Facebookはつながりをより深く
フィード二分化で個人アカウントの重要性増す
Facebookについては、米国本社から発表されたミッションの刷新に注目。
「これまでFacebookは、『世界をよりオープンでつながったものにする』というミッションのもと、ユーザーを増やすための施策を打ったり、未発達な国のネットインフラを整えたりと、人をつなげていくことに注力してきました。その結果、全世界のFacebook利用者は今や20億人に達しました。
しかし、つなげただけでは、コミュニケーションは死んでしまいますよね。そこで『コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する』と、ミッションを刷新しました。これからはユーザーをつなげるだけでなく、もう一歩踏み込んで、つながった人たちのコミュニケーションを促進する支援もしていく、どのようにつながるか、つながった後何をするかというところまで、プラットフォームとして提案していこうというのです。
前回の定点観測以降も、フードデリバリーの注文機能や、グループ内での商品販売機能をテストするなど、つながった後を盛り上げる機能アップデートが進められていますし、10月にはアメリカの10代に人気がある『tbh』というサービスを買収して、Instagramのさらに下の年代にも、自分たちの影響力を伸ばしていこうとしています」
さらに日本においては、地方の活性化、中小企業、自営業のマーケティング支援に力を入れると発表している。こうしたプラットフォーマーのミッションや方向性の中には、いち事業者がうまく活用するためのヒントが隠されていると藤田さんは言う。
もうひとつ、米国では大きな発表があった。つながっている友人の投稿と企業やパブリッシャーの投稿を分けて、別のフィードとして配信する可能性の示唆だった。
「ポストアドはプライベートなフィードに配信されるようですので、運用や予算を見直す必要が出てくるFacebookページもあるでしょう。まだテスト段階なので、日本での実装時期はわかりませんが、パブリックなフィードは、ユーザーにコンテンツを自ら読みにいく能動的な姿勢が求められるので、リーチが従来の3分の1程度になるのではとも試算されています。
生活に密着した商品を扱っているEC事業者の場合はとくに、ビジネスコンテンツに紛れるのは避けたいですよね。ポストアドの広告費を確保する以外の解決策としては、店長、バイヤー、商品開発の担当者が、個人のアカウントで情報発信し、お客様とつながっていってはどうでしょう。米国では『エンプロイー・ブランディング(被雇用者個人の活躍による会社のPR活動)』として注目されている施策です」