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店舗にない商品を取り寄せて「拡張店舗」へ 新サービスtabモールを谷口昌仁さんに聞く

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2014/11/20 08:00

サービス開始時から松屋銀座、千趣会が参加した、お取り寄せ試着サービス「tabモール」。かつてARアプリ「セカイカメラ」で注目を集めた頓智ドットが前身の株式会社tabのサービスだ。最先端技術のイメージが強い谷口さん。ネットを使うとはいえ、アナログともいえるサービスを作った理由とは。

お取り寄せで「なんでもある」拡張店舗に『tabモール』

――お取り寄せ試着サービス『tabモール』が生まれた経緯を教えてください。

tab代表・谷口昌仁さん

 「もともと、ネットで商品やお店の情報をクリップすると、その近くに来たら教える『tab』というサービスをやっています。これに『ちょこっと予約(『お取り寄せ』に変更)』というお取り置きサービスがあるのですが、ユーザーはもっと別のショッピングサービスを求めていることがわかってきました。

 まず、ショッピングは大きく実店舗とネットに分けられます。実店舗の買い物は、商品に触ったり着てみたり、店員さんと話したりという相互関係があって楽しい。でも、床面積に縛られてしまう。たまたま行ったときに、たまたま置かれている店頭在庫を見て、たまたま気に入ったら買う、というのが現状です。一方でECは、なんでもある。でも、実際に触れないし、試着することもできない。自分で探して、配送されたものを受け取るという、経済取引のようなところがある。

 実店舗の良さをECに寄せているサービスというのはすでにあります。たとえば返品無料の『Javari.jp(ジャヴァリ)』。でも、返品するの面倒ですよね。サイトにログインして、手続きして、宛名を打ち出して、梱包して、集荷が来るまで家で待つ。当社で取ったアンケートによれば、半数の人が面倒だと言っています。

返品可能なECサービスにおける不満点

 これが実店舗なら、試着して気に入らなかったらそこに置いて帰ればいい。加えて、日本のEC化率が示すように、9割以上の買い物が実店舗で行われている。それなら僕らは、実店舗のほうをエンパワーメントするのがいいんじゃないかと思いました」

――サービス当初から、松屋銀座さんが参加されましたね。

 「百貨店や商業施設は、売上を上げるために何百億円もかけて床面積を増やします。でもそれより、売り場効率を上げるほうが重要ではないでしょうか。1平米あたりの売上を上げていって、結果として床面積を増やすという流れのほうがいい。そこで、床面積はそのままでいいから、商品を取り寄せて、試着できるようにしましょうというのが、『tabモール』です。ユーザーから見ると、なんでもあるということになる。これを『拡張店舗』と僕らは呼んでいます。

tabモール仕組み

 ただし、なんでもあるだけだと、Amazonやコンビニ受け取りと同じです。百貨店が優れているのは『接客』。『tabモール』が始まる日に松屋銀座さんへ行きましたけど、接客が本当にすごいなと。この接客があることで、『tabモール』の商品受取所を最高のおもてなしの場にするわけです。お金持ちじゃなくても利用できる、百貨店の外商と言ってもいいかもしれない。おもてなしの場ですから、ECで1円でも安いものを探すという買い物をしている人たちはターゲットにしていません。将来的にはやるかもしれませんが、今のところは」

――メーカーやブランドさんにメリットはありますか?

 「皆さん、ブランド価値を上げるために百貨店に入りたいと思っているけれど、床面積に制限があるので難しい状況です。それを、『tabモール』でバーチャルに出店してもらうことで解決できるし、そこでお取り寄せがたくさん入るなら、リアルに出店できるようになるかもしれない。

 通販の千趣会さんにも使っていただいていますが、彼らはすでに実店舗を出しているものの、床面積の制限から、通販の強みである品揃えを活かしきれていない。それを拡張店舗でお手伝いするというわけです」

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