第三者の立場で顧客満足度調査を実施するoricon ME(読み:オリコン エムイー)は、「スマホ決済サービス」の満足度調査を実施。集計結果は、先月9月1日にランキングとして発表しているが、今回は同調査から得たスマホ決済サービス利用実態についての結果を発表した。
使い始めた理由、感染予防は1.8% 若年層は「ポイントが貯まる」、シニア世代は「現金を出すのが面倒」が多い傾向
「スマホ決済サービスを使い始めた理由」についての設問(複数回答)では、「キャンペーン」や「ポイント還元」、「支払い時間の短縮」に関する項目について、それぞれ25%を超える結果に。「新型コロナウイルス感染の影響で、現金を使わないようにしているから」と回答した人は全体の1.8%で、感染予防が理由で使いはじめた人は少数だったことがわかる。
また、上位2項目について年代別にみると、「ポイントがたくさん貯まるから」と回答した人のうち、10・20代が40.8%に対し、60代以上は27.8%と、その差は13%あり、若年層ほどポイントが理由でサービスを始める傾向が高いことがうかがえる。さらに、2番目に多い理由として、「支払いの際に現金を出すのが面倒だから」の回答については、60代以上で35.0%ともっとも高い結果となった。
利用前の不安「セキュリティ」「不正利用」が上位 年齢上がるほど「特になかった」増加傾向に
「サービスを利用する前の不安」に関する設問(複数回答)の上位5項目をみてみると、「個人情報や口座、クレジットカード番号などのセキュリティ対策」がもっとも多く、次に「不正利用されないか」が続き、全体の約半数が情報の管理に関して不安に感じているという結果となった。「特になかった」という回答では、60代以上が40.0%ともっとも高く、10・20代と比べると約15%の差がついており、年代ごとに不安の違いも見られた。
「ほぼ毎日」利用する人は1割、「週に3日以下」が過半数
「サービスの利用頻度」に関する設問では、「週に2~3日程度」が29.2%ともっとも多く、次に「週に1日程度」が24.0%となり、週に3日以下の利用者が全体の過半数を占める結果に。「2~3週間に1日程度」や「1ヵ月に1日程度」の人もそれぞれ10%以上いることから、決済時に必ず利用するという人はまだ少数で、ケースによって支払い方法を使い分けていることがうかがえる。
1回あたりの平均支払い金額「500円~1500円未満」が約半数占める 「1万円以上」の高額利用者は1.8%
「1回あたりの平均支払い利用金額」(単一回答)についての設問では、「500円~600円未満」が22.6%、「1000円~1500円未満」が22.0%となり、この2項目で約半数を占める結果となった。「1万円以上」については1.8%となっており、スマホ決済サービスでは1万円以上の高額利用は控える傾向にあった。
全体で「もっともよく利用しているサービス」は「楽天ペイ」 年代別に違いも
今回の調査条件である、1ヵ月に1回以上のサービス利用者を対象に回答を得た、「もっともよく利用しているスマホ決済サービス」に関する設問では、全体で「楽天ペイ」が15.2%で1位に。10・20代は「LINE Pay」、30代・40代は「楽天ペイ」、50代・60代以上は「PayPay」がもっとも多く、年代別で分かれる結果となった。(濃い青色…「LINE Pay」、薄い青色…「メルペイ」、濃い黄色…「モバイルSuica」、薄い黄色…「楽天Edy」)
年代が若くなるにつれて利用者が多くなる傾向となったのは、「LINE Pay」と「メルペイ」。利用者のコメントでは、「LINEのほかの機能との連携が取りやすく、ポイントがよく貯まる(LINE Pay・20代・男性)」「メルカリの売上額が、そのまま利用できるのは非常に便利(メルペイ・30代・男性)」といった、他サービスとの連携している点が、もっとも利用されている理由になっていることがうかがえる。
一方で、「モバイルSuica」と「楽天Edy」については、逆に年代が上がるにつれて利用が多くなっている傾向が見られた。「アプリを起動せずに使えるので便利(モバイルSuica・50代・男性)」「アプリ画面を出さずにタッチするだけで決済できるので、会計時に楽(楽天Edy・50代・女性)」など、アプリを起動することなく、容易に利用できる点が評価されていると推察される。
調査概要
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回答者数…4402名
(10・20代:390名、30代:660名、40代:1207名、50代:1339名、60代以上:806名) - 調査期間…2020/6/5~2020/6/11
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調査対象者…
性別:指定なし
年齢:18~84歳
地域:全国
条件:1ヵ月に1回以上、スマホ決済サービスを利用した人