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ECzine Day 2024 Spring

2024年3月14日(木)10:00~16:20(予定)

ECzine Day 2021 December レポート(AD)

海外の先進事例に学ぶ新しいECのカタチ 顧客が期待するCXとは

 コロナ禍で激しいロックダウンなどの措置が取られた欧米では、デジタルチャネルでの顧客エンゲージメントを高めるため、ライブコマースやVRなど新しいサービスが続々と導入された。こうした新しいテクノロジーを用いた施策が、今後のオフラインでの購買経験にどのような影響を及ぼすのか。セールスフォース・ドットコムでプリンシパル・ビジネスコンサルタントを務める國村太亮氏が、世界で10億人を超える消費者への調査を通じて得られたインサイトをもとに、顧客の求めるコマースの新しいカタチについて解説した。

消費動向とEC利用はコロナ禍で大きく変化 国内におけるEC体制づくりと越境EC対応がカギに

 國村氏のセッションは、CNBCのニュースで報じられたセールスフォース・ドットコムのCOOであるブレット・テイラー氏のコメント紹介から始まった。同氏は「ニューノーマルがどう変わっていくのか」という問いに対して、「変化そのものがニューノーマル」と回答している。つまり、なにかが変わってニューノーマルになるのではなく、変わり続けることがこれからの当たり前になるということ。企業はその変化に対応していく必要があり、そのために重要なのは「アジリティー=俊敏・柔軟な対応」というわけだ。

 それでは、そんな「変化が当たり前の時代」に向けて、EC市場はどうなっているのか。また、何をどう備えればいいのかーー。

株式会社セールスフォース・ドットコム Commerce Cloud プリンシパル・ビジネスコンサルタント 國村太亮氏

 そこで、まず國村氏は、経済産業省による「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」からピックアップした『日本国内の消費者動向』を紹介した。それによると、コロナ禍の影響を受けた2020年度の「1世帯あたりの商品およびサービス支出の年間支出金額」は、モノ支出がさほど減らなかった一方で、旅行やライブなどのコト支出が激減している。

国内の消費者動向

 さらにBtoC限定でEC市場規模をみてみると、2020年度は19.2兆円で前年度比マイナス0.4%となっている。こちらも「モノは売れたが、コトが少なくなった」ことが明らかだ。その内訳は、食品や生活用品などの物販分野で利用が12.2兆円、昨対で21.71%も増えており、これまでEC化率が低かった生活必需品が、コロナ禍によるステイホームの影響でEC化率が向上し、購入額も増えたことが伺える。旅行や飲食、チケットなどのサービス系分野が激減、電子書籍やオンラインゲームなどのデジタル系分野では若干増加している。

国内B2CEC市場規模

 いわばコロナ禍でモノ消費の支出が増えており、幅広い商材でEC化率も上昇している。特に書籍・映像・音楽ソフトなどのメディア商材は42.97%と高く、家電商材も37.5%と高い。全体のEC化率も、自社EC・マーケットプレイスを含めると、1年間で6.76%から8.08%へと上昇傾向にある。

 こうした結果をふまえ、國村氏は“押さえておきたいインサイト”として、①コロナ禍によって非接触での買い物がふえていることに加え、事業者側で意識べきこととして②物流キャパシティの見直し、③ECデジタルマーケティング部門への人材配置をあげた。

コロナ禍で成長したモノ消費

 これまでの国内消費において、重要なプラス成長要因となっていたのが「インバウンド消費」だ。しかし、コロナ禍により、海外、主に中国からの観光客による“爆買”が消え、国内小売業にとっては大打撃となった。消滅した需要は4.8兆円にも上るという。そうした状況を受け、経産省のレポートでは、海外でも有名なブランドにおける「越境ECの可能性」を示唆。國村氏は、そのために必要な対応として、「多言語対応や海外発送」、「高品質なメイドインジャパン品質」、「海外トレンドの察知」をあげた。

グローバルでは「コンテキスト型コマース」がトレンドに

 それでは世界では、どのような変化が起きているのだろうか。セールスフォース・ドットコムのグローバルなサーベイである「Eコマース最新事情(ステート・オブ・コマース)」からのデータから、その動向が紹介された。

 まず、ECやデジタルマーケティングを実施する企業側に対する、投資・注力対象についての問いでは、BOPIS(店頭受け取りのインフラ)、キャッシュレス決済の強化をあげる企業が多かった。特にキャッシュレスについては、90%が既に対応済という状況だ。また、ECで成功している企業とそうでない企業とでは、「コンテキスト型コマース」への取り組みに大きく差があることがわかったという。「コンテキスト型コマース」とは、ECに、SNSやゲーミフィケーション、音声、仮想現実、ライブコマースなどの“デジタルエクスペリエンス”を加えることだ。國村氏は「通常の買い物だけではない、プラスアルファの魅力を付加することが、世界のトレンドになっている」と解説した。

店舗は非接触オプションを強化
パフォーマンスが高い企業は“コンテキスト型コマース”に投資

 確かに、10年前のECは、とにかく便利に購入することが目的だった。しかし、近年ではECはスマホを通じてデジタル上のさまざまなコンテンツやサービスとつながり、さらに近年では家電や車などリアルなものとも連携をはじめている。いわばECは、「買い物をする場」から、「体験をする場」に変わりつつあるといえるだろう。それがまさに「コンテキスト型コマース」というわけだ。

 その中で、新しい取り組みとして、数々のテクノロジーや仕組みが紹介された。たとえば、3DコンフィグやAR/VR、ショップスタッフのオンライン接客、ライブビデオショッピング、バーチャル+リアル接客など……事例は枚挙にいとまがない。

 その中で、米国の「Threekit(スリーキット)」が提供するAR/VRのデモンストレーションが行われた。VR/AR技術によって、店舗に行けない消費者が、当該の商品を疑似的に自宅のテーブルに配置してみることができるというもの。デモンストレーションでは、エスプレッソマシンや椅子が自室に置かれる様子が映し出された。

新たな「体験」を提供する海外の先端ソリューション
ARVRデモ

「アシックス」や「Mecca」など、コンテキスト型コマースの最先端事例を紹介

 続いては、グローバルにおける「コンテキスト型コマース」の最先端事例が紹介された。

 ひとつ目として、日本のスポーツメーカー「アシックス」では、海外売上比率が7割を占めるグローバル展開に、セールスフォースが活用されているという。

 まずECサイトには、「Matterport(マターポート)」のエンジンを用いた「バーチャルストア」が設けられており、店舗に行かずともウインドウショッピングを楽しみながら商品を選び、商品ページに遷移してワンストップで購入もできる。さらに商品説明ページなどでポップアップによる接客が行われているのも特徴だ。

 デモンストレーションでは、足型を計測してシューズサイズをリコメンドする「MOBILE FOOT ID」という機能、アンケートに答えながら自分のランニングスタイルに合わせて靴が選べる「シューファインダー」機能などが紹介された。また、メーカーサイトで逐一会員登録する手間を省くという意味で、Amazon Payなどとの連携もコンテキスト型コマースのひとつと言える。

アシックス

 続く2社目は、オーストラリアのコスメ小売業「Mecca(メッカ)」で、リッチコンテンツECが紹介された。ECはもちろん、動画やテキスト、映像などによる豊富なコンテンツに加え、ライブコマースによるメイクアップレッスン、メイクアップアーティストによる商品提案も行っている。見ている人のコメントも見られるようになっており、動画からカートまでシームレスに接続されている。さらにリアルなメイクアップスクールも充実しており、そのレッスン予約もサイトからできるようになっている。

 國村氏は「買い物はオマケのようであり、リッチなコンテンツはもはや“コスメポータルサイト”」と評し、「コンテンツはデジタルだけでなく、リアルスクールの予約まで1箇所ですべてトランザクションが可能。いわばモノもコトもECと共有できるようになっている」と解説した。

メッカ

Salesforce Commerce Cloudと外部パートナーシップで「コンテキスト型コマース」を実現

 アシックスやMeccaも活用する、セールスフォース・ドットコムのソリューションは、「Customer360(顧客と360°につながる)」という理念に基づいたものだという。その中で「コマース」に関わるソリューションである「Commerce Cloud」について紹介された。

 「Commerce Cloud」は、拡張性の高いSaaSのソリューションであり、外部連携に強みを持つことから、柔軟な「コンテキスト型コマース」のプラットフォームとして活用が可能だ。グローバルブランドを中心に84カ国、6,000社以上の企業に採用されており、「その実績をみても、結果が出せるソリューションだと自負している」と國村氏は胸を張る。特定のカテゴリに特化していないことも大きな特徴であり、企業規模・業界・地域を問わず、さまざまな企業やサービスに使われている。

グローバルで導入されるCommerce Cloud
Commerce Cloud導入先一覧

 外部ソリューションパートナーに対するスタンスについても、「良いものを取り込んでいこう」という考えかたに基づいており、前出のThreekitやMatterportなどの他にも、LINEやAmazonといったペイメント系、レビュー機能の「Yotpo(ヤトポ)」や、ビジュアル検索の「Syte(サイト)」、ライブコマースの「Bambuser(バンブーザー)」など、多種多様な外部パートナーとの関係性を深めている。

 國村氏は「セールスフォース・ドットコムのCommerce Cloudとの相性は抜群なので、ぜひご興味があれば、問い合わせて欲しい」と語り、セッションのまとめとした。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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