ユニセックスカテゴリで日韓若年層から人気の「メロンショップ」
カジュアル衣類販売を手がける「メロンショップ」は、流行に敏感な10~20代の男女顧客から支持を得ているEC発ブランドです。
メロンショップを率いる金ユソンCEOは、2009年、10代をターゲットにECサイトを開業しました。毎年、韓国EC市場の成長に伴い競争が激しくなる中、メロンショップは継続的な成長を遂げています。
激しい競争下でメロンショップが成長を続けている要因を、「価格競争力確保」「デザイン」「ターゲット層に合わせた個性的なサイト運営」だと金CEOは見ています。
「10代の顧客がターゲットですから、オリジナル商品の割合を増やしながらも、価格でも競争できるよう取り組みました。これに加え、品質向上やトレンドを捉えた商品開発にも力を入れるなどして、顧客が継続的に訪問したくなるサイト作りに取り組みました」
10代が話す言葉で商品説明 2017年の目標年商は45億円
メロンショップでは、テイストを維持しながら豊富に商品を揃えるため、MD(商品企画者)とファッション誌や海外ブランド調査などを行っているそうです。
また、ターゲットである10代の特性を徹底的に分析し、サイト構築に活かしています。たとえば、商品名と詳細ページの説明コメントには10代が日常会話で用いる言葉を使ってみたり、スナップ写真やメニュー構成にも工夫が見えます。
こうして韓国で成長を重ねたメロンショップは、ファッショントレンドが類似している日本市場参入を目指し、今年グローバルECプラットフォーム「cafe24」で日本語のECサイトを立ち上げました。
「2017年は、韓国と日本市場で年商450億ウォン(約45億円)を目指しています。今後も、価格とトレンディなデザイン、面白いサイト構成など弊社ならではの競争力を活かし、日韓両国の顧客に愛されるブランドを目指していきます」(金CEO)
ペアルックを楽しむ韓国文化が、日本の若者からも支持
ここからは、メロンショップの金CEOとの一問一答をお届けします。
――男女のユーザー比率はどれくらいですか? 性別で、売れ筋アイテムは異なるのでしょうか。
アイテムの80%、顧客割合も80%以上を女性が占めていますが、ユニセックススタイルを志向しているだけに多様な商品カテゴリを提示しています。
韓国は、カップル同士で「ペアルック」を楽しむ文化があることで「男女共用」アイテムがとくに人気です。新商品が更新されるたび、定期的に2枚ずつ購入する男性リピーターも多くなっています。
また、ぴったりサイズを好まない女性客も多く、スタイリングしやすいTシャツ、フードなどカジュアル商品が根強い人気を得ています。ターゲット層が韓国と同様の日本も購買パターンが類似しているので、日本参入以降、毎月平均3倍ほど売上が伸びています。
――どちらのアイテムも扱う理由を教えてください。
「ユニセックス」カテゴリを取り扱う理由は、「男女とも気軽に着られる服」を提供したいと思ったからです。当初は10代の割合が多かったのですが、最近は、個性を大事にする20代の比率も増えつつあります。このような差別化されたカテゴリなどで顧客から支持を得られたのが、弊社が競争の中で生き残ることができた理由だと思います。
――運営側の男女比率はどれくらいですか? その理由とは?
弊社運営部署の場合、女性60%、男性40%の割合です。男女共用アイテムを扱ってはいるものの、とくに性別を意識して採用していません。性別よりは、国内外のファッショントレンド分析に優れた人材を運営チームに配置する傾向はあります。
日本市場にあわせ、LINE@を販促に活用
――LINE@を採用していると聞きました。どのように活用し、反響はどれくらいありますか?
LINE@は、日本で最も多くの利用者を確保し、多くの企業やECサイトがマーケティングチャネルとして活用しています。とくに、クーポン発行、メッセージ送信、タイムライン設定によるイベント広告などの機能は、企業に適していると思います。実際、LINE@でイベントなどプロモーションを行うと、費用対効果も高い傾向があります。
――商品写真が動いたりして、おもしろいですね。デザインについてこだわりがあれば教えてください。
メインページ上に、動く商品写真を提示することで、顧客が実物を見るような経験を提供しています。また、10〜20代の女性が好むモデルのスナップ写真を中心に提示してもいます。顧客の購買欲求を向上できますし、サイト自体が「おもしろく」なり、リピーター獲得にも効果があると考えています。
まとめ
メロンショップは、トレンドに敏感な若年層の経済的事情を考慮して、オリジナル商品開発に取り組みつつ、価格競争力を維持することにも成功しました。また、顧客特性を反映することで、また訪れたくなるサイトを構築、リピーター獲得にも成功しています。
韓国と同様に、ユニセックススタイルを好む顧客やペアルックを楽しむ若年層が増えている日本市場でも、さらなる成長が期待されるECサイトです。