モールは商品ページ、自社ECは個性で「売れる」
森野 ECでよくある質問を規模ごとに聞いてみようという企画です。今回は、前回のミウラタクヤさんから規模が大きくなり、年商が数千万円から数億円ぐらいのEC事業者が対象です。ひとりでEC運営を始めて売上が伸び、組織になってきた中小企業といったあたりです。
第1回 ミウラタクヤさんの記事はこちら
この規模だと、「モール専業だったけどもっと売上を伸ばしたい」とか、「モールの競争が苦しくなってきた」という理由で自社ECを始めると思うんですが、モールと自社ECのどちらに注力したほうが良いのでしょうか。
八木 大きな流れは変わりません。モールにはモールの良さが、自社ECには自社ECの良さがあります。自分たちの商材やお客様を理解した上で、それぞれを伸ばす戦略を取るのが大事です。大雑把に分けると、商品ページの作り込みで売れるのがモール、お店の個性で売れるのが自社ECですね。
モールで商品が売れている場合は、お客様の顔が見えづらいので、商品を買ってくださる理由や選ばれる理由をしっかり突き詰めて、自社ECに落とし込むと良いと思います。
森野 モールは値段で1位になっていればリピートされやすいですが、自社ECの場合は選択肢がたくさんある中で選んでもらい、さらにリピート購入までって難しいですしね。そもそもの場所が違うという認識は持っておきたいところです。SNS運用はどうでしょうか。
八木 これぐらいの規模になると、まずはチャレンジするというか、やらないといけないです。問題は、どこにお客様が多くいるのかということ。お話ししたように、選ばれる理由を考えていくと自然とどこに注力するのか決まってくると思います。ただ、SNSをやったからといって、爆発的に売れるというケースはあまりないので、継続が大事です。
森野 SNSとちょっと違うのですが、ライブコマースはどうでしょうか。
八木 ライブコマースも増えてきたと思います。一方的な情報発信よりもコミュニケーションの場になっているので、展示会で接客されている方や、実店舗の店員が担当するとうまくいきますね。