Shopifyは、11月25日(金)からスタートするブラックフライデー・サイバーマンデー(以下、BFCM)を前に、今年の経済環境の変化が日本の消費者の消費志向に与える影響と、マーチャント(事業者)がピークセールの商戦期に目指すものを明らかにした。
ブラックフライデーは、アメリカの祝祭日である感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日を指すもので、クリスマス商戦の幕開けの日として知られている。またサイバーマンデーは、さらにその週明けの月曜日を指し、こちらはオンライン上の大規模セールがスタートする日として定着している。このふたつはもともとアメリカでスタートしたが、今では世界中のさまざまな国で、ブラックフライデーからサイバーマンデーまでの4日間が、年末商戦に向けたセールキャンペーン期間として浸透しつつある。
Shopifyが日本の消費者2,000人を対象に行った調査によると、回答者(n=2000)の80%が「BFCMの4日間に買い物をする」と回答。また、回答者の4割が「今年の消費額は2021年よりも大きくなる予定である」と答えた。さらに、回答者の約1/4は「今年のBFCMで16,500円以上の支出を予定している」と答えている。加えて、回答者の2/3は、「さらなる値上がりの前に、今のうちに商品を購入しようと考えている」ことが判明した。
日本におけるBFCMは、欧米に比べるとまだ少し、マイナーな存在ではあるが、調査結果から、日本の消費者が、今年できる限りのBFCMキャンペーンを利用する傾向にあることがうかがえる。
今年の消費者は、お金を使う場所、特に価格に関して、より意識的になっている。同調査によると、回答者(n=2000)の74%が「十分な情報を得たうえで購入の決定をする前に、多くのショップを回り、可能な限りのお買い得品を手に入れてから購入を決める予定である」ことがわかった。さらに、半数近く(48%)は、「競合他社がより良い価格設定をしていれば、そちらに乗り換える」としている。このことは、消費者が世界的なマクロ経済環境に押され、購買効率を最大限に高めたいと考えていることを表しているという。
今年の消費者調査で目立つのは、「より品質の高いものを購入したい」ということである。調査によると、「より長く使えるものを買いたい」と答えた人が82%(n=2000)と圧倒的に多いことがわかった。同時に、62%の回答者が「大きな買い物をするよりも、自分の健康を向上させるために小さなものをいくつも買いたい」と回答している。
一方で、今回の調査対象となった日本の企業1,000社のうちの半数以上が、昨年、BFCMから年末までの数週間に、年間売上の20%以上を「生み出している」と回答。しかし、今年BFCMセールを実施すると回答したのは、調査に協力した日本の企業(n=1000)のうち、20%という結果に。これは、BFCMがまだ主に海外の現象であるという認識が残っている結果であると考えられる。
日本におけるBFCMに対する消費者の欲求を調べたところ、回答者(n=2000)の半数近く(42%)が「第4四半期の買い物のほとんどをこの4日間だけで済ませる予定だ」と回答。また、ブランド側が収益を上げるためにできることについては、57%が「割引の提供」がもっとも重要であると回答している。特に今年は、誰もが購買効率の最大化を最重要視しており、ブランドができることのひとつとして、事前にプロモーションキャンペーンを知らせることが挙げられる。調査によると、回答者の59%が「BFCMなどのセール期間前にお得な情報を知りたがっている」ことを明らかにした。さらに、回答者の40%が「ブランドのメーリングリストに登録し、最新のキャンペーン情報を入手している」と回答した。
調査概要
- 調査方法:オンライン上でのアンケート調査
- 調査地域:イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、オランダ、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランド、日本、アメリカ、カナダ
- 調査対象:コンシューマー24,009名(このうち、日本のコンシューマーは2,000名)、企業9,012社(このうち、日本の企業は1,000社)
- 調査日時:2022年9月〜2022年10月
- 調査企画:Sapio Research