インターフェースや動線の問題。そしてもうひとつは、「消費者が知りたいことが掲載されていない」というコンテンツの問題です。これらが整えられているウェブサイトのQ&Aは、効果測定もきちんと行われています。つまり、ウェブサイトのQ&Aの充実には「効果を測定し、運用し続けること」が欠かせないのです。

  ウェブサイトのQ&Aを制作すること自体は、それほど難しいことではありません。しかしながら、効果測定を行い運用し続ける負担が大きく、なかなか実行に踏み切れない。それが「消費者が求めているのにウェブサイトのQ&Aが充実できていない」というミスマッチが生まれている理由です。改善のためには、デジタル化や自動化によって運用負担を軽減させるアプローチが必要だと考えています。

米林 加えてCX向上で悩ましいのが、消費者接点がウェブサイトだけに限らないことです。従来の店舗やコンタクトセンターはもちろん、スマートフォンの普及に伴ってSNSやチャットなど、チャネルのオプションが急増しています。どこから問い合わせるかは消費者次第で、企業側からは指定しにくい。「どこから来ても対応できるよう改善を続けることが必要」と言われますが、そう簡単な話ではないでしょう。実際、FAQをエクセルで管理しているために、チャネルごと対応に齟齬が生じているところも少なくありません。

  全社的なCX向上のためには、新たなチャネルにも柔軟に対応できる体制を整え、寄せられた問い合わせに都度対応するだけでなく、そこで得た情報をカスタマーサービス全体の共通データベースに蓄積し、かつマルチチャネルで活用できるようになることが重要です。応対だけでなく、botやカスタマーサクセス、オンボーディングなどでも、良いタイミングで能動的に適切なFAQを出せるようになり、さらには顧客満足度がどのように向上したのか、チャネルを横断してデータを取得できるようになることが望ましいですね。

全社的にCXを向上する 有人&無人サービスの最適配置を考える

安藤 企業にとって、消費者の情報を収集する機能としてコンタクトセンターは非常に重要であると考えられ、力を入れており、消費者からの満足度も高い。しかしそこで満足して終わってはいけない。コンタクトセンターで得たナレッジやデータを、他のチャネル、そして企業全体としてのCX向上に活用できるはずです。

米林 満足度が高いのは、デジタルでの対応が増加し人々が素っ気なさを感じる中で、あえて人が応対するという価値が評価されているのだと思います。会社の窓口の最後の砦として、不満足を満足に変えられる存在なのでしょう。さらに、店舗が数人の知見・経験で応対するのに対して、コンタクトセンターは全社のナレッジが集められていると表現しても過言ではありません。だからこそ、コンタクトセンターに蓄積する情報が、店舗や各部門に共有できれば、全社的なCXの底上げがかなうでしょう。

竹谷 人材不足やコスト面からも、有人から無人のサービスにリソースを振り分けざるを得ないため、セルフサービスのレベル向上は大きな課題です。もちろん人の代替にはなりえないので、人が担う部分との連携をデザインすることがカギになります。たとえばチャットボットは、その前に見ていたFAQを踏まえてコンテンツを表示し、それでも解決が難しい場合はその情報とともに有人サービスにつなぐという使いかたができます。単にツールを導入するのではなく、デジタルと人の連携を設計することが必要です。これについても特効薬はなく、消費者層やニーズなどによって適切な動線を見出し、データを分析しながら試行錯誤するほかないでしょう。

安藤 「人に寄り添う」チャットボットは理想です。チャットボットからは企業側の都合が透けて見えることが多く、“振り分け”のために設問を置いているだけのものも少なくありません。その結果、設問の階層が深いばかりで最終的に何も解決できず、満足度を低下させていることが多いですね。

なお、「問い合わせ業務におけるスムーズな対応」について消費者と企業に満足度を尋ねた調査によると、企業側は「だいたいスムーズにできている」と評価しているのに対し、消費者側は「とても満足している」と「まったく満足していない人」の割合が企業に比べて高い。よりシビアにジャッジしていることがうかがえます。とはいえ、すべてのチャネルや問い合わせの目的が合わさっての評価ですから、何をもって「スムーズに対応したか」は、もう少し分析する必要がありますが。

