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向畑さん×西井さん、2015年EC業界のキーワードを語る「リテンション」と「オムニチャネル」


2015年、EC事業者は何に注力するべきなのか。GMOメイクショップ代表・向畑憲良さんと、warmth代表・西井敏恭さんに対談していただきました。今回のテーマは「リテンションマーケティング」と編集部がお題を出した「オムニチャネル」についてです。

●対談後編『向畑さん×西井さん、2015年EC業界のキーワードを語る「スマホ」「ソーシャル」「LINE MALL」』はこちら

2015年は「リテンションマーケティング」に取り組め

向畑 私が見ている2015年EC業界の動向は、「リテンションマーケティング」が一番ホットかなという感じですね。これはフリマアプリのような個人間取引ではなく、プロのEC事業者を前提とした話ですけど。

 なぜリテンションなのかと言うと、これはネットの歴史とも同じ流れだと思うんですが、これまでは一般的に、サイト作成と集客、そしてコンバージョンを支援するソリューションしかなかったのが、技術の進歩と時代的な要請から、リテンションマーケティングを支援するソリューションが勃興してくると思うんです。

 2014年9月にリリースした「MakeRepeater(メイクリピーター)」もその1つで、リピートを促進するためのOne to Oneマーケティングが、大手でなくても簡単に、安価にできるソリューションになっています。

西井 技術的な話をすると、これまでもリテンションマーケティングのためのソリューションがなかったわけじゃないけど、ハイエンド向けでしたからね。リテンションの重要性がわかっている大手事業者しか使えない。導入できるほど事業規模が大きくない企業は、むりくりOne to Oneマーケティングをやっていたという感じだと思います。

 それが技術が進歩して、一般的な事業者でも使えるようなソリューションが出てきたというのは大きいですよね。広告の世界を見ても、GDN・YDN、そしてDSPのような運用型が注目されていますし。

向畑 技術的な要因のほかに、提供側の問題もあります。ECって、実際に運営してみないとわからないことってたくさんあるんですよ。リテンション以前に「運営」という重要なステップがありますが、月商300万円を超える大量の注文をイレギュラーも含めてさばいて、流れるように運営ができるソリューションってなかなかないんです。

 ECは「運営」で差がつく。トッププレイヤーはすでに「運営」をクリアしていて、次のステップの「リピート」に取り組んでいます。にもかかわらず、多くのソリューション提供側が、「ショップを簡単に作れます」「人を集めます」という話をしているんです。

西井 オイシックスのCMOのほかにwarmthというマーケティングの会社をやっていて、ご相談をいただくこともあるのですが、「集客」で限界を感じていらっしゃるところが多い。それなら、まずはリピートでしっかり利益を出して、それから集客に回していきましょうという話をすると、皆さんわかってくださいます。

向畑 それだけ、EC事業者を取り巻く環境が厳しくなってるってことだよね?

西井 優勝劣敗になっているのに加えて、有名ブランドやメーカーECも入ってきていますからね。でも、儲からずに撤退しているところを見ると、「そもそもそのECは、何で勝てるのか」という、マーケティングで当たり前のことが決まっていなかったりもします。

 Amazonがあれだけ伸びたのは、配送が強いからだと私は思っています。一方でオイシックスなら、注文を受けてから収穫する、鮮度の良さが強みなんです。

 そう考えていくと、著名なブランドやメーカー以外にも、例えば地方の酒屋さんとかは強いですよね。旅行で買ってきたお土産が美味しくて、ECでリピートするっていうパターンとか。そういう独自性がちゃんとあるところにとっては、まだまだチャンスなんじゃないかな。

向畑 独自性をいちばん作りやすいのが「商品」だよね。そうなるとやっぱりメーカーが強いんじゃないの?

西井 その商品が、どこにでも売ってるようなものなら意味ないですけどね。商品だけじゃなく、サービスや運営でも、それを突き詰めていくとオリジナリティになって、強みになります。それをちゃんと作っていくこと。加えて、リピートしてもらわないと利益が出ないので、リテンションマーケティングで仕組みを作ることが重要ですね。

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この記事の著者

ワダ スミエ(ワダ スミエ)

2013年11月11日〜2023年3月31日までECzine編集部在籍。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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