アメリカ大統領選によるリツイート制限 情報インフラの自覚があらわに
藤田さんがまず紹介するのは、2020年10月9日にTwitterが発表したアメリカ大統領選挙期間中のリツイート制限機能について。2016年に行われた前回選挙時にリツイートによりフェイクニュースが多く拡散された影響を受け、同日より一部のユーザーに、10月20日から全世界に向けて同機能を追加している。リツイートを行う際にコメント付与を促すほか、ツイート内の掲載リンクを未閲覧の状態でリツイートする場合は、警告メッセージを表示。情報拡散時にユーザーにひと呼吸置かせるような工夫を施している。
「突然発表されたアップデートに、リツイートキャンペーンを行う企業は戸惑ったかと思います。しかし、ユーザーからは概ね健全なアップデートと受け止められているようです。当初は期間限定の機能追加と発表されていましたが、効果測定の結果によっては正式機能として定着する可能性もあります」
2020年、世界中に広がったコロナショックの影響で、情報インフラとしてのTwitterの影響力はますます勢いを増している。Twitterが2020年10月29日に発表した第3四半期の業績によると、デイリーアクティブユーザー数は前年同月比29%増の1億8,700万人を記録。売上に関しても、コロナ禍で延期されていたイベントや製品発表が再開され、プロモーション活動が活発化したことで前年同月比14%増の9億3,600万ドル(約980億円)となっている。
「『withコロナ』というキーワードの定着や、デジタル上の人々の行動活発化により、SNSを取り巻く経済の動きは、だいぶ回復しているように感じられます。各プラットフォームも、アップデートの動きが活性化しています」