米林 消費者が何を求めているかを把握することは、チャネルを設計する上で重要なポイントです。すぐに人につな消費者が何を求めているかを把握することは、チャネルを設計する上で重要なポイントです。すぐに人についだほうが良い場合もあれば、たとえばパスワードの再発行のようなものはRPAで自動化したほうが消費者も助かるでしょう。満足という評価についても、内訳は「親身になってくれた」「早かった」「丁寧だった」など状況によりさまざまです。たとえばメール文面の半自動化についても、人が介在する「丁寧さ」を担保できるのであれば、うまく価値を提供できるでしょう。何を求められているのかを的確にとらえ、設計する必要があります。

竹谷 作業効率化や知見の共有などさまざまな施策がありますが、それをいかに活用するかは人でなければ判断できないですからね。ざっくりとした分類ではありますが、パスワードの再発行など『案内系』は自動化、トラブルシューティングなど複雑な『相談系』は人が担うといった具合でしょうか。もちろん『相談系』も一定体系化して、初心者でも一定レベルの品質で対応できるようにするなど、デジタルが効果を発揮できる余地は大いにあります。

米林 当社の場合は、「コンタクトリーズン」をVOC分析によって、企業と顧客の重要度を2軸とする4象限にマッピングし、顧客にも企業にも重要なことは人が応対、どちらにも軽い内容ならセルフサービスでという切り分けかたをしています。とはいえ、意外と真のリーズンとして「なぜ」が不明なことも少なくありません。その場合は、たとえば項目づけのセンスも必要ですが、コンタクトセンターのスタッフが聞いてはじめて判明することも多いです。そこに人が介在する意味があると思います。

問い合わせ業務におけるスムーズな対応について、企業と消費者の評価の違い
問い合わせ業務におけるスムーズな対応について、企業と消費者の評価の違い(クリックすると拡大します)

「顧客のために何をどうしたいのか」 目的ありきのデータ管理・分析を

安藤 企業の顧客分析の状況を尋ねた調査結果もあります。しかし、分析を「実施できている」と言っても、形骸化している企業は少なくない。竹谷さんがおっしゃる「チャネルのデザイン」も、米林さんがおっしゃる「チャネル連携による全社的なCX」も、顧客分析とそのためのFAQデータの一元化がファーストステップになると思います。その結果、常にデータベースに対してフィードバックがかけられ、新しい状態であることが望ましいですね。 金融系の企業様には、FAQがナレッジマネジメントデータベースとしてクラウドで一元管理されている例が出てきていますが、誰がどうイニシアチブをとって運用・更新していくかすら決まっていない企業がほとんどです。調査結果によれば、8割の企業が顧客分析が「必要」、5割が「実施できている」と回答していますが、「何のために」「誰が」「何を」分析するのかまでは、なかなか答えられないのではないでしょうか。

米林 どの部署がイニシアチブを取るのか、実際の運用を行うのかといったことに悩んでいる企業も多いです。たとえば、FAQのデータベースがあったとして、そこから消費者自身に欲しい情報を検索してもらうことは難しいため、企業側がニーズを予想し、抽出しやすくする必要が生じてきます。ならばイニシアチブをとるのはマーケティング部門が適しているように思いますが、従来の役割分担では難しいでしょう。各部門が連携して取り組むという合意形成、目的の共有化が必要だと思います。

竹谷 顧客の声はコンタクトセンター、ウェブ関連はマーケティング、コンテンツはサービス部門といった具合に担当分けし、その上でデータベース上で密に連携する仕組みができているところはFAQの運用がうまくいっていますね。うまくいっていない場合は、ホームページ担当者が年に一度更新する程度で、消費者のニーズに応えられないウェブサイトのQ&Aが出来上がります。

米林 体制のほか、マインドの問題も大きいですね。データ統合や分析は時間がかかる一方で、コンタクトセンターはとりあえず人が頑張りさえすればCS(顧客満足)は上がる。そのためCX向上へのデータ活用や全社的な取り組みがうやむやになるケースも多いです。しかし、それでは本質的な解決には至りません。そもそもコンタクトセンターは「お客様のために」という目的で開設されたはずです。それがいつの間にか、ある時期に設定されたKPIの達成が目的に変わり、ルーティンワークをこなすだけになっている。新しい取り組みは「自分の範疇ではない」と進まないわけです。

安藤 KPIの形骸化はとても残念ですよね。CX向上という共通の目的意識をもって取り組もうとする社内のムーブメントを、顧客に近いコンタクトセンターが中心となって牽引できると望ましいのですが。 竹谷 そう思います。よく経営層の方が「現場の巻き込み」といった言いかたをされますが、現場からの「経営の巻き込み」が大事なんですよね。経営層は「巻き込まれ」る立場というか。

米林 巻き込まれないのは、経営層に顧客意識が希薄だからではないかと感じます。実際に現場に立ち、消費者に接しているトップがどれくらいいるのでしょうか。現場の肌感覚を得てもらうことが大事です。たとえば、先ほどの調査結果にあった「スムーズな対応ができていない」場合、A属性にはA対応、B属性にはB対応をしていこうといった割り切り型の対応になりがちですが、シンプルに行動からトラブルを捉え「リーズン」に対応していかなくては満足度は上がりません。トラブルをしっかり把握すること、対応する窓口をきちんと準備しておくことに尽きるのですが、その最適解は消費者起点で考えなければ出てきません。

竹谷 シンプルですが、それが欠けていると顧客満足度が頭打ちになりますよね。しっかりとデザインされていて内容も良いのだけれど、消費者の行動に合っておらず伝わっていないこともよくあります。現状も含めて分析をきちんと行い、施策の改善につなげることが大切です。なお、たとえばプッシュで「よくある質問」を送ったり、「お問い合わせ」にすべてのチャネルを記載したり、「○日後にお返事します」と状況を伝えたり、消費者の行動と気持ちに沿う施策の知見は貯まっています。そのあたりはぜひ、外部のプロフェッショナルに頼っていただければと思います。

顧客分析について企業に「必要か」を尋ねた結果8割が「必要である」と回答
顧客分析について企業に「必要か」を尋ねた結果8割が「必要である」と回答(クリックすると拡大します)
画像を説明するテキストなくても可
顧客分析を「行っている」と回答した企業が過半数

クラウド化が好機!継続的改善が可能なプラットフォームへ

安藤 課題はさまざまありますが、現実的にはCXのDXをどのように進めていくべきなのか、お考えをお聞かせいただけますか。

竹谷 分析に用いるインフラのリプレースはひとつの好機だと思います。変化に対応し続けるためクラウドの利用は必須で、その選択が出発点になるでしょう。システムを「どう使えば良いのかわからない」といった状況に陥らないよう「目的」をしっかりと見定める必要があります。そのためには、これまでお話ししてきたような「スムーズな対応」や「満足度」などの調査で“現状”を把握し、そのうえで「こうなりたい」と目標を定めることです。そして、その差分を1つひとつ解決していく。アイデアベースで進めていくこともあれば、体系的なアプローチが必要なフレームワークの改善が求められることもあります。システムありきでなく、消費者の反応を見てユースケースとして考えることが重要で、そのあたりの知見は外部を利用するのがベターだと思います。

米林 あるべき姿と現状の差分を的確に把握することは重要ですよね。VOC分析を行っているつもりでも、プロから見ればできていないに該当する場合もある。KPIの形骸化の話が出ましたが、目的なくルーティンで調査や分析を行っていては、そのデータの使い道がないのです。「とんでもない目からウロコ」の結果を期待されることもありますが、皆が何となく感じていることの可視化となる場合がほとんどで、直視できていない側面が見えてくれば良いほうです。リーズンを踏まえた改善を継続することが重要だとご理解いただきたいですね。

安藤 インフラ同様に、CRMシステムのリプレースが顧客分析の導入機会となることも多く、ムーブメントとしては良いと思います。一方で、米林さんがおっしゃったような誤った期待をされることも多いです。システムを刷新するだけでは、分析内容や施策が刷新されるわけではないのですが。

竹谷 DXの視点では、CRM分析においても目的に応じた範囲を意識することが重要でしょう。米林さんもおっしゃるように、コンタクトセンターの範囲の分析は、現場の方が肌感覚で知っていることが可視化される程度でしょう。全社的なCXに目的を広げるのであれば、店舗やウェブ、配送など、顧客のカスタマージャーニーを捉えて可視化することが必要になります。そこからペルソナを類型化してコミュニケーションをデザインしたり、営業戦略や商品開発に役立てる。さらに「ビジネスの種」を探るという目的になれば、また違う設計が必要です。

米林 「分析すること」ではなくて、「何のためにどうアクションするか」ですよね。コンタクトセンターならざっくり目的は3つ、まずインバウンドにはチャネル横断で履歴を把握して応対できるようになること。ふたつめは過去の傾向から本当の意図やニーズを推し量り、たとえばクロスセルなどパーソナルな提案・対応につなげること。そして、セルフサービスについてもエフォートレスな応対を実現することでしょうか。そうした施策について、アナリストだよりではなく、自分たちで分析が行えれば、コンタクトセンターの仕事はもっとおもしろくなるでしょう。分析への苦手意識を乗り越えるお手伝いができたらと思います。

働きがいのある新しいコンタクトセンターに変えていく

安藤 ナイスジャパンでは、コンタクトセンターの皆さんの力になりたいと考えています。CX業界では人材不足が徐々に顕著になっていて、定着率も悪化しています。その結果、 1人ひとりのオペレーターへの負荷が大きくなり、十分なスキルが育つ前に現場で対応せざるを得なくなり、離職するという悪循環が生まれています。 これを改善するには従業員満足度の向上が重要で、負荷の軽減とやりがいですよね。やりがいについては、消費者の満足度が上がることが直結しているため、そのためにテクノロジーやソリューションが活用できないかと考えています。

米林 究極的には、「負担が少なく稼げる」「人の役に立ったことに喜びを感じられる」の2軸だと思います。参考になるのは、SaaS系のカスタマーサクセスの方々の仕事ぶりですね。マーケティングやPRや、ともすればクロスセル提案やコミュニティの運営まで、役割を越えて柔軟に働いている。それが会社の成長にも直結していて、やりがいや収入につながっているわけです。それができるのは、データ連携・活用のプラットフォームが社内にあるからです。一朝一夕にはかなわなくとも、まず意識の面で、消費者をサポート、そしてサクセスに導く存在として幅広く対応し、会社をより良くしていくという気持ちを持つことでしょう。コンタクトセンターのスタッフへの評価の仕方も変わるべきで、そこもデータドリブンになることが望ましいと思います。

竹谷 コンタクトセンターが企業価値を高めたら、その分を還元する発想は大切ですね。そのためにはどう振る舞えば、CSが上がり、売上があがり、会社に貢献できるのかをデザインする必要があります。たとえば、従来のコンタクトセンターでは電話を取って問題解決を行った件数で成績評価をしていることが多いです。すると、できるだけ簡単な問い合わせばかりに集中して、難しくてクリティカルなものほど放置されてしまう。こういったKPIの形骸化を是正する必要があるでしょう。例に上がったSaaS系のカスタマーサクセスのように、目的を認識してもらって業務に幅を広げたり、将来的な成長のマイルストーンを示したりということが大切だと思います。組織もピラミッド型が多いですが、1人ひとり異なるキャリアプランがあっても良いと思います。一定の裁量を与え、さまざまなチャネルを駆使できるようにして、顧客と自由にコミュニケーションができるようになるだけで、モチベーションが高まるのではないでしょうか。

米林 まさにそうだと思いますね。さらに、テクノロジーにより新しいプラットフォームが整えば、たとえば遠隔で子育て世代や地方在住者、ワーケーション希望者など、新しい働き手を確保できるでしょうし、デジタルネイティブ世代の強みを活かした新しい形のサポートができるかもしれない。そこまでやるには新しい部署を立ち上げて、従来型と切り分けて組織をつくるなどの工夫は必要かもしれませんが。 竹谷 そこはちょっと当社でも実験してみたいですね(笑)。おっしゃるように新しい世代のケイパビリティを持つ人たちだけの新しいサービスにも挑戦できたらと思います。

安藤 おふたりとお話していると、コンタクトセンターの新しい可能性が広がっていくようで、私としてもワクワクします。従来のコンタクトセンターを活性化するのも、新しい形のコンタクトセンターを創出するのも、やはりデータの分析・利活用がカギになるのは間違いなさそうです。ナイスジャパンとしても、パートナーの皆様の協力をいただきながら、日本の多くの企業の新しいステージとしての「CX=Customer Experience」を提供できればと思っています。本日は誠にありがとうございました。

オペレーターの作業負荷について約6割が「高い」と回答
オペレーターの作業負荷について約6割が「高い」と回答(クリックすると拡大します)
オペレーターの作業負荷が高くなってしまう原因
オペレーターの作業負荷が高くなってしまう原因(クリックすると拡大します)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/11359 2022/11/30 16:23

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2022年8月30日(火)10:00~16:10

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング