中小向けオンライン決済「VeriTrans Air」安さのヒミツ
――「VeriTrans Air」サービス提供の背景を教えて下さい。
「1997年の創業から、お店目線の決済サービスを提供することで、日本のEC市場を牽引してきた自負があります。しかし反省点としては、大企業にばかりフォーカスしてきたこと。我々を含め、中小企業の決済に取り組む企業が少なかったため、中小のショップさんは、少ないサービスの選択肢から選ばなければならない状況に陥っています。
一方で、スマホの浸透などを理由に、中小の市場が活性化してきているし、ユーザーのリテラシーも高い。今こそ、中小向け決済サービスの民主化を起こすべきときだと考えました。
2013年8月に、それまで多くの中小向け決済手数料が『4%~』だったところに、3.9%の固定で入りました。現在は6月までのキャンペーン価格で『3.2%』でやっています。ヤフーさんも、『Yahoo!ウォレット Fastpay』で4月から、『3.25%』で参入すると発表されました。多くのプレイヤーが参入してきて競争が起き、ユーザーさんの選択肢が増えていけばいいなと思っています」
――安いと心配になりますが、大丈夫なものなんですか。
「コアのテクノロジーは大企業のシステムと同じものを使っているので、品質はご安心ください。むしろ、中小サイトはセキュリティ投資ができないということを前提に、カード番号はネットショップを通過しないし、番号も残らないように作ってあります。
安くご提供できる理由は大きく3つあって、1つは機能をシンプルにしていること。大企業向けのサービスは、カード会社約40社、銀行約300社とつながり、電子マネーも使えれば、海外向けの処理もできます。「VeriTrans Air」はそれをぎゅっと絞らせていただきました。ただし、カードはもちろん、コンビニ決済にも対応しています。
2つめは、全部ウェブで完結するモデルにしたこと。大企業向けのサービスは、たとえば基幹システムと繋げられるようにとか、さまざまなインターフェースがあります。これも、ネットショップさんが使いやすいものにぎゅっと凝縮しました。
3つめは、当社独自のものですが、決済連動型広告の仕組みです。決済が終わった画面に、ユーザーさんに最適な広告を表示しています。たとえばJCBカードを使った方には、JCBカードのキャンペーン情報とか、ノイズにならないレコメンドとも言える情報を出しています。これにより、手数料以外でも収益を得ているのがポイントです」