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withコロナの時代にD2Cが広がる理由 消費行動の変化から見える小売の今後

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2020/08/06 07:00

 デジタルツールを使いこなす人が増え、EC化率も上昇する今、D2Cやサブスクリプションビジネスも同様に注目を集めています。D2Cとは一体何なのか。サブスクリプションの普及との相関性はあるのか。今こそ考えたいこれらのビジネスに取り組む意義を、D2C支援企業としてSaaS事業とD2Cコンサルティング事業を展開しているSUPER STUDIOの黒島さんが解説します。第1回は、「人々の消費行動の変化とD2Cの関係性」についてです。

コロナ流行により生まれた消費行動の変化と新顧客体験

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、私たちの日常は大きく変化しました。外出自粛要請を受け、多くの生活者は自宅待機を余儀なくされ、世間に広がる「3密」や「ソーシャルディスタンス」という言葉。今まで当たり前だったことが貴重になり、私たちは生活を変化させなければいけなくなりました。

 また、これは生活者だけではなく、事業者にとっても大きな変化だったと言えます。緊急事態宣言により、飲食店や小売店、映画館やレジャー施設などにも影響が及び、営業休止を決めた事業者も非常に多くいました。新型コロナウイルスの感染拡大が加速してからは、売上が全くない月もあり、店舗の家賃やスタッフの人件費などの固定費も払えず、試行錯誤しながら生き残る術を考えざるを得なかった事業者も多いのではないでしょうか。

 さまざまな業界の企業が、「人を介したコミュニケーション」から「同じ空間を介さないコミュニケーション」へ生活様式を変化するよう求められています。「アフターコロナ」「withコロナ」という言葉が生まれ、事業者は工夫をしながら新型コロナウイルスと付き合っていく必要があります。

 生活者の足で実店舗に行って接客を受け、購入・体験するなど、これまでは日常的で当たり前だった「人を介したコミュニケーション」が、「同じ空間を介さないコミュニケーション」に移り変わった例として、映画館とNetflixを挙げます。大勢の人が同じ空間に集まる映画館は、緊急事態宣言後営業休止を余儀なくされました。一方で、人と接触せず自宅で映画が見られる動画配信サービス「Netflix」は、サブスクリプション形式で専用アプリから動画が見放題なメディアとして今や世界的に利用されています。新型コロナウイルスの感染拡大前から、人々の生活はスマートフォンの普及により、オンラインサービスを利用することが増えつつありましたが、感染拡大を機により拍車がかかったと言えます。

 オンラインサービスは自分に合った「欲しいもの」をレコメンドしてくれます。映画館で映画を観る際、消費者は数ある映画の中から観たいものを自ら考え探していましたが、動画配信サービスでは、今まで観た映画のジャンルから、趣味嗜好を分析して提案してくれるので、おすすめされたものから選んで鑑賞できるようになりました。すでにGoogleが台頭した時代からアルゴリズムによって、閲覧したいウェブコンテンツがレコメンドされる文化は浸透しつつありましたが、Amazonを始めとしたECの利⽤やそのような動画配信サービスの普及につれ、生活者はレコメンドされることがより日常的になり、抵抗がなくなったのです。これは、「同じ空間を介さないコミュニケーション」によって生まれた、新しい顧客体験といえるでしょう。

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