みなさん、はじめまして。グラムス株式会社 三浦です。私はインポートファッション商社の社内SE出身で、ブランド品や古着ECサイトを運営しつつ、ECサイトへの商品掲載業務を極限まで効率化するため、自社でさまざまなシステム開発を行っています。なかでも、ECの売上を大きく左右する商品画像の作成業務を大きく効率化するツール「ZenFotomatic(ゼン フォトマティック)」は現在約170ヵ国で利用いただいており、365日24時間、世界中からさまざまな商品画像が大量にアップロードされています。
そうしたノウハウをもとに、このコラムでは読者の皆さんが「売れる商品画像」を効率的かつローコストオペレーションで作成できるようになることを目的として、全3回でお話してまいります。
商品画像のタイプとその役割
まず、「商品画像」とひとことに言っても目的別にタイプがあり、それぞれ違った役割を持っています。一例として、当社のECサイト「LYL.FASHION」で用いている商品画像を例に、大きく分けて二種類の画像とその目的を見ていきましょう。
集客・アイキャッチ用 イメージ画像
当社のECサイトでは、SNSやブログなどからの集客が主な入り口となっています。そのため上段の写真は、いわゆる「映え」を狙った写真で、あくまで興味を引いてクリックしてもらう集客用として目的を絞ったものです。
そして下段は、来店していただいたお客様に商品の着用シーンをイメージしてもらうための接客用の画像です。当社の取扱商材は主にノンブランドの古着ですので、あらかじめ顧客が商品を明確に知っているわけではありません。単体の商品自体にパワーがないため、こうしたコーディネート画像を各商品ページに掲載し、お店や商品のイメージを啓蒙しています。
このような画像を当社では「イメージ画像」と呼んでいます。商品や店舗にブランドや認知がない場合は、こうしたイメージ画像によって消費者の興味を引き、まずは兎にも角にも来店してもらい、お店や商品を理解してもらうコミュニケーション用の画像が必要です。こうした画像は、ブランディングが必要なメーカーやブランドなど、オリジナル商材のECにはとくに重要となります。
一方で、ブランド商材や型番商材などを仕入れて販売する小売ECや、すでに市場に十分な認知がある商材、単価が低く業務コストがかけられない商材の場合、このような画像を作成するのは費用対効果が合わないと思われるかもしれません。
そしてご覧のとおり、こうした写真はいずれもあえて商品単体を主に撮影はしておらず、世界観の醸成や来店のきっかけとしては有効ですが、商品そのものの状態や仕様が分からないので、当然ながら購入に至る可能性は低くなります。
説明用 商品画像
一方、こちらはシンプルに商品だけを見せた画像です。当社では、こうした商品単体の画像を「商品画像」と呼んでいます。
イメージ画像を見て来店していただいたお客様に、いよいよ購入を検討してもらうための画像情報がこの商品画像です。モールなどでは、検索結果に表示されるサムネイル画像として、イメージ画像ではなく、こうした商品画像が有効です。
なお、商品画像は以下のポイントが非常に重要となります。
- 視認性が高く見やすいこと(白背景に商品以外の情報を載せない)
- 可能な限り、多くのカットを掲載すること
- サイズ、画角(被写体の位置)、カット割り、明るさなどを統一すること
こうした要件を満たした商品画像は、いまやほぼすべてのECサイトに必要です。結論から言うと、上記のポイントを押さえた白背景のシンプルな商品単体画像こそが、「売れる商品画像」だと言えます。商品のサムネイル画像は必ずこのような白背景の商品画像にすることを強くおすすめします。