OMO推進のエドウイン 「ZETA SEARCH」でECサイト内での店舗情報検索が可能に
株式会社エドウインは、自社ブランドEDWIN、SOMETHINGを中心に、ライセンスブランドLee、Wrangler、ALPHAなどのブランドを展開するアパレルメーカーだ。販路の中心はジーンズ専門店やセレクトショップなどへの卸売だが、最近ではECサイトの運営に力を入れており、2022年は直営店やアウトレット店舗も巻き込んだ販促にも取り組み、実店舗の売上も強化していく方針である。このような方針のもと、同社の公式ECサイトである「EDWIN ONLINE MALL」はどのような役割を担っているのだろうか。
EC事業のシステム運用担当であり、デジタル施策について店舗とのコミュニケーションの橋渡し役を担うエドウイン 森下広也氏はこう語る。
森下(エドウイン) ECサイトは商品を売るだけの場ではなく、ブランド、商品を認知していただく場でもあると考えています。ジーンズはサイズをはじめ、素材やシルエットなどに詳しくない方がインターネット上の情報だけで自分に合った商品かを判断して購入するのは難しいアイテムです。そのためジーンズを購入するハードルを下げるひとつの手段としてブランド直営店舗をぜひ活用していただきたいです。
まずは履いてみたいジーンズをECサイトで探し、お好みの商品が見つかれば、その商品ページからお近くの店舗を検索し、商品を手にとって見ていただける店舗へ送客することができればと考えております。ジーンズのことを熟知したスタッフの接客を体験することにより、お客様もジーンズのファン、ブランドのファンになっていただけると嬉しいです。OMOの段階にまでは至っていませんが、ECと店舗の垣根をなくし、どこでも納得感の高い買い物体験ができるようにしていきたいです。
お客様にとって使い勝手の良いサイトは、コンバージョンしていただきやすく、繰り返し使っていただけるようになりますよね。そのためにもレスポンス改善のための取り組みは、どんどんやっていきたいです。今回、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入させていただいたのも、その取り組みの一環です。
数あるサイト内検索エンジンの中で、エドウインが「ZETA SEARCH」を導入したのは、何が決め手になったのだろうか。
森下(エドウイン) もっとも大きいのはレスポンスです。新商品の発売やセールのタイミングでは、一気に商品が増えます。商品が大量にある状態で、お客様にその情報をどうご覧いただくかを考えると、サイト内検索は重要な役割を担っています。従来のツールでは、私たちもロジックをきちんと把握できていなかったのですが、検索結果の表示は「新着順」が大半を占めていました。お客様が探したい軸での検索をいっそう実現したいとの考えから、リニューアルを検討しソリューションを探し始めました。
いくつかソリューションを探すうち、自由度の高さやレスポンスの速さから「ZETA SEARCH」が有力候補となり、ベンチマークにしているアパレル企業のECサイトでも導入されていることが決め手となって導入に至った。
森下(エドウイン) リニューアルにあたり、開発コストが限られていたためサイト構築を担当するECベンダー側での改修が、極力発生しないようにZETA様側でご対応いただけたこと、また、従来のツールで私たちが把握しきれていなかった仕様についても一緒に確認していただけたことが心強かったです。改めてアクセス解析をしてみると、FAQのようなお客様からのご質問や店舗の場所などの商品以外の検索が多いことがわかってきました。冒頭でもお話ししたとおり、店舗とECの垣根をなくしていくことを目指しているため、「ZETA SEARCH」にリニューアルしてからは商品情報だけではなく、店舗情報やご質問についても検索でヒットするようになっています。
出張(ZETA) 従来提供していたサービスを継続することは大前提として、極力スムーズに乗り換えを行いたいというご要望をいただきました。ZETAでは乗り換えをしたいというご要望をいただくことが多く、社内でも知見が貯まっております。また、ECサイトでは、返品の方法といったFAQや最寄りの店舗情報の検索は意外と頻繁になされています。そこで検索して情報がヒットしないと、お客様にとっては不信感につながりますから、きちんと検索結果でお返しすることが重要だと考えています。
検索結果表示速度が22.8%改善! 販促で流入増加時もCV率上昇
導入により、どのような成果につながったのだろうか。検索結果ページの切り替えを行った2021年11月1日〜2022年3月31日の5ヵ月間と前年同期間で比較してもらった。
森下(エドウイン) 検索結果ページの表示速度が22.8%改善され、検索結果ページの表示回数は11%増加しています。また、キャンペーン施策の強化などを含めたサイト全体での成果ではありますが、コンバージョン率が約35%アップしています。「ZETA SEARCH」導入により検索レスポンスが改善され、商品を探しやすくなったことが大きく寄与しているととらえています。プロモーションを積極的に行うと流入数は上がるもののコンバージョン率が下がることが多いのですが、導入後にプロモーションを強化した期間ではコンバージョン率が下がることなく上がったのは大きいですね。
さらに、CSチームからは「商品が見つからない・探している情報が見つからない」などのお問い合わせが減ったと聞いています。探しやすくなった分、FAQページをご覧いただいてお客様ご自身で解決いただける機会が増えたのではないかと考えています。
高機能で知られる「ZETA SEARCH」は、知見・ノウハウを持つエンジニアがチューニングを行うことで、導入後も継続改善するほか、ユーザー企業の運用負荷を軽減するのが特徴だ。
松本(ZETA) 検索結果が0件となってしまう「0件ヒット」を防ぐべく愚直に改善を続けています。たとえば「EDWIN(スペース)デニム」のキーワードで検索するとヒットするところ、「EDWINデニム」とスペースなしで検索するとヒットしなかったり表示される検索結果の件数が異なるケースや、「黒」と「ブラック」で検索結果が異なる、といったゆらぎへの対応を行っています。カラーやトレンド用語などアパレルで重要となる検索キーワードに関する知見・ノウハウを豊富に持っておりますので、継続的に改善のご提案をしております。
他にもユーザビリティ改善のため、ユーザーの声をアンケートなどで取得し、優先順位が高いと判断したものから、順次対応を進めている。
井上(エドウイン) はじめてサイトを訪れた場合には、検索機能の使いかたが難しいと考える方もいらっしゃるかもしれません。「このように検索するとヒットしやすいですよ」といった、初心者向けの使いかたページを作るなどして接客していきたいですね。
出張(ZETA) たとえば「このキーワードで検索した方は、他にこんな検索もしています」といったサジェストを出すなど、検索初心者の方にも使いやすくするアイデアはいくつかあります。最近はスマートフォンでの利用が増えていますから、いかにタップ回数を減らすかが重要になってきます。できるだけ少ない回数で欲しい商品や情報にたどり着くことが可能なサイト作りについてもご提案していければと思います。
サイト内検索データをお悩み解決や販促アイデアにも活用
ECサイト内での検索結果のデータ分析を行うことは、サイト運営にとっても有益なことだ。ユーザビリティを向上させるほか、販促にも活用できる。
大井(ZETA) たとえば今なら、骨格診断によって「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」といったタイプ分けをすることが流行っており、「骨格ストレート」「骨格ウェーブ」といったキーワードが、アパレルECサイトでは頻繁に検索されるようになっています。このように流行りの検索キーワードをキャッチし、それにあわせてご提案するようなランディングページを迅速に作っていくことも売上アップには有効かと思います。
森下(エドウイン) 2020年11月にECサイトを大幅にリニューアルしました。メイン商材がジーンズであることもあり、リピーターのお客様の大半は購入頻度が1〜2シーズンに一度となっています。久しぶりにサイトをご利用になった方は、サイト内の構成が変わっており困惑されるかもしれません。頻繁に検索されるキーワードに合わせてFAQや特集ページを作成し、お客様が求めている情報をご案内できるよう対応をしていけたら良いと思います。
アパレルECサイトにおけるユーザーの悩みのひとつが「サイズが自分に合うかわからない」だ。頻繁に利用しているブランドならまだしも、新規で利用する場合は「Mサイズ」などと表記されていても、必ずしもしっくりくるとは限らないのが悩みどころだろう。ウエスト、ヒップ、丈など、気になるポイントが多数あるジーンズであればなおさらだが、その解決策もZETAでは用意していると言う。
出張(ZETA) たとえば身長175cmの方の「ぴったりだった」とのレビューが商品詳細ページに掲載されていることは、お客様にとっても有益で、サイズ感への不安を払拭する施策のひとつになるかと思います。まして、店舗に足を運ぶことができなくなる状況がいつ訪れるかわからない世の中です。商品を手に取って確かめたり試着したりすることが難しい場合にも、レビューはお役に立つのではないでしょうか。当社が提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」では、収集したお客様の声がきちんとサイト内検索からもヒットする仕組みになっており、将来的にはこちらもご活用いただけるのではないかと考えています。
このようにECサイトのユーザビリティ改善施策にもさまざまあるが、2022年度の最優先施策はOMOの推進だ。
森下(エドウイン) 今期中に、ECサイトへの店舗在庫表示から店舗取り置きまで実現したいところです。最近では多くの方がECに慣れ敷居が下がりましたが、住所などの個人情報を入力し会員登録して購入するのには、まだまだ抵抗を覚える方もいらっしゃると思います。それに対し、店舗でスタッフが直接接客し、「会員登録をしていただくとポイントが貯まりますよ」といった案内をさせていただくと、会員登録のハードルが下がることがわかっています。店舗から助けてもらっている分、ECサイトからも店舗に送客して貢献するなど、OMOの仕組みは早めに実現したいと考えています。
▼ZETAが提供するECマーケティング・リテールDXを支援するソリューション「ZETA CXシリーズ」の資料は資料ダウンロードページよりダウンロードいただけます。