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ソーシャルコマースとは?利用するメリット・活用事例・注意点

 ソーシャルコマースはEコマースとSNSを組み合わせたマーケティング手法のことで、商材を販売する目的で活用できます。今回は、ソーシャルコマースの基本的な特徴やメリット、どのような使い方をしていくべきかを紹介します。

 ソーシャルコマースは、ソーシャルメディア(SNS)とEコマースをかけ合わせて、商品やサービスを販売する仕組みのことを指します。SNSをファンとの交流やブランドの認知度を高めるためだけに用いるのではなく、「購入」にまで踏み込んでとらえていくのがソーシャルコマースだといえます。

 この記事では、ソーシャルコマースの基本的な特徴やオンラインショップとの違い、活用事例などを解説します。

ソーシャルコマースとは?オンラインショップとの違い

スマートフォンでSNSを利用する女性

 ソーシャルコマースについて正しく理解するには、まずは基本的な特徴をおさえておく必要があります。市場規模の拡大やオンラインショップとの違いなどを踏まえて、ソーシャルコマースが持つ特徴を理解してみましょう。

ソーシャルコマースの基本的な特徴

 ソーシャルコマースとは、InstagramやFacebookなどのSNSとオンラインショップを組み合わせた販売チャネルのことです。SNSの投稿画面から商品の購入ページに移動してもらい、そこから販売を行う手法のことで、SNSから直接的にユーザーのアクションを引き出せる点に特徴があります。

 従来のSNSにおけるマーケティングは、どちらかといえば認知の拡大やブランドイメージ向上などをおもな目的としており、実店舗やオンラインショップに集客するためのステップとして活用されていました。

 しかし、現在ではSNS上で公式アカウントを持つ企業とユーザーが相互的にコミュニケーションを図る機会も増えつつあります。 そうしたなかで、SNSからショップに移動する手間を省略し、より直接的に商品の購入ができるような仕組みとして、ソーシャルコマースが導入され始めているのです。

市場規模の拡大

 経済産業省の調査によれば、2020年の物販分野におけるEC化率は、BtoC-ECで8.08%(前年比1.32ポイント増)、BtoB-ECで33.5%(前年比1.8ポイント増)といずれも増加傾向にあります。特に巣ごもり需要による物販系分野の伸び率は高く、今後も商取引の電子化は引き続き進展していく見込みです。

 当然ながら、商取引の電子化が加速すればインターネット上での商品販売のチャネルも拡大していきます。コミュニケーションツールとして扱われていたSNSも例外ではなく、マーケティングにおける重要性が高まっていると言えるでしょう。

オンラインショップとの違い

 すでに自社のオンラインショップが充実している場合、無理に新たな仕組みを導入する必要はないと考える方もいるでしょう。しかし、ソーシャルコマースはオンラインショップの単なる発展形ではなく、大きく異なる性質を持ったシステムだといえます。

キャッチボールのイメージ

ユーザーと双方向のコミュニケーションを図ることができる

 ソーシャルコマースとオンラインショップの違いのひとつとして、ユーザーと「双方向のやりとり」が行える点が挙げられます。

 オンラインショップの場合、自社からの一方的な情報発信が主流になりがちです。そのため、ユーザーは企業から発信された情報に受け身で触れることとなります。

 問い合わせなどの形でユーザーも意見を届けることはできるものの、コミュニケーションのテンポは遅く、やりとりも閉鎖的になりがちです。

 一方、ソーシャルコマースではユーザーとの最初の接点が「商品を購入する場」ではなく、「コミュニケーションをとる場」であることが特徴だといえます。商品やサービスの存在を知ったユーザーは、気になることをSNS上で企業に直接尋ねることができます。

 企業とユーザーが近い距離で関わることで親近感を抱いてもらいやすく、商材だけでなくブランドそのものに愛着を持ってもらえる可能性もあります。自社のファンになってもらえることで、リピーターを獲得しやすくなるのがソーシャルコマースの特徴です。

 一度商品を購入して終わりという関係ではなく、SNSを通じて継続的にコミュニケーションをとることで顧客の囲い込みができ、良好な関係を築きやすくなります。

ユーザー同士のやりとりによる認知度向上が期待できる

 もう1つの違いは、「ユーザー間でのやりとり」を期待できる点にあります。SNSはユーザー個人の興味や関心に基づいたコミュニティが作られやすく、共通の価値観を持ったユーザー同士が結びつきやすい仕組みとなっています。

 たとえば、ソーシャルコマースでは1人のユーザーからほかのユーザーへと情報が伝達されたり、商品やサービスの特徴を共有してもらえたりする可能性があります。

 そのためオンラインショップと比べて、まだ興味や認知のないユーザーなど、潜在顧客に対する認知向上効果も期待できるでしょう。

ソーシャルコマースを利用するメリット

SNSを見て盛り上がる女性たち

 ソーシャルコマースを活用することで、さまざまなメリットを受けられます。ここでは、2つのメリットを見ていきましょう。

顧客の囲い込みを行いやすい

 ソーシャルコマースは、商材を販売した後もSNSを通じて顧客とのつながりを保ちやすいといった特徴があります。顧客との関係を継続できるので、オンラインショップと比べて顧客の囲い込みを行いやすくなります。

 ソーシャルコマースでは、自社のブランドや商品に込められた想い、コンセプトなどを長いスパンにわたってユーザーに届けることができます。リアルタイムでの更新も可能で、ユーザーも情報にアクセスしやすいため、自社のブランディングを強化したり、価格以外の部分で他社との差別化を図れたりするのも大きなメリットといえるでしょう。

コストや手間をかけずに手軽に始められる

 新たにサービスを立ち上げる場合、オンラインショップをスタートするよりも、ソーシャルコマースのほうが導入ハードルは低いといえます。SNSが提供している販売機能やASPカートを利用することで簡単に始めることができ、オンラインショップの作成にかかるコストや手間を省けます。

 また、ソーシャルコマースでは、集客施策と管理を1つにまとめられるのもメリットです。SNS上で広告を出稿すれば、そのままユーザーを購買層に転換できるため、効率的な運用がしやすいといえます。

ソーシャルコマースを利用する注意点

注意喚起のイメージ

 ソーシャルコマースの活用は集客に効果的ですが、一方で気をつけておきたい点もあります。ここでは、特に注意しておきたい点を解説します。

運用には一定のリソースが必要になる

 ソーシャルコマースを活用するためには、SNSでの定期的な情報発信が欠かせません。そのため、ある程度のスパンにわたって、運用のために一定のリソースが必要です。

 特にInstagramなどの写真データが主流なコンテンツになるSNSを利用する際には、品質の高い画像や映像を発信する必要があるため、高い技術力や品質を備えた人的リソースが必要になることもあります。

売上として反映されるまで時間がかかる

 ソーシャルコマースの導入による効果が発揮されるまでには、ある程度の時間がかかります。すぐに安定的な売上を立てられるケースは少なく、中長期的な視点での取り組みが求められるため、運用コストにもきちんと目を向けておかなければなりません。

 すでにオンラインショップや自社メディアを構築している場合は、それらと組み合わせながら運用すると効果が出るまでの時間を短縮することが可能です。 また、SNS上での購入時に特典を設けるなど、利用を促すような仕組み作りも行うとよいでしょう。

中国におけるソーシャルコマース市場

 ECが発達している中国におけるソーシャルコマース市場、代表的なプラットフォームも含めて解説します。

中国のEC市場の1割以上を占めるソーシャルコマース

 「eMarketer」の調査によれば、2020年時点での世界のEC市場で最も大きいのは中国(1兆9,894億ドル)となっており、2位であるアメリカ(6,006億ドル)の3.5倍程度の規模となっています。

 さらに、中国のEC市場におけるソーシャルコマースの割合は約13%(2,500億ドル程度)と推定されており、2021年末までに3,155億ドルの市場規模に達するともいわれています。

 このような中国EC市場の成長を支えている「WeChat」や「小紅書」について、次項で見ていきましょう。

代表的なプラットフォーム

WeChat

 「WeChat」は、中国における最も大きなソーシャルコマースのプラットフォームで、月間のアクティブユーザー数は約12億人といわれています。WeChatのなかで自由にストアを開設できるだけでなく、広告の出稿やインフルエンサーを活用した集客に関する施策を行うことも可能です。

 また、2020年4月からは映像で商品を紹介しながら販売ができるライブストリーミング機能が追加され、カルティエなどのハイブランドが参入するなど、大きな盛り上がりを見せています。

小紅書

 「小紅書」(RED)は、おすすめ商品の共有機能やコミュニティ機能が特徴的なソーシャルコマースのプラットフォームです。小紅書では35歳以下の女性をメインターゲットとしており、ブログとインフルエンサーを組み合わせて商品の販促効果を高めることにつなげています。 プラットフォーム内から気に入った商品を直接買えるなど、利便性の高いサービスといえるでしょう。

ソーシャルコマースの活用事例

 ソーシャルコマースについて学ぶには、実際に導入をして成功している企業の事例を参考にすることも重要です。ここでは、3社の事例について解説します。

ルイ・ヴィトン

 「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」は、ハイブランドとして初めて小紅書でライブストリーミングによるキャンペーンを行い、15万回以上再生されるなど視聴者の関心を引きつけることに成功しました。

 新型コロナウイルス感染症の拡大から、世界中で外出が制限されるなか、消費者に対して新しい形で購入体験を提供する試みであったといえます。

グラフィット

 glafit株式会社は、ペダルの付いた原動機付自転車を販売している新興メーカーです。同メーカーはハイブリッドバイク「glafit(グラフィット)バイク」の開発費用を「Makuake(マクアケ)」というクラウドファンディングを通じて募集し、約50日間で1億円以上の出資を集めることに成功しています。

 短期間で多くの資金を集められた理由として、FacebookなどのSNSを通じて積極的に情報発信を行っていた点があげられます。ハイブリットバイクがどのようなコンセプトの商品で、ライフスタイルをどう変えるのかといった部分をSNS上で継続して伝えていたため、資金を集めるだけでなく目標としていた予約注文数も達成しています。

 同社はSNS上にショップページを設けており、商品に関するユーザーからの質問にも丁寧に対応しているため、ファンの獲得につながっているといえます。

バルミューダ

 バルミューダ株式会社は、デザイン性の高いオーブンレンジなどを手がける家電メーカーで、自社のECサイトだけでなく各種メディア展開も積極的に行っています。 具体的には、製品開発に関する記事「ストーリーズ」を通じて顧客の潜在的なニーズを掘り起こすなど、多くのファンを生み出すきっかけづくりにも力を入れています。

 InstagramやTwitterでは、同社の製品が暮らしの中にどう溶け込んでいるかを伝える投稿が多く、ユーザーが気に入った投稿ページからそのままECサイトの製品ページにアクセスできるので、販売の機会をうまく生み出しています。

まとめ:ソーシャルコマースを活用して顧客と良い関係を築こう

 ソーシャルコマースを活用することで、Webサイトだけでは得られない、ユーザーのさまざまな情報を入手できます。自社のSNSアカウントを訪問してくるユーザーとの交流を深め、しっかりと信頼関係を築いていきましょう。

 EC市場の拡大に伴って、ソーシャルコマースは今後ますます成長していくことが期待されています。基本的なポイントを踏まえたうえで、自社に適した形で展開していくことが重要です。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/11062 2022/03/19 07:00

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