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機能性化粧品、敏感肌市場は前年比約6%増予測 コロナに関連し肌トラブル増加で需要が拡大/富士経済調査

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、機能別の国内化粧品市場を調査した。同調査では、スキンケア、ベースメイク、ボディケア、ヘアケアの4カテゴリーにおいて、ホワイトニングやアンチエイジング、敏感肌、アクネ対応などの機能を訴求する商品を“機能性化粧品”と定義し、訴求機能別の市場動向や注目商品の市場動向についての現状を分析し、将来を予想した。

 同調査結果の概要は、次のとおり。

機能性化粧品の国内市場(スキンケア、ベースメイク、ボディケア、ヘアケア)

 2019年はスキンケアにおいてしわ改善商品のラインアップ拡充が進んだことから、アンチエイジング機能訴求商品が好調だったほか、肌への安心・安全意識の高まりや敏感肌層の増加で敏感肌訴求商品が伸びた。しかし、中国で新EC法が施行されたことや為替が円高傾向だったことから、インバウンド需要が減退し、市場全体の伸びは急速に鈍化。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の流行による在宅時間の増加やマスク着用・手洗いといった衛生習慣への関心が高まり、消費者が志向する機能にも変化が見られた。特にストレスの増加やマスク着用による肌荒れから、敏感肌ブランドやアクネ対応ブランドへの関心が高まっている。しかし、店舗休業やカウンセリングの自粛、インバウンド需要の減少から、市場は大幅に縮小するとみられる。

 今後の市場はアンチエイジングやホワイトニングを訴求したスキンケアを中心に回復が期待されるほか、敏感肌ブランドが新たに需要を獲得し、拡大が予想される。

訴求機能別の市場

 2019年はスキンケアで、有効成分としてナイアシンアミドを配合したしわ改善と美白のW機能を訴求した商品が発売されたが、需要期である夏季の天候不順やインバウンド需要の減退により、市場は微増にとどまった。

 2020年はホワイトニングの需要がもっとも高まる春から夏にかけて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた店舗休業やカウンセリング営業の自粛により、使用啓発に向けたプロモーション展開ができず、外出自粛によるホワイトニングケア意識の低下や海外渡航制限によるインバウンド需要の減少も加わって、市場は大幅に縮小するとみられる。

 今後は在宅時間の増加によって、しみ・そばかすに気づいた消費者のケア意識の向上に向けた使用啓発、また、しわ改善と美白機能を備えたスキンケアアイテムがスペシャルケアだけでなく日常的に使用されるオールインワンや化粧水・乳液でもラインアップが増えることにより、需要が活性化することで市場の回復が期待される。

 2019年はスキンケアにおいて、しわ改善商品のラインアップが増えたほか、高級志向の強い中高年齢層をターゲットにした最高級ブランドでの商品テコ入れの動きが顕著であったが、中国で新EC法が施行されたことで転売業者の購入が減少した影響から、市場の伸びは鈍化した。

 2020年は在宅時間が増加したことにより、アンチエイジングを気にする消費者が増え、しわやたるみといったケア意識の向上がみられたが、店舗休業やカウンセリング営業の自粛による購買頻度の低下と訪日観光客の減少によるインバウンド需要の減少によって、市場は大幅に縮小するとみられる。

 今後はライブコマースといったデジタルカウンセリングでの需要喚起を推し進めるなど、新たなニーズの取り込みが図られるとみられる。

 2019年は雑誌やSNSなどの媒体で敏感肌商品が取り上げられる機会が増えたことでユーザーが増加し、敏感肌ブランドにおいても、ホワイトニングやアンチエイジングといった高機能商品のラインアップが拡充され、市場は拡大。

 2020年は在宅時間の増加による肌ストレスやマスク着用による肌トラブルを感じる消費者が増え、さらなる敏感肌商品への需要増加がみられる一方で、インバウンド需要が海外渡航制限によって減少した影響が大きく、市場は縮小するとみられる。

 今後はストレスやマスクの着用による肌トラブルを抱える消費者が増加したことで、ますます敏感肌商品へのニーズ拡大が期待され、特にスキンケアとボディケアを中心に市場の拡大が期待される。また、中高年齢層では、より高いスキンケア効果を期待する消費者も増加しており、敏感肌を基本コンセプトとしながらもエイジングケアを訴求するなど高機能商品の展開が強化され、需要の取り込みはさらに進むと予想される。

 2019年は生活習慣の乱れや季節の変わり目に生じる肌荒れなど総合的なケアを訴求した商品の増加や、スキンケアでは新商品が発売されたことでプラスとなったがベースメイクやボディケアの不調によって、市場は微減となった。

 2020年は在宅時間の増加によるストレスやマスク着用による肌荒れの対策として需要は増加しているが、店舗休業や外出自粛によるベースメイクの使用機会減少から、市場は縮小するとみられる。

 今後はアクネケアを基本コンセプトとしながら肌の不調を総合的にケアする付加訴求の強化や、新型コロナウイルス感染症に起因する肌トラブルを感じる消費者においてアクネ対応商品の認知拡大による新規需要の取り込みが進むことによって、市場拡大が予想される。

注目市場

 顔の保湿やメイク崩れの防止を訴求したミスト、エアゾール剤型の化粧水を対象とする。機能についてはモイスチャー、ホワイトニング、アンチエイジング、敏感肌、アクネ対応に分類する。プレ化粧水や軽度な保湿用途で敏感肌向けブランドのほか、保湿やメイク崩れの防止を訴求した商品がモイスチャーを中心として展開されている。

 2019年は敏感肌ではプレ化粧水やマルチユース用として若年層を中心に需要の取り込みが進んだほか、モイスチャーではメイク崩れの防止を訴求した商品が好調となり、市場は大幅に拡大した。

 2020年はマスクの常時着用により、ベースメイクの崩れ防止に対する需要が高まったほか、マスクの摩擦による肌荒れに悩む消費者が増えたことで、低刺激な敏感肌向けのスキンケアへの需要が増加し、市場は大幅に拡大するとみられる。

 手の保湿を訴求している商品を対象とし、機能についてはモイスチャー、ホワイトニング、敏感肌、フレグランスに分類する。

 基本機能であるモイスチャーが8割強となっている。冬季の天候に左右されやすいが、ロングセラー商品が効果実感からリピート需要を取り込んでいるほか、ライフスタイル提案型商品もギフト需要を取り込んでいる。

 2019年は暖冬の影響を受け伸び悩むブランドもみられたが、加齢によるシミやしわを目立たなくするトーンアップ効果訴求のハンドクリームが好調だった。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の予防対策として手洗いや消毒をする機会が増加し、手荒れに悩む消費者が増えたことでハンドクリームの需要が高まり、保湿効果訴求品を中心に需要を獲得したほか、肌に優しい敏感肌訴求も好調なため、市場は拡大するとみられる。

調査概要
  • 調査方法:同社専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
  • 調査期間:2020年9月~11月
  • 調査対象商品:

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