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EC市場でのスマホ比率やその重要性もわかる「電子商取引に関する市場調査」


 EC市場でスマートフォンは年々その重要性を増している。そのことがよくわかるのが、経済産業省によって毎年発表されている「産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」だ。ECの市場規模、EC化率などとともに、スマートフォン経由のEC取引の規模や市場拡大に向けた課題などがまとめられている。今回は、その電子商取引に関する市場調査の中でもスマートフォンに焦点を当て、その内容を紹介しよう。

物販系BtoC-EC市場で50%を超えたスマートフォン比率

 EC市場でのスマートフォン比率に話を進める前に、まずはPCなどを含めたEC市場全体に触れておこう。この調査報告書では、市場をBtoC-ECとCtoC-EC、BtoB-ECに分類し、その中でもBtoC-ECを物販系分野とサービス系分野、デジタル系分野の3つに分けている。

 2021(令和3)年7月30日に発表された報告書によると、すべての電子商取引の合計は、356兆1,471億円と前年比マイナス4.8%という結果となった。

2019年 2020年 伸び率
BtoC-EC 19兆3,609億円 19兆2,779億円 ▲0.4%
CtoC-EC 1兆7,407億円 1兆9,586億円 12.5%
BtoB-EC 352兆9,620億円 334兆9,106億円 ▲5.1%
合計 374兆636億円 356兆1,471億円 ▲4.8%
経産省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」をもとに作成

 BtoC-EC市場規模は、19兆2,779億円となった。その中でも、もっとも市場規模が大きいのは物販系分野で、12兆2,333億円となった。物販については、前年比21.71%という大きな伸びを示している。

2019年 2020年 伸び率
A. 物販系分野 10兆515億円
(EC化率6.76%)
12兆2,333億円
(EC化率8.08%)
21.71%
B.サービス系分野 7兆1,672億円 4兆5,832億円 ▲36.05%
C.デジタル系分野 2兆1,422億円 2兆4,614億円 14.90%
合計 19兆3,609億円 19兆2,779億円 ▲0.43%
経産省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」をもとに作成

 その物販において、スマートフォン経由で行われた取引は6兆2,269億円、比率は50.9%とBtoC-EC市場規模の約半分だ。今や物販の半数がスマートフォン経由だというのが実態といえる。

BtoC-EC(物販)におけるスマートフォン経由の市場規模
経産省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」P62より引用

 物販におけるスマートフォン比率は増加傾向にあり、2015年には27.4%という比率だったが、そこからの5年間で23.5%上昇し半数を占めるに至った。スマートフォン比率の年平均上昇率は4.7%になる。市場規模は1兆9,862億円から6兆2,269億円と3倍以上に成長している。

スマートフォン経由の市場規模の直近5年間の推移
経産省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」P63より引用

年々高まるスマートフォン利用

 今後も続くことが予想されるスマートフォンの市場拡大の背景を確認しておこう。

 スマートフォンの保有率は、この10年ほどで急激に拡大した。総務省の調査によると、世帯当たりのスマートフォンの保有率が2010年は9.7%だったが、2019年には83.4%になっている。

 パソコンやタブレットに追いついたのが2016年で、翌年には逆転、上昇傾向はその後も続いている。パソコン同様に漸減しつつある固定電話も抜き去って、調査対象の機器の中ではもっとも普及しているデバイスとなった。

 パソコンは下落傾向にある。2010年は83.4%だったが、2019年には69.1%と10年間で14.3%のマイナスとなっている。スマートフォン普及の勢いとゆっくりと進むパソコン離れは対照的だ。

主な情報通信機器の保有状況(世帯)
経産省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」P27より引用

 スマートフォン経由の取引が物販の50%を占める現状を踏まえ、スマートフォン向けのアプリやコンテンツ、サービスを設計、提供することがますます重要性を増すといえる。

  スマートフォンによる取引が増えた理由のひとつに、プッシュ通知が挙げられる。プッシュ通知とは、アプリを通じて直接メッセージを送る機能だ。パソコン(ウェブサイト)を経由する取引の場合、登録されたメールアドレスへ案内やリマインドが送られるが、スマートフォンではそのワンクッションがない。

  ノートパソコンやタブレットに比べると、スマートフォンは大きさや重量などの点で持ち運びやすさに優れ、つねに持ち運ばれたり手が届く範囲に置かれたりすることが多く、価格も安い。時間や場所を選ばすに利用者との接点が持てるという点において、優れているといえる。

EC市場で重要さを増すスマートフォンの存在

 今後も成長が見込まれるスマートフォンの市場には、EC市場全体の拡大に寄与することが期待されているといっていいだろう。さらなる市場規模拡大に向け、概況と取り組むべき課題を見ておこう。

  スマートフォンは、BtoC-ECの物販のみならず、デジタル系分野の市場拡大にも貢献している。具体的には、動画配信や音楽配信、電子書籍、オンラインゲーム、サブスクリプションなどだ。また、CtoC-ECの中でも特にフリマアプリはスマートフォンの貢献度が高いといえる。

  2020年の有料動画配信の市場規模は3,200億円、前年比33.1%と好調だ。定額制(サブスクリプション)、都度課金制、ダウンロード型があり、追加料金の請求を心配することなく利用できるサブスクリプションが人気となっている。

  音楽配信の市場規模は783億円で、前年比10.8%という伸びを示した。動画配信同様に、一定額で好きなだけ楽しむことができるサブスクリプション・サービスが好評を得ている。

  電子書籍は、紙媒体の出版物を電子化したものを含め、最初から電子書籍として出版した雑誌やコミックなどを指す。スマートフォンやタブレットの普及を受けて、市場規模は拡大している。

  2015年からの5年間で、1,771億円から4,569 億円(2020年)にまで成長した。2020年の単年で見ても前年比36.2%増と好調だ。電子書籍の市場をけん引しているのはコミックで、約8割のシェアを占めている。

  動画、音楽、電子書籍のいずれにしても、サブスクリプションが好調なことから、人気タイトルをどれだけ揃えるかがポイントになるといえる。定額制で見られるタイトルがある一方で、オリジナルコンテンツ制作に力を入れて独自性を打ち出し、課金対象を拡充することも欠かせない。

  デジタルコンテンツには、セキュリティ問題がつきものだ。違法ダウンロードや不正アクセスなど、セキュリティ面での対策が不可欠といえる。昨今のデジタルコンテンツ市場の拡大を受けて、2021年1月から書籍や雑誌においても著作権で違法ダウンロードが規制されることになった。

  SNSとの連携も必須といえるだろう。2019年にインターネット広告費が初めてテレビを上回ったが、その中でもSNSに関連する広告の重要性が増している。2020年のインターネット広告費は2兆2,290億円だが、そのうち25.5%にあたる5,687億円(前年比2.9%)がソーシャル広告に投じられている。

  スマートフォン保有のボリュームゾーンは20~40代だ。この中でも消費行動のカギを握っているのは、Z世代と呼ばれる1990年後半から2000年代前半に生まれた若者たちといわれている。物心ついたときからインターネットやデジタルデバイスがある、いわゆるデジタルネイティブ世代だ。

  就職や結婚など、ライフイベントに応じて購入するものは変わっても、主な顧客層であることに変わりはない。この電子商取引に関する市場調査を参照し、これからのEC市場において、どのような戦略で立ち回るかを考えるきっかけとしてほしい。

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