Automated-feedに過度に期待すべからず
今回、運用型広告のテーマもやはり「Google Marke ting Live 2018」が中心になる。まずは、同イベントで発表された「Automated-feed」機能について。この定点観測でも、田中さんは繰り返しデータフィードの重要性を説いてきたが、技術的なハードルが高くなかなか浸透していない。それがAutomated-feedでは、 Googleがサイトをクローリングし、データフィードを作ってくれると言う。国内外でリリース時期は未定であるため、いつから使えるようになるのか見通しが立たないが、「自分で作らなくてもいいかも」と心が緩んでしまいかねない発表である。
「『とりあえずデータフィードを作ってみる』程度の出来になるのではと想像しています。まず、クローリングされるウェブサイトで構造化データのマークアップが採用されていなくては、Googleが正確に読み取ることができません。それを採用しなかった場合でGoogleが読み取れたとしても、なにか読み誤って、意図しない表現で広告が出てしまうことも起きかねない。そのあたりをコントローラブルにしたいのであれば、やはりフィードは自分できちんと作るという選択になると思います」
とくにデータフィードを作るまで手が回らない中小規模のECサイトでは、ASPカートを利用しているところも多いはず。用意されたテンプレートを利用しているところが大半だろうが、必ずしもフィードを作成する目的で構造化されているとは言えない。
「Automated-feedを待つよりは、たとえばフィードフォースさんのサービス『ECブースター』を使ったほうが、ショッピング広告を出稿することに対しては早く着手できますよね。Automated-feedに過度に期待せず、まず自分たちで始めてみることが重要です」
マイクロモーメントに対応 レスポンシブ検索広告
Google Marketing Live 2018から田中さんが選んだもうひとつのトピックスが、「レスポンシブ検索広告」。田中さんは「少ない打ち手で効果が出せるような流れ」と評する。
「訴求したいテキストのフレーズをいくつか用意しておくと、Googleが自動で組み合わせて表示してくれるというもの。昼間にPCで検索している場合と、帰りの電車内でスマートフォンから検索している場合では、同じ検索ワードでもユーザーの意図が異なりますよね。それを時間帯やデバイスからGoogleが判断し、設定したテキストの中から最適なものを選んで表示してくれるようにもなるわけです」
たとえばピザを検索している場合、昼間×PCなら「ランチセット」の訴求が効果的だろうし、帰りの電車×スマートフォンなら、「持ち帰りなら1枚無料」が出てきたらユーザーにも親切だ。この調節を、Googleが自動で行ってくれるわけだ。
「これまでは、こうしたいくつかの状況を想定し、あらかじめ『センテンス』での広告を作成し、セットしておきました。レスポンシブ検索広告の登場により、フレーズを組み合わせることでその瞬間に最適なセンテンスが作られ、表示されるわけです